こちらもお待たせしております。昨年よりお預かりしておりますfi’zi:kのカーボンハンドル&カーボンシートポストです。
先日各ロゴの採寸~データ化が完了しましたので下地作業を開始しました。
ステアリングは3か所に滑り止めのザラザラとした部分があり、そこは塗装しないようご指定承っておりますので、ペーパーが当たらないようにし、またサフェーサーも塗らないように致します。
同じくシートポストも車体に挿さる部分には塗装を塗らないようにしますので、下地処理とサフェー入れは上の見える部分のみとなります。
ただしサフェーサーをいきなりブツ切りにするとそこで激しい段差が出来てしまいますので、サフェーサーの見切りラインは本塗りのラインより少し上に、さらに端のテープを折り返してヒラヒラとするようにして段付きを緩和させます。ちょっと判り難いですかね。
この辺は自動車塗装では基本的な手法で、例えば12ミリ幅のマスキングテープの端3ミリくらいを内側に畳んで、粘着しない3ミリ幅の部分を作る、といった感じです。結果マスキングテープは6ミリ幅になります。説明が難しくてすいません・・・。
さらにそれを2段階にし、サフェーサーを塗り重ねる毎に剥がして見切りの段差を滑らかにするようにします。
一回目のテープを剥がした所がこんな感じです。この時点でサフェーサーは3コート塗っています。
さらにサフェーサーを3コート塗り重ね、最後に本物のブツ切りラインのマスキングテープを剥がします。結構面倒な事をしていますが、こうしておけば最終ブツ切りラインに激しい段差が出来ないようになります(それでも本塗り自体がそこでブツ切りにするので多少は出来てしまいますが)。
シートポストも同じようにして、本塗り時に見切るラインより少し上側でサフェーサーを塗り終わりました。後のサフェ研ぎでさらに滑らかに仕上げます。
素材はアルミで、ロゴがプリントされていた個所をペーパーで研ぎ落とし、さらに全体をサンドブラストで処理します。
サンドブラストを使って処理する場合、メディア(研磨粒子)が当たる面の硬度が違うと切削具合が変わってしまい、ロゴの凸凹がそのまま残ってしまうからです。
後から処理しても構わないのですが、ブラストが当たると良く判らなくなってしまうので最初に行っています。
ちなみに全体の艶消し黒の部分は塗装で、艶のある四角い部分とロゴの個所はアルマイトっぽい仕上げでした。一体どういう製造工程なんでしょう・・・(そう言えば以前施工したアルミタワーバーに入ったロゴも同じようでした)。
その後リン酸処理を行い、各部を清掃、マスキングをして台にセットします。
こちらは裏表塗りたいので針金で吊るしました。ただブラブラするのが嫌なので、最初は置いて裏側を先に塗っています。
そしてプライマーを塗って完了です。こちらはサフェーサーは塗りません。
またフォークに固定する部分(画面だと上側)については塗装はせず、サンドブラストも当てないようにしています。恐らくここを塗るとシャフトに入らなくなる可能性があって、以前施工したチネリのステムも同様にしています。
本塗りではベースコート(色)は裏表共に塗りますが、クリアーを塗る時には裏側を台に固定し、クリアーは表面のみの塗装とする予定です。
それでは作業進行次第また紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!