YAMAHA TRX850 本塗り

trx17 大変お待たせしました!ヤマハのTRX850の外装パーツ一式は無事本塗り完了しております。

昨日は祭日でしたが一応出勤していたので、昨日のうちに出来る準備はしておきましたから今日は比較的スムーズに作業が出来ました。途中一部修正作業を行ったのですがそれでも時間に余裕があったので落ち着いて出来たと思います。自分の不甲斐なさにちょっと叫び声が出たかも知れませんが・・・(時々独り言が勝手に出てしまうらしくそれが二階まで聞こえているとの事です)。

trx18 修正したのはこのロゴの位置で、この画像だとiPadで位置を確認しながら行っていますが実はこれは二回目です。最初の段階ではプリントアウトした紙のみで、それだと陰影がはっきりしていなくて、想定していた位置よりも1センチくらい上になってしまったのです。既にシルバーまで塗ってその時点で違和感を感じましたから改めて研磨してベースコート(黒メタリック)から塗り直しています。凄く変という訳ではなかったのでそのままパワープレイでも良かったかも知れませんが、多分今夜の夢に出てくるのでさっさとやり直す事にしました。

trx19 この画像はやり直す前に撮ったものです。マスカーで養生してあるので位置は判らないですが、とにかくこれはこの後またやり直しになったのです。まあこういった事は何も特別な事では無く比較的日常的な事です。毎日同じ事を繰り返していればありえない事でも、毎回違う事をやっていれば起きて当然と考え、大事なのはその後のフォローですね(と、それくらい寛大に考えていないと内蔵から色々な物が戻って来てしまいますので)。

trx21そして本塗り完了です。お待たせしました!

上の画像だとロゴが右よりに見えますがそれは左にあるプレスラインがはっきり見えないからでして、この位置であれば実物は違和感がありませんので御安心下さい。

trx20 こちらのカウルは割れていて溶着して直した方ですね。表から見たらどちらが直した方か判らないと思います。

trx22そしてこちらも継ぎ接ぎになっていたアッパーかウルです。同じく割れていたとは判らない仕上がりに出来ていると思います。ちょっと工夫が要りましたが裏側も一緒に塗れるように固定しての本塗りとしました。

元々裏側は艶消し黒に塗られていましたが、今回の塗装で裏側にもある程度色は入れておいたのでこのまま完成で問題無いかと思います(当初より裏は塗る予定はありませんでしたので)。

明日以降で熱を入れておきまして、この連休でしっかり完全硬化するよう寝かしておきたいと思います。丁度工場の屋根裏にアクセス出来るようになったのでそこに吊るしておけば安全且つさらに熱も入って締まりきると思いますので(屋根裏は天気が良いと60℃くらいにまでなるかと・・・)。

どうぞもう少々お待ち下さいませ!

TRX850 下準備

trx15 先日イメージイラストを紹介しましたが、こちらは実際にヤマハの音叉マーク(ロゴ)をプリントアウトしてタンクに貼り付けています。タンク自体はブラックメタリックでロゴはシルバーになります。

trx16サイズが決まったらそのデータを元にカッティングプロッターでマスキングシートを作成します。カット後の抜き取りは手作業ですがこの程度なら全然苦では無いです。一度大変な思いをしておけば同じ作業であれば余程の事が無い限り大変には感じなくなりますので(壊)。

明日にでも自宅で色を作成し(ベースコートの塗料一式は自宅に置いてあります)、このゴールデンウィーク中に本塗りを予定しています。いよいよですね。

尚、ゴールデンウィークの営業日は暦通りとなります。その他お待ちの方も今しばらくお待ち頂ければ幸いです。どうぞよろしく御願い致します!

TRX850 下準備

trx7 ちょっと紹介が遅れましたが先日サフェーサーは塗り終わっていまして現在は既にサフェ研ぎまで完了しております。何とか連休前に塗りたいところですが業者さんからのご依頼も詰まっておりますので現時点ではまだ判断が出来ない状況です。もう少々お待ち下さいませ。

trx8 画像はサフェーサーが塗り終わった状態です。ここでまず一区切りなのですが、どうせならばと一気に研ぎまで作業は進めています。と言ってもそのサフェ研ぎが一番大変ではあるのですが・・・。

trx9サフェーサーを研ぐ前には全体的に黒をスプレーしておきます。研ぎ忘れの防止やラインの確認、巣穴の発見など、これを行わないだけでもうっかり見逃してしまう事があるので重要な事です。

trx10 サフェーサーの研ぎ作業は、最初は空研ぎ用ペーパーの#320を当て板に貼って手研ぎでのライン出しを行い、その後も同じく空研ぎペーパーを使って#400→#600の順番で均します。空研ぎの場合は相当の研ぎ粉が出ますからこの作業は排気浄化装置の前で行います。それでも体中粉だらけになるのでちょっと撮影どころでは無くなってしまい、結局その辺りの画像は撮っていませんでして・・・。

画像はその後の水研ぎ作業で、工場裏手のスペースにマットを敷いて部品を移動して作業しています。空研ぎのイメージとしては「スピーディー且つ大胆に」、水研ぎは「繊細にネチネチ」といった感じですかね。

trx14そしてサフェーサーが研ぎ終わったら側面から撮影をし、画像をIllustratorなるソフトに取り込んで予め用意しておいたヤマハのロゴ「音叉マーク」をタンクの画像に重ねてみます。オーナーさまからはOKが出ましたので、後日これのマスキングシートを作成して本塗りに挑みます。ちなみにボディーカラーはガンメタでロゴはシルバーになります。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

