キーボード枠3点塗装 完成

 大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたキーボード枠部品3点の塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

ベージュの物は既存の着色樹脂と同じような色に、黒い方は以前ご依頼頂いた時と同じスタンドックス原色のMIX812でご依頼を頂きました。

 クリアーは艶消し仕様となります。

 PCを使った事がある方なら判ると思いますが、キーボードの樹脂は使っている内に皮脂で溶けてしまい、よく触れるところだけ艶が出てしまったりします。

今回の塗装はそういった事の防止で、なので色はそのままでといったご依頼になっているのだと思います。

 上段の二個はどちらも同じ物と思われます。

 下段の方はテンキーが着いた、少し長い形状になっています。

 ちなみに私もテンキーは無いタイプを好んで使っていて、その理由はマウスまでの到達距離です。

 元々間借りでやっていた時はスペースの問題でテンキー無しのキーボードにしたのですが、慣れるとそれが無い方がトータルでの作業効率は良くなるんですよね。

 ちなみに今はキーボードが左右で分割されたKinesis Freestyleも使っています。慣れないと使いにくいのですが、頚椎を痛めてからとにかく体が楽になる姿勢を模索しています。

 艶消しクリアーはウェットに塗っていますので見た目はサラサラですが、触るとツルンとしていて、傷が付き難くなるようにしています。

 それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度も当店をご利用頂きまして誠に有難うございました!

キーボード枠3点 本塗り

 先日下塗りを行っておいたキーボードの枠×3点です。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、全体を#800→#1300で足付け処理を行いました。

 色はアイボリー×2とシルバーの二色になるので、ベースコートはそれぞれを別に塗り、その後合流して一緒にクリアーを塗る方法とします。

 最初にアイボリーの方をベースコートだけ終わらせ、この後は恒温機の中に入れて保管しておきます。恒温機は密閉空間なので安心です。

 その後、元々黒だったキーボード枠にシルバーのベースコートを塗布します。

 ベースコートを塗ったままでも艶消しになりますが、このままだと耐久性が無いので、この後艶消しのクリアーを塗ります。

 ここで先に塗っておいたアイボリーのキーボード×2を合流させ、3個纏めて艶消しクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 その後自然乾燥で一時間くらい経つと、艶が消えた状態になります。

ウェットな状態で塗装面に埃が付くとそのままくっついてしまう為、少しでも早く表面を乾燥させようと熱を掛けたくなる気持ちになるのですが(実際私も昔はそうしていました)、そうすると艶にムラが生じてしまう為、自然乾燥で塗膜全体が均一に乾燥していくようにします。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせていただきます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

キーボード枠3点 下塗り

先日お預かりしておりましたキーボードの枠×3点です。

黒いキーボードは前回と同じくSTANDOX原色のシルバー「MIX812」を採用しますが、アイボリーの二つは「現状と似た感じで」と承っていますので色を作成します。

 最初は白の原色から始めて、

 黒・オーカー・オキサイドレッド・グリーンを足して似たような色を作成します。

 これらが今回使った原色です。各色とも白系の色を作る場合には王道の物ですね。

 素地調整としては#800相当で軽く足付け処理を行っています。

 素材はABS樹脂とPS樹脂で、いつも使う脱脂用溶剤(ノルマルヘキサン)だと溶けてしまうので、IPA=イソプロピルアルコールを使って脱脂を行います。ガソリンタンクに入れる水抜き剤に入っている溶剤ですね。最近使う機会が増えたので新たに専用ボトルを用意しました。

 プラスチックプライマーを塗り、1コートソリッド=STANDOX2Kエナメルを塗りました。トップコートの樹脂(所謂クリアー)に直接顔料が入ったような塗料で、クリアーと同じように硬化剤を50%(MSハードナーの場合)入れて使います。

もちろんサーフェサーでも良いのですが、その場合肌が荒れるので完全硬化後にはしっかりとしたサンディングが必要となり、その分コストが上がってしまいます。

今回はラインの修正は必要無いので、軽い足付け処理のみで済むトップコートをサフェ代わりに使っているといった感じです。

ちなみにアイボリーなら「直接1コートソリッドで塗ってしまえばそれで終わりでは?」と思う塗装屋さんもいらっしゃるかも知れませんが(良く判ります)、PCに使われているABS樹脂やPS樹脂は耐溶剤性が無いので、塗装して効果した後に射出成型時のジェッティングやフローマークが出たりして艶が安定しないんですよね。ムラムラになってしまい、結局塗り直す事になるのです(気にし過ぎかも知れませんが、塗装屋さんなら分かって頂けるかと)。

逆にプラモデル用塗料のように素材を侵しにくい物を使えばこれらの問題は起きないのですが、そうなると耐久性の方で結局オーナー様が希望されるレベルにはならないんですよね(触れたところだけ艶が出てしまうというのを払拭されたいのが今回のご依頼の一番の理由な筈ですので)。

この後は普通のクリアーと同じく60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、さらにチヂレ防止に二度焼きくらいしてから本塗りを行う予定です。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

キーボード枠3点 塗装承ってます

 先日到着しておりましたPC用キーボードの枠の部品です。こちらのオーナー様は以前にもキーボード枠とマウスカバーの塗装をご依頼頂いた方で、今回はこれら3個の塗装をご依頼頂きました。この度もご贔屓頂きまして誠に有難うございます!

