TOYOTA86ブレンボキャリパー 本塗り

 先日色の検証を行っていたトヨタ86用ブレンボキャリパーです。

色はまずこちらのソリッドカラーのオレンジ(シトロエン)を基にして、ここからパール・メタリックを加えていきます。

尚、基となる色を決めた作業については以下ページで紹介しておりますので宜しければご参照下さいませ。

TOYOTA86ブレンボキャリパー 塗装色検証

 ちなみに今回はキャリパーとは別に「色見本キーホルダー」の制作のご依頼も承っておりまして、試験的に配合データ(の一部)をデカールにして貼ってみようという事で、加えた原色の量を記録しておく事にしました。

 足した原色は先日紹介した通りの2色で、サテンゴールドパール(粗目)と、着色メタリックのオレンジを使います。

 そしていつものブレーキ屋さんから戻って来ていたキャリパー一式です。旧塗膜をサンドブラストで剥離し、脱脂洗浄・マスキングもして頂いた状態です。

 その後さらにダブルアクションサンダー(#120~#180)と手研ぎ(#180~#240)で全体を均します。

全体を綺麗に脱脂洗浄をし、さらにマスキングを加えてブース内にセットします。

 まずはプライマーを塗布します。

 続けて車体(またはブラケット)に固定する個所にベースコートの黒を塗り、十分に乾燥したらサイズの合ったマスキングシートを貼り付けます。

 色見本用キーホルダーは下塗りとして一旦クリアーを塗って研いであります。細かい巣穴や湯口部分を整える為です。

 そしてベースコートを塗布します。

ただ実際に塗ってみるとゴールドパールと着色オレンジメタリックが効き過ぎてしまっていて、オレンジの濃さ(赤味)が損なわれてしまっているように見受けられます。

メタリック・パールはスプレーガンで塗装すると粒子が立つ為、スティックで色を見た時よりも色が薄く(明度が高く、彩度が低く)なる傾向があります。ちょっとイメージと違ったので、この後修正する事にしました。

 結果としては修正と言うよりかは一から色を作り直す事となり、色が濁る(彩度が落ちる)原因である原色「白」と「黒」を無くし、代わりに鮮やかな赤の原色(MIX561)を加える事にしました。右が最初の色で、左が新たに作り直した色です。

 そのせいでしかしそのお陰で、今回の配合データは独自の物となり、こうやってオープンにする事も可能となっています。一応内訳を紹介しますと、


MIX579     オレンジ        12.5
MIX577     ダークイエロー     15.0
MIX561     ルビーレッド        5.1
MIX843     サテンゴールドP          9.0
MIX895     サンライズオレンジM  
1.1


といった配合になっています。

と言う訳で新たに作った色を塗りました。先ほどの画像に比べると色が濃くなった(赤味が増した)のが判ると思います。

 その後十分に自然乾燥させてベースコートがテープフリーな状態になったら、ロゴを塗装で入れる準備をします。ちなみに元々フロントキャリパーに塗られていた自家塗装のロゴは105ミリとかなり大きかったのですが、ブレーキ屋さんに伺ったところ本来はフロント80ミリ、リヤ43ミリとの事なのでそれに合わせています。

 ロゴの色は黒メタリックで今回使用したのはVWのLC9Zとなります。ポルシェにも使われている色で、色番号は違う筈ですがなんでしたっけ…。

 ちなみにキャリパーのロゴを入れる場合はこんな感じで長めにカットしたマスキングテープを貼り、ドレン穴の位置などを目安に水平・中心の位置出しを行います。

 ロゴ入れが終わり、再びブース内にセットしました。

 十分にエアーブローを行ってゴミを飛ばし、クリアーを塗って本塗り完了です。

 良い具合にオレンジの濃さが出たと思います。

 光に当たるとイエローパールと着色オレンジメタリックが効いて、ゴールド感が表現されます。

一緒にご依頼を頂いている色見本キーホルダーについては社外記の方で紹介しますので、宜しければそちらもご参照頂ければと思います。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

