Alfa Romeo V6 engine

alfa7 アルファロメオGTA V6エンジンのエンジンカバーとサージタンクです。

alfa9こちらのエンジンカバーは通常のヘッドカバーと違って「飾り」的な物なので、外した状態でも走行は問題ありません。

alfa8  サージタンクについてはこれが無いと車が走れませんので、予め代替品を入手してそちらを塗装、完成後に整備工場さんなどに持ち込んで交換される方法が宜しいかと存じます。また余った部品はネットオークションなどに出品すれば買った金額と同額程度で売れると思います。

alfa10 まずはアルカリ洗浄槽に数日間浸け置きし、内部のオイル汚れなどを取り除きます。

alfa11 通常凸部は塗装後に研磨するのでそのまま塗ってしまうのですが、この部品はフィン部分砂型鋳造されたそのままの仕上げなので、塗装する前にある程度研磨しておきます。alfa12 通常は#800で仕上げますが、塗装前なので#80で削っておきます。

alfa13 その後リン酸を使って化成処理を行い、さらに洗浄した後に十分乾燥させてマスキングを行います。

alfa14 リン酸処理を行う事でこの後に塗装するプライマーの密着性を高めます。

alfa15 そしてプライマーを塗布します。

alfa18 続けて結晶塗装を行い、140℃~170℃程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

alfa19 結晶塗装用の塗料は通常の塗装(当店の場合は2液ウレタン系塗料)と違い、1液型の熱硬化性メラミン樹脂塗料となります。

時々「後はエンジンの熱で固まる」といった事項を見かけたりもしますが、それだけの熱では規定の温度までは達せず「生乾き」の状態になってしまいますのでご注意下さいませ。

alfa21 熱を掛けて塗膜が硬化したら周りを養生し、凸部を研磨します。

最初は#120から始めて180#→#240→#320→#400と均し、最後は#800で光らせます。

alfa23 さらにその後、アルミ素地が露出したところに2液のウレタンクリアーを筆で塗り、この後の腐食の進行を遅らせます。

alfa24 さらに数日寝かし、クリアーが硬化したら完成となります。

alfa25 色は赤と黒が人気ですが、青や黄色、また今回のようにパールを効かせたりする事も可能です。

alfa26 ただし結晶塗装は原色の種類が限られていて、さらに熱の加わり方次第でムラが生じますので、色の再現性については「大体似た感じ」といった程度でご了承下さいませ。

alfa28 alfa29凸部の研磨には多少エアーツール(サンダー)も使いますが、仕上げは全て手研ぎです。

そうしないと角が丸まってしまい、シャープなエッジに仕上がらないのです。

alfa30 車体に装着されると見えない裏側なども表同様にしっかりと仕上げています。

alfa31結晶目を近くで見るとこんな感じになっています。

塗りが弱いとこの目が細かくなり、また塗り方が悪いと全体がムラになってしまいます。安定して美しい結晶目に仕上げるのは実は結構難しい塗装となります。

バイク用アルミパーツ サフェ入れ

bike こちらもお待たせしております。バイク用の、多分ステップ周りのパーツです。

アルミの無垢ならリン酸処理だけでも良かったのですが、恐らく表面にはアルマイト加工が施されていて(そうでなければアルミは簡単に腐食します)、さらに形がイビツだったのでペーパーでは無くサンドブラストを使いました。

bike1 金属同士の当たり面は塗装しないようにしますのでサンドブラストも当たらないようにマスキングしてあります。

bike2 その後リン酸処理を行い、よく洗浄して乾燥させます。

ちなみにこちらの記事を見た知り合いの方から、「アルミって塗っても剥がれてしまいません?」といったご質問を受けましたが、自動車部品としてアルミはもう一般的な物ですので全くそういった概念がありませんでした・・・。

アルミ素材への塗装は全然難しくは無く、むしろポリアミドとかポリプロピレンとかポリエチレンへなどの樹脂の方が色々大変です。

アルミ素材は無垢そのままと言うケースが少ないので、恐らくはアルマイト被膜をそのままで塗ろうとすると、それは難しいと思います。素材は鉄なのに、実は亜鉛メッキ層があって幾ら塗ってもパテが付かない!と言うのと同じです(今みたいに良いパテが出ていない時代からやっている板金屋さんなら判りますよね)。

bike3 と言う訳で、素地調整としてサンドブラストを行い、さらにリン酸を使った化成処理を行い、それ用のプライマー(と言う程でも無いのですが)を塗ればアルミでも全く問題無く塗装は出来ます。尚、ポリパテを塗る際には初期硬化時に熱を掛けないようにするのが密着させるコツでしょうか(これも散々煮え湯を飲まされました・・・)。

bike4 こちらの部品は表面に梨地があったので、さらにサフェーサーを塗って平滑な素地を作ります。

bike5裏側は車体に装着されれば殆ど目立たない筈ですので、サフェーサーはシンナーで希釈して極力肌が出来ないように塗って研ぎ作業を省くようにします(足付け処理は行います)。

サフェーサーを塗って艶が出るとやはりと言うか素地の粗さが目立ち、サフェ無しでそのまま塗っていたら結構残念な仕上がりになっていたと思いますので、念の為にやっておいて良かったと思います。

後日熱を入れて硬化させたらタイミングを見計らって本塗りを行いたいと思います。どうぞもう暫くお待ちくださいませ!