 こちらの黒いキーボード枠は「前回と同じシルバーの艶消し」で承りました。

以前の記事を見てみると、STANDOX原色のMIX812で塗装したとの事が記載されていたので、今回もそれに倣って行います。車を塗っていた時はその都度カルテみたいな物を作成していましたが、今は数が多くなったのでそれは不可能となり、ただ今回のようにウェブ上に記載しておく事でリピートを頂いた時も非常に助かっています。

 そしてこちらのアイボリーの枠に関しては「現状と似た色の艶消し仕上げで」と承っています。状態としては悪くないのですが、以前ご依頼頂いた時のように手が触れる箇所はそこだけ艶が出てしまうので、それの防止といった理由からになるかと思います(しかしそれだけで新品のキーボードが買えてしまう額を超えてしまうのですが・・・)。

 早速先日作成したグレーの色見本から色を探してみましたが、色相自体が違うのでここには全く似た色は無く、

さらに内装色などの色見本を見ましたが、やはり似たような色は見つけられませんでした。グレーはあるようで中々無い色なので、今回は「5分程度の簡易的な色の作成」で対応しようかと思います。

ちなみに他には趣味で何個かのキーボードを塗装もしていますので、そちらも紹介したいと思います。

キートップ(ボタン)は塗装をすると文字が消えてしまうので対応が難しいのですが、元々ピンクのキートップを購入し、その側面だけをグレーに塗装、全体に艶消しクリアーを塗装した仕様です。こちらのページから他の画像も見れますので宜しければご参照くださいませ。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

Computer peripherals

 パソコン用のキーボード、マウス、ペンタブレット、キーパッドです。

通常は分解した状態でしか対応が出来ませんが、仕上がりが劣る点についてご理解・ご了承を頂ければマスキングで対応出来る場合もあります。

 ただし塗装作業の特性上失敗してもやり直しと言う事は出来ませんので、その点についてはどうかご理解頂けますようお願い申し上げます。

タブレットの一部にはLEDランプがあるので、こういった箇所もマスキングで対応します。

 FILCOのロゴ部分はアルミの素地が露出している為、ここは塗装後にペーパーを掛けてアルミ素地を光らせます。

 キーパッドのランプ部や、

この辺のスイッチも全てマスキングで対応します。

ペンタブレットはセンサー部とボタンをマスキングします。

裏側も塗りません。

キーパッドも各部をマスキングします。

裏側に貼ってあった滑り止めのゴムシールは一旦剥がします。

当然ですが部品単体の状態よりも手間が掛かるので費用も大きくなります。金額を抑えたい場合は分解してからご依頼される事をお勧めします。

全てのマスキングが完了したら良く脱脂清掃をし、まずはプラスチックプライマーを塗布します。下地処理としては足付け処理を行っています。

キーボードはフチまでしっかり塗りたいので浮かした状態にセッティングします。

そして本塗り完了です。

尚今回ご指定頂ている塗色は「艶消しの白」で、通常であれば最後に艶消しクリアーを塗りますが、今回のご依頼ではその分のコストを落とすべくベースコートのみの仕様となっています。

マウスはスクロールボタンもマスキングで対応しています。

白キーボードそして完成です。

苦労した甲斐もあってマスキングで塗ったとは思えない仕上がりに出来ていると思います。

剥がしておいたゴムシートも元に戻しました。ネジも外していたので色は着いていません。

ペンタブレットも完成です。

パイロットランプもマスキングで残せました。

各製品は既存の黒い部分を上手く残す事でシンプルな2トーンカラーを表現しています。

FILCOの文字部分は塗装後に表面を削ってアルミ地を光らせています。

その後オーナー様から設置後の画像とご感想も頂きましたので紹介させて頂きます。

「帰宅後、早速設置をしてみましたので、写真を添付いたします。何だか感無量で、しばらく机の前でぼーっとしていました。

ある程度は消耗品ですので、永久にとはいかないでしょうが、世界で一つだけの作品、大切に大切に使っていきたいと思います。

この度は夢を叶えていただき、本当にありがとうございます。」

こちらこそこの度のご依頼、誠に有難う御座いました!