予定よりも少し早いですが、他に白系の塗装を行わないといけない案件があったのでこちらも一緒に本塗りを行いました。下地処理も足付け処理だけなので時間が掛かりませんしね。

 ただ部分的に塗膜が薄い箇所もあって（シルバーの上にクリアー塗っていませんでした･･･）、素地の金属が露出してしまった箇所もあるので、最初に全体にプライマーを塗っておきました。まあ量産品なので仕方ないですけどね。それにしても今作業中のTREKの塗膜は新車塗膜なのにしっかりしていてビックリしました（車と違って新車塗膜の方が酷い場合が多いです。ちなみにブリジストンのANCHORも凄くしっかりしています）。

 白と言う色は実は隠蔽力が弱く、エッジが立った角などは下地が透け易かったりするので、最初に隠蔽性を高めた白（黒やオーカーなどの無機顔料を入れて濃くした白）を下塗りとして塗るのが普通で、今回は３案件の白を一緒に塗っていますが最初に塗る白はこの白を全てに塗って効率をよくしているのです。スプレーガンを洗うだけでも結構な手間ですからね（と言ってもベースコート程度なら慣れれば３分も掛かりませんが）。

ちなみに白のうなソリッドカラー（＝メタリックでもパールでも無いエナメル色）であれば１工程の塗装で終わらせられる「１コートソリッド」と言う方法でも塗れるのですが、先ほども紹介したように白は隠ぺい力が弱く角が透けたりするので（市販品でそういうのがあるのはこういう事です）、その点を考えるとベースコートとクリアーを別ける２コートソリッドの方が安心です。今回みたいに種類の違う色を一度に塗れるという利点もありますしね。

それでは完成次第改めて紹介します。どうぞもう少々お待ち下さいませ！

 本日無事到着しました自転車用のキャリア（荷台）です。この度のご依頼、誠に有難う御座います！

 現状はシルバーの艶有り塗装が施されていて、新品＆傷無しの状態なので下地処理は足付け処理のみで本塗りを行います。これが塗装が一番安く出来る内容で、例えば素材が無垢の木材だったり金属から腐食が出ていたりすると大掛かりな下地処理が必要となるので、それに伴って費用も倍増します。塗装の費用は面積でな無く「工数」＝作業時間で決まるのでどうかご注意下さい。

特に小物の塗装でネックになっているのが「調色」で、自動車車体の色であれば予めカラーデータが存在しているので依頼者はその費用も意識しないで大丈夫なのですが、小さい物を塗る場合「これと同じ色で」となると、塗装費が１万円でも調色費が２万円、合計３万円掛かってしまう場合があります。塗るのは３０分で出来ても調色作業が２時間掛かってしまえば当然ですよね。

と言う事で、当店ではそれを省く為に「色見本」の貸し出しをしています。今回はサドルの白に合わせたいとの事で白系の色見本を集めてお貸し出しし、その中から御希望の色を選んで後日依頼品と共に返却して頂きました。これであればオーナー様と作業者（私）とで色に対する認識の共有が出来ますから、後で「こんな筈では･･･」と言う事が避けられるのです。

色見本帳はご依頼が決定された場合には無料でお貸し出ししておりますので是非ご利用下さいませ。私的にもその方が安心出来ますし、その分満足感も高まると思います（ちなみに結晶塗装やキャンディーカラーには対応しておりません。すいません･･･）。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います！