NDロードスター リヤフラップ塗装 完成

 大変お待たせしました!NDロードスター用のFRP製社外品リヤフラップの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々は未塗装の白ゲルコート仕上げで、これを「研磨→2液ウレタンサフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で素地を整えてから上塗りを行っています。

 色はマツダスピードなどの外装パーツで使用されている「ブリリアントブラック」(カラーコード)「A3F」で、クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」の仕様となります。

 形状は全体に盛り上がっているように見えますが、中央は反り返った逆アールのラインとなっています。

 ちなみにFRP製品はその殆どがマスター型からの手作りの為、左右で微妙に(と言うか結構)形が違う事は良くあります。

 今回も実際に触れてみた感じでは結構左右で形が違っているようで、ただ言われなければ気が付かない(と言うか着けば一緒に並べれ見れない)ので、特に気になるレベルでは無いかと存じます。と言うかそろそろこういった部品も3Dプリンターで出力された物が出回っても良い気がしないでも無いのですが・・・(それなら左右対称のマスター型が出来る筈なので私的には気分がスッキリするのですが)。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度も当店をご利用頂き誠に有難う御座いました!

S-WORKS VENGE VIAS③

前回の続きで、いよいよ本塗り工程となります。上の画像はキャンディーグリーンの下塗りまでが完了したフレームです。クリアーも塗ってあって、ロゴが要らなければこれで完成と言う事でも大丈夫な状態です。

艶のあるまま塗装をしても密着しませんので、少し勿体ないですが再び全体にペーパー&スコッチを当てて足付け処理を行います。

全体が足付け処理されて塗装がよく密着する状態です。その反面汚れも付き易く落ち難い為、扱いは十分に気を付けます。

 元々あった位置にロゴを塗装で入れ直す為、最初に撮影した画像や数値をデータ化した物を準備します。

 予め作製しておいたマスキングシートも準備します。

 そしてフレームとフォークに、まずはベースクリアーを塗布します。

 ベースクリアはその名の通りベースコートのクリアーで、要は色の付いていないベースコートです。

先にベースクリアーを塗っておくとこれから塗るベースコートの馴染みが良い為、ロゴの輪郭が綺麗に仕上がります。

 ベースクリアーを十分に乾燥させテープフリーな状態になったら所定の位置に合わせてマスキングシートを貼っていきます。

 ロゴの白を塗り、マスキングを剥がしました。

 画像の一部に黒い点がありますが、これは被塗物では無くカメラのレンズ無いにゴミが混入した為です。

クリアーを塗って本塗り完了です。

追加でご依頼頂いたPioneerのペダリングモニターセンサーカバーも同じようにロゴを塗装で入れ直しています。時々「ロゴは残して」といったお問合せを頂きますが、ロゴを通常ロゴを残すことは出来ません。元のロゴを新たに作成し、塗装で入れ直さなければなりません。

一日自然乾燥させた後、60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させます。

 その後必要に応じて磨き処理を行い、完成となります。

S-WORKSカーボンフレーム&フォーク塗装 完成

 

完成画像については上記ページで紹介しておりますので宜しければどうぞご参照下さいませ。

S-WORKSのRAW画像加工

 

また今回のキャンディーグリーンは実際に見た色味と撮影した色味では大分変ってしまって見えた為、その後色の見え方などを検証しています。

その後フレームが組み上がったとの事で、オーナー様から画像とコメントを頂きました。

「先ほど宅配便でフレームが無事に届きました。早速開けてみました。感動しました。メール等で何度もおっしゃっていたとおり実物の方が断然綺麗でした。
塗装を依頼した時にお送りした2016ツール最終日にサガン選手が乗ったVENGE VIASの画像に限りなく近いグリーンだと思います。ここまで色合わせ頂きとても感謝しております。大事に乗ります。ありがとうございました。」

との事です。

また後日こちらの画像もいただきました。お手数を頂き誠に有難う御座います。

この度のご依頼、誠に有難うございました!