NISSAN S20ヘッドカバー 下準備

 先日お預りしておりました日産スカイラインGT-R(KPGC10)のS20ヘッドカバーです。作業が遅れておりますがサフェ入れまで完了しておりますのでご安心下さいませ。

お預りしてからはアルカリ洗浄槽に数日浸けて油分を洗浄し、その後溶剤槽に浸け置きをして旧塗膜を剥がしています。今回は元々塗られていた塗膜の密着性が悪かった為、ワイヤーブラシ等を使わずともそのままズルっと剥がれてくれました。

尚、奥にあるのは別の業者様からご依頼頂いたインマニで、本件とは関係御座いません。

 素地の状態は悪く無かったのですが、念の為サンドブラスト処理(軽め)を行う事としまして、まずは裏側をマスキングしておきます。

 ブラストボックスに入れ、

 全体にサンドブラストを当てます。

ちなみにこちらのヘッドカバーは昔からご贔屓頂いている業者様からの御依頼なのですが、先日「塗装済み品」のヘッドカバーを購入したら色々と酷かったらしく、やはり中身が判らない物は駄目だと言う事でした。いくらサンドブラスト済みと言っても、元々あった酷い腐食を綺麗に取り除いてくれているという訳では無いので、残念ではありますがこの辺は裏を読まないと駄目なのかも知れません。

 その後全体を洗浄し、リン酸処理を行っています。

ここまでの作業の流れとしては、「アルカリ洗浄液浸け置き→洗浄→溶剤槽浸け置き→洗浄→サンドブラスト→洗浄→リン酸処理→洗浄」と、各工程毎に洗浄作業も行っているので乾燥も入れると結構時間が掛かっています。

 そして全体にプライマーを塗り、

さらにサフェーサーを7~8コート程塗り重ねます。

今回は結晶塗装では無く「艶々」でのご依頼で、こういった鋳造製品は特に粗が多い為、サフェーサーはかなりの膜厚を塗り込み、この後の研磨で素地を平滑に仕上げます。

ただ塗装屋さんなら判ると思いますが、この形状でのサフェ研ぎとなると、丸一日か、それ以上の時間が掛かるのでとても大変です。手研ぎでは綺麗なラインが出ませんので(と言うかそれではサフェの肌すら取れません)、これを全面当て板を使ってサフェを研ぐと言う・・・。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせていただきますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!