LOOKカーボンフレーム クリアー下塗り

look74 先日サフェ研ぎを行っていたLOOKのカーボンフレームです。今回はダウンチューブのカーボン素地部分に二度目のクリアー下塗りを行なうのですが、どうせならと言うことでフレーム全体に下塗りクリアーを塗る事にしました。

look73 ダウンチューブを養生しているのは再びアルミ素地が露出した箇所にプライマーを塗る為です。先日もこれは行なっていますが、サフェ研ぎの際にペーパーが当たって各部でアルミ素地が露出しているので再度スポット的に塗っておきます。

look75 ここもサフェーサーを塗る前にプライマーを塗っていますが、激しいサフェ研ぎではどうしても角にペーパーが当たって素地が露出してしまうので再塗装は必要です。

look76 この辺のアルミパーツも角は下地が露出していたりするのでスポット的にプライマーを塗っておきます。

look77 そしてダウンチューブのマスキングを剥がし、全体にクリアーを塗って下塗り完了です。

ちなみに下塗りと言っても工程は本塗りを変わりは無く、単にベースコートを塗っていないだけの事です。艶が出る事で研ぎ難かった箇所の確認も出来ますし、また少し粗いペーパー目(新品の耐水#800)も埋まってくれるので本塗りの仕上がりも向上します。

ただシャープさが損なわれるのは嫌だったので、チューブ部分はクリアーを3コート、それ以外の箇所は1コートのみとしています。

look78 最初に塗ったクリアーはかなり研ぎ付けたのでラインは良い感じになりました。

ワイヤーガイド(受け)はクリアーが乗り過ぎるのが嫌だったのでマスキングしています。

look79艶が出た事で細かい箇所の確認も出来、心配していたラグ周りも研ぎスジなどは無く綺麗に研げていました。

この後クリアーが完全硬化したらダウンチューブ部分にスモークを塗り、再度クリアーを塗ります。このクリアーはダウンチューブ両端のラグの切れ目(山の部分)で見切るのでフレーム全体には塗りません。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

マセラティリモコンキー塗装承ってます

mase1 先日到着しておりましたマセラティのリモコンキーです。何とか分解作業を終えましたので紹介させて頂きますね。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

この型のリモコンキーについては何度かお問い合わせがあったのですが、分解が難しいと言う事で今までお断りしておりました(と言うか分解した状態でならお受付はします、と言う事です)。

ただ偶然少し前に、これと同型のリモコンキーを既に分解済み(!)と言う方がいらっしゃって、「そうか、分解可能なのか・・・」と考えを改めまして今回お引き受けするに至りました。

ただここがそもそもの間違いでして・・・(色々種類があるみたいなのです)。

mase3どうやらこのリモコンキーは外側のカバーだけ社外品として売られていて、傷が付いた場合などはそれに換装できるようになっているようです。なので既存の外装は破壊しても良い訳なのですが、今回は既存のボディを活かして再塗装したいのでとにかく外側は傷を付けないように分解しなければなりませんでした。

方法としては、見えない箇所はマイナスドライバーやピックツールを使い、外側は上の画像のように隙間にヘラを差し込んで様子を見ながら開いていきます。

mase4 と言う訳で何とかカバーを二つに割ることが出来ました。と言っても先ほどの状態から実は6時間くらい掛かっていまして、と言うのも途中から構造上どう見ても無事に分解は出来そうも無い!という事で、色々情報を集めるべく世界中のネットを検索しまくったり、またオーナー様にも万が一の破壊の有無も仕方ないという事もご承諾なども頂いてようやくここまで至りました。もう半泣きでしたよ・・・。

mase5 ネックだったのはエンブレムの裏側にあるネジで、実はこれ社外品には付いていないタイプがあるのです。最初はこれに気が付かなくもう無理だと思っていたのですが、色々調べていく内にネジの存在が判り、ただかといってマセラティのエンブレムを外側から無傷で外すのは難しいと思ったので、少々強引ですがここは力技で無理やり開く事にしました。

mase7 カバーが分解出来ればフェラーリのリモコンキーと同じく、裏側からドリルで小さな穴を開け、ドライヤーで熱して両面テープの粘着力を弱めたら、裏からポンチで押出してエンブレムを外します。

mase8 内部の一部は破壊しましたが(!)、ケース外側とそのフチは無傷で取れたのが判ると思います。私的には奇跡的だと思うくらい上手くいきました。

ちなみにフチ傷付けると修正が難しく、綺麗に直すには塗装費以上のコストが必要となってしまいます(なので抉って傷付いた物は高額になってしまうので、社外品のカバーを買い換えた方がトータルは安くなります)。

mase6 割れた部分のネジを外し、破片はエポキシ接着剤で元の位置に戻しておきます。

mase9 細かい破片も元に戻しておきました。

mase10 奥にあった爪も分解する時に割れましたが、破片が残っていたので一応元に戻しておきました。多分無くても問題無いとは思います(社外品にはあれがありませんでした)。

mase11と言う訳で無事(では無いですが)分解作業、完了しました。使った工具はこんな感じです。

今回は事前にオーナー様には壊してしまった際の事もご承知頂けましたので作業に挑む事が出来ました。結構大変でしたがこの経験は今後に活かせると思います。

また別件でお問い合わせ頂いていた同型のリモコンキーを既に分解されていた方からもアドヴァイスを頂けた事が非常に役に立ったと思います。この場を借りてお礼申し上げます。

mase2ちなみに途中で少々心が折れた時に「マスキングでも塗れない事は無いか・・・」なんて考えたりもしたのですが、見ての通りこのカバーの表面はウネリが強く、このまま塗っても余り綺麗には仕上がらないので、まずは塗装前に表面を平滑に研ぎ出し、必要であればサフェーサーで新たにラインを作ってあげる必要があると思います。この辺は実際に作業をしながら検討しようと思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!