スイフトミラーカバー 本塗り

swift1大変お待たせしました!2トーンカラーでご依頼頂いておりましたスイフトのミラーカバーは無事本塗り完了しておりますのでご安心下さいませ。

尚、上の画像は先日紹介したイメージイラストで、今回は中央の部分のみベースカラー「スーパーブラックパール」(カラーコード:ZMV)」を塗り、クリアーはミラーカバー全体を覆うように塗布します。

swift3まずは全体を#1300で空研ぎによる足付け処理を行ないます。布状の研磨副資材、アシレックスオレンジですね。

今回上下の部分は既存の塗膜(ホワイトパール)を活かすので、削り過ぎて下地を露出させないようします。特に純正塗装は角の膜厚が薄いので本当に注意して研ぎ作業を行います。

swift4派手にペーパーが掛けられない分細部の足付けはスコッチやナイロンブラシとウォッシュコンパウンドも併用します。また今回のようにクリアーだけしか塗らない部分には汚れが付き易い空研ぎよりも水研ぎの方が断然安心です。車体の補修塗装のボカシ部分と同じですね。

swift5 以前車体の塗装を行っていた時に「塗装の保護の為、クリアーだけ全部塗ってもらえませんか」といったお問い合わせを何度か頂きましたが、それでまともに仕上げようとすればノイローゼになってしまうのでさすがに普通は行ないません。

swift6 と言う訳でまずはベースクリアーを塗ります。これは通常の艶々になるクリアーとは違い、ベースコートのボカシ作業などがある場合、飛散した塗料ミスとがムラ状にならないよう馴染みをよくする為の塗装です。STANDOXだとベースコートカラレス、DUPONTだとXB165をシンナーで希釈して使う物で、各塗料メーカー必ず設定がある筈です。車体を塗る場合でこれを使わないなんて事は有り得ませんよね。

swift7 ベースクリアーがテープフリーな状態になったら二階に移動してマスキング作業を行います。

まずは白に残す部分を和紙タイプのマスキングテープで大まかに覆い、直接素手が被塗面に付かないようにします。

swift8 見切りの部分はPP(ポリプロピレン)で出来たラインテープを使い、指定の位置に引きつつ左右が対象になるように貼っていきます。先日社外記で紹介した作った自作塗装台(保管用)がすこぶる役に立ちました。超グッドタイミングでしたよ。

swift9 その後は再び塗装ブースがある一階に移動します。ちなみに工場にはエレベーター(荷物用)があるので一階と二階の移動はストレス無く行なえます。ただし人間の方は階段での移動なので普通に疲れますが(笑)。

swift10 先ずは全体にベースコート塗り、十分に乾いたらラインテープを剥がして細部を修正していきます。最初は口径0.6ミリのスプレーガンを使っていますが、その後は0.3ミリのエアーブラシを使い、マスキングテープを貼っては剥がしてを20回くらい繰り返しました。ちなみに最初から0.3ミリを使うと塗料が微粒子化し過ぎてドライコートになってしまい肌が荒れてしまうのです(=密着性が低下してしまいます)。

swift11 ラインが決まったらクリアーを塗って本塗り完了です。クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」の仕様となっています。

swift121コート目のクリアーでは案の定「糊ハジキ」が出そうになりましたが(マスキングテープの糊に使われている溶剤成分が塗装に影響するのです)、貼っている時間が短かったお陰で問題なく仕上がりました。貼ってから塗るのが翌日になっていたら危なかったかもです。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

FIAT Remote Key

fiat21 最近リモコンキー塗装のお問い合わせが多いので、以前ご依頼頂いたフィアットのリモコンキーの加工&塗装を纏めて紹介します。

fiat24 元々端にキーリングを取り付ける部分があったのですが、どうやらこの型のリモコンキーは大抵これが壊れてしまうそうです。車の鍵でそれって、致命的では・・・。

fiat25 修理方法としては新たにABS樹脂で作ったフックと溶着するかアクリル板をレーザーでカットして接着するかを考えていたのですが、どちらも強度的に不安だったので今回はその部分を金属で作成する事にしました。

まずは残っている部分を削って平滑にしておきます。

ちなみにリモコンキーの内部は防水にも備えてラバーシート(ボタン兼用)が入っています。今回はこれを元の通り活かすようにします。

fiat28 中の空いたスペースを見つけ出し、そこにドリルで穴を開けます。

sozai材料は予め端材として購入していた物があって、今回はその中から2ミリのステンレス棒を使う事にしました。

fiat29 固定にはこのCリングを使用します。

fiat30 曲げたステンレス棒に切り込みを入れ、そこにCリングが噛むようにします。

fiat31 先ほど開けた穴に曲げたステンレス棒を差し込み、中からCリングで固定します。念のためエCリング周辺にエポキシ樹脂も充填しておきました。

fiat32 ラバーシートを戻し、カバーを止めて加工完了です。

fiat34 本体の方は傷を削り落とし、プラスチックプライマーとサフェーサーを塗布しておきます。

fiat35 サフェーサーが硬化したら全体を研いでラインを整えます。

fiat36 色は「イタリアのアッズーリのブルー」との事で、参考として送って頂いた画像に合わせて色を作成します。

fiat40 そして本塗り完了です。今回のように直接手で触れる物に関しては耐擦り傷性の高いクリアー(クリスタルクリアー)の仕様をお勧めしております。

fiat41 そして組み付けて完成です。

fiat42 ご依頼時に一緒にお預かりしたアルミ製のFIATエンブレムも貼り付けておきます。

fiat43 今回のフックは本体が壊れない限りもう取れないのでは無いでしょうか。

fiat44裏側には元々シリアル番号などが記されているシールが貼ってあったと思いますが、代わりにそこに違うエンブレムなどを貼っても良さそうですよね。