象印タンブラー 下準備

 先日「ロッソF1スクーデリア」(カラーコード:263657)のキャンディーレッドで下塗りを行っておいた象印ステンレスマグです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させておきました。

 ちなみにこのステンレスマグですが、販売価格は一般的なサーモスの倍くらいして、製造自体はサーモス社による物だと思うのですが、ネジ径が違っていたり、蓋に安全設計がしてあったり、さらには内側にプライマーが塗っていたりと、結構至れり尽くせりな仕様です。

 次の工程で行うライン入れ塗装の準備として、一旦塗装用の取っ手を取り外し、蓋を締めてセンターの位置を確認します。こちらもサーモスのように「締めると延々動いていく」ようなズレが生じず、かなりカチっと締まる感じがとても良いです(サーモスは強く締めると延々位置がズレるような感じで位置出しの判断が難しいのです)。

 センターの位置が判ったら蓋を外し、再び塗装用の取っ手を取り付けて蓋周りをマスキング、そしてストライプラインの位置確認をします。

ストライプラインについては事前に実寸サイズでデータを作ってありますが、やはり一度はマスキングシートを作製する前に現物合わせで確認をしておきます。

予め作成しておいたストライプラインのデータを基に、マスキングシートを作製し、

実際にタンブラーに貼って確認をします。

尚、今回はソリッドカラーでは無く3コートキャンディーカラーの為、塗る順番が少し変則的になっています。

 ライン入れ塗装用の下準備が整ったので、今度は色を作製します。

 白はフェラーリ純正色のBianco Avus(カラーコード:100)なので配合データから色を作れますが、グリーンについては情報が無かった為、オーナー様からご案内を頂いた画像を基に色を作製します。

配合としては、エメラルド(MIX573)、白(MIX570)、イエローHP(MIX884)の3色で構成しています。

ちなみにですが、少し前に作成した紙コップ用の蓋付ホルダーがとても良い感じで、先日の下塗りに使ったロッソスクーデリアの色も固まらず良い状態のまま残っていました。通常はマスキングテープなどで適当に蓋をしておくだけですが、この量だと一週間も持たずにガビガビになってしまう為、後でもう一度使いたい時には使い物にならないんですよね。そうなると他の下塗り用としても使えません。

なのでもっと増産したいのですが、改良したい部分もあるので(あと何だかとても忙しいので)こちらはもう少し先になりそうです。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BMW MINI Badges

BMW MINI R60 クロスオーバー純正のボンネットバッジとトランクエンブレムです。

こちらが完成画像で、メッキ素地用の下地処理を行い、ベースカラーをMINI純正の「アブソリュートブラック」(カラーコード:B11)、ロゴ部分とフチの丸いラインを同じくMINI純正色の「チリレッド」(カラーコード:851)で塗装しました。

 トランクエンブレムはMINIの文字とフチが一段高くなったエンボス仕上げなので、

表面を全部削り落としてフラットにしてしまいます。こちらはメッキでは無くアルミに黒とクリアーが塗られています。

 ボンネットバッジは装飾クロムメッキを施された羽根の部分をベースに、アルミのプレートが接着剤で貼り付けられています。またこちらもMINIの文字とフチが一段高くなっています。

 ボンネットバッジに貼られたプレートは強力な接着剤で固定されている為、一旦剥がすとクシャクシャになるので再利用は出来ません。なのでこれと同じ物をABS板で作成します。

 一ミリ厚のABS板を熱し、同じようなアール曲面の物(画像はスプレーガンのキャップ)に当てて変形させます。

 それをボンネットバッジのプレートと同じサイズに切り取り、

 綺麗に整形してピッタリ嵌るようにします。これでエンブレムが飛び出たりしなく、美しい仕上りになります。

(緑色のシールは綺麗な円に形を整えられるようガイドの役目を果たしています。)

 それぞれに適したプライマーを塗り、

 サフェーサーを塗布します。

 後に形を整える事も想定し、ウェットで5~6コート程塗り重ねておきます(念の為ですがサフェーサーは2液ウレタンで、ラッカーサフェーサーを使う事はほぼありません)。

 装飾クロムメッキへの塗装の場合、通常の方法では十分な密着性が得られない為、他の物とは違う方法で下地を作ります。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、サフェーサーを研いでラインを整えます。

 フロントバッジのエンブレムは文字や隙間の位置をしっかりと出し易いように、本塗り前にプレートを接着しておきます。

縁に食み出ないよう周りに両面テープを貼り、中央の穴の開いた部分にエポキシ接着剤を点付けします。

 硬化するまでしっかり固定をしておきます。

 よく脱脂清掃をし、台にセットして本塗り準備完了です。

 まずは隠蔽力の弱い赤=「チリレッド」(カラーコード:851)から塗ります。

 データを作成し、カッティングプロッターでマスキングシートをカットしました。

 サイズが小さい分、少しのズレでも気になってしまうので、水を使って位置を微調整しながら貼り付けます。

 位置が決まったらドライヤーを使って十分に水気を飛ばします。

 その上に「アブソリュートブラック」(カラーコード:B11)を塗布し、マスキングを剥がします。

 最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

 デザインは世界に一つのオリジナルですが、人の手で塗られているとは思えないといった機械的な仕上りが理想です。

 見た目だけでは無く、耐久性も重要と考えています。メッキの上に密着剤を使って塗装するような事はしていません。

 その後60℃40分程の熱を掛けて完全硬化させ、さらに数日寝かしたら完成となります。

BMW MINI R60 クロスオーバーのリヤゲートはこのエンブレムがオープナー(取っ手)になっていて稼働するようになっています。

その後オーナー様より装着後の画像も頂きまして、こちらのページで御確認を頂けますので宜しければご参照下さいませ。

BMW MINIエンブレム塗装 完成

他には黒と白(MINI純正ライトホワイトソリッド)で塗装した物もあります。