 

TRX850 下準備

trx2 今日もこちらのTRX850の作業をメインで行いました。

上の画像はシートカウルで、割れている亀裂の両側に小さな穴を開けて細い針金で固定されていますが、私的には今回の補修跡としてはこれが一番まともなやり方だと感じました。ちょっとダイナミックな修理方法にも感じますが実はかなり繊細に作業されています。塗膜自体も新車当時そのままの物なので艶はありませんが、変な塗装がされているくらいならこれが一番マシというものです。

trx3 先日と同じく半田ゴテを使って溶着していきます。裏も同様に行っています。

trx4 良く見ると色々な箇所が割れていたので虱潰しに直していきます。

trx5 その後パテを塗って研いだらパーツ全体にもペーパーを掛けて傷を除去しつつ足付け処理を行います。本日一気にサフェーサーを塗れる状態にまでしておきました。

trx6 アッパーカウルも同じくパテ処理~足付け処理まで完了です。体中粉だらけになりましたがとにかく集中して作業に取り組みました。もうアシュラマンに怒り面みたいな顔になって作業していましたよ(判りませんか。笑)。

trx850先日スタッド溶接で凹みを出してサフェーサーを塗布しておいたタンクも、パテでラインを出しをおこなってこれで板金完了です。あとは後日もう一度サフェーサーを塗って研げば下地が完了です(まだまだこれからです)。

明日には何とかサフェーサーを入れて一段落出来そうです。ここまではとにかく粉の出る作業なので、これをやりながら何かを塗る、と言う事は出来ませんからどうしても短期集中的な作業になってしまいます。お待たせして申し訳御座いませんが何卒ご理解下さいませ。

どうぞもう少々お待ち下さいませ!

TRX850 アッパーカウル修正

trx6 昨日に続けてTRX850の作業を進行させています。こうなると他の作業は中々進まなくなってしまいますが、何とかキリの良い所まではやって行きたいと思いますので何卒ご理解頂ければ幸いです。

こちらは先程紹介したガソリンタンクと同じ車両のアッパーカウルで、正直こちらの方が性質が悪いです。ガソリンタンクとは違う人間が作業しているように見受けられますがどっちもどっちと言う感じです。まあある程度の覚悟はしていましたが・・・(疲)。

まずは現状の悪い箇所に印を付けます。普段は油性マジックなどは絶対に使わないのですが(塗装面にこれを使うとニジミなる大きな問題を発生します)、作業していて消えたらマズイので今回は特別です。ちなみに普段こういった場合のマーキングではクレヨン系の白を使っています(板金塗装屋さんと保険屋さんなら必ず持っているアレです)。

trx9修正が必要な箇所としては、転倒などで付いた傷や割れでは無く、それを修正した箇所を修正するのが今回のメインとなります。何を言っているのか良く判りませんね・・・続きます。

trx12まずは問題が起きているであろう箇所の塗装を剥がしていきます。こちらはタンクとは違ってちゃんと足付け処理はされていますから「塗装がペリペリと剥がれる」という事は無いのですが、塗膜の下からは凄く厚塗りされたポリパテやらステッカー(!)が出て来たりしています。

trx7 特にひどいのが割れた箇所の修理方法で、どの箇所もポリエステル系のFRPとポリパテで埋められている為か直した箇所全てで問題が発生していました。作業内容からしてプロの仕事であるのは確実なのですが、昭和のバイクと言う訳でも無いのですからもう少し何かやりよう(良い材料やその使い方)があったのでは・・・と思う次第です。

とにかく悪い箇所は全部剥がし、割れた隙間に残ったカスはカッターやピックツールで掻き出します。この後の作業で不純物が残っているとマズイんですよ。

trx10割れた箇所は半田ごてで一旦溶かして再接着します。イメージとしてはアルミの溶接を樹脂(プラスチック)で行っているような感じですかね。割れた箇所をV字型に解かしては移動して隣に盛ってを繰り返します。PP(ポリプロピレン)などでは難しいですが(私には出来ませんでした)、ABSなら溶着は比較的簡単です。

trx8 使うのは半田ごてとカウルと同じ素材であるABS樹脂です。欠けた箇所にはABS板をカットしてそれを裏当てしてさらに何枚かを重ねて厚みを確保しています。

trx11最後は掘った部分に新たに樹脂を足しつつ埋めていきます。

気をつける事としては、一度高温になって溶けたABS樹脂は体積が増えるように膨らんで、その分「密度」が小さくなっていますから強度は落ちている筈です。なのでその分裏側に沢山盛っておくとか、「ガラスクロス+接着材」などで補強しておく事が宜しいかと思います。今回は元々裏側に貼ってあったガラスクロスがそのまま利用出来る箇所はそのままで、その他はやはり盛って体積を増やして強度を高めています。

この後、溶着した箇所をサンダーで削り落としたらパテでラインを形成、そして全体にサフェーサーの塗布となります。まだまだ先は長いですが集中して作業しているので比較的進行具合は早く出来ていると思います。

どうぞもう少々お待ち下さいませ!