TOYOTA CROWN Logo Emblem

 トヨタクラウンアスリートの純正フロントグリルエンブレムです。

 状態としては新品で、装飾クロムメッキの上に明るいブルーメタリックの塗装と、また全体に薄くスモーク塗装クリアーが塗られています。

 シンナーとワイヤーブラシを使って既存の塗膜を剥がしました。

 その後メッキ素地用の下地処理を行い、最後にウレタンサフェーサーを塗布します。

その後60℃40程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、ガイドコートとして全体に軽く黒を塗ります。

 サフェーサーを#320~#400で空研ぎし、

#600の水研ぎでラインを整え、

 #800~でペーパー目を均します。ガイドコートは必要に応じて途中に塗り直す事もあります。

 台にセットし、よく脱脂洗浄したら本塗り開始です。

 ベースコートの黒を塗り、クリアーを塗って本塗り完了です。

 クリアーは高品位なタイプのSTANDOXクリスタルクリアーに変更で承りました。

 その後60℃40分程の熱を掛けて数日寝かしたら完成となります。

 こちらは自然光で撮影した画像です。

 こちらは室内の照明下で撮影した画像です。

 画像の加工は行っておらず、撮ったそのままをサイズのみ変更しています。

 実物が届いてみると予想していたよりもサイズが大きく、また彫りが深いのでかなり塗り難い形でもありました。

ゴミを着けたり肌が悪かったりしても磨けるような形状では無い為、プレッシャーも比較的大きい案件でした。

クラウンアスリート フロントグリルエンブレム塗装 完成

crown13こちらもお待たせしました!クラウンアスリートのフロントグリルエンブレム、艶あり黒の塗装で完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

crown元々はメッキの上にスモーク塗装、さらにブルーの塗装も施されていて、まずそれらの塗膜を剥がし、メッキ素地用の下地処理を行ってからの塗装となっています。そのまま塗れば何てことは無いのですが、全部下地からやり直しているのでかなり手間も掛かっています。

crown16 色はソリッドカラーのブラックで、クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーを使用しています。

尚、通常使うクリアーはSTANDOXイージークリアーで、オプションとして同社クリスタルクリアーへの変更が可能です。つや消し・半艶には対応しておりません。

crown17 こういった物を塗る場合は大抵は密着剤(スプレー糊のような塗料)を使用しますが、そういった類は一切使用していません。

crown18 今回のオーナー様は当店にご依頼頂く前に自動車板金塗装店にも相談はされたらしく、ただメッキ製品への塗装はいずれ剥がれてしまうとの回答だったようです。むしろそれがまともな塗装屋さんの回答だと思います。

crown19 ちなみに素材自体はABS樹脂なので、メッキを薬品で剥がしてから塗り直すという事も可能です。今回は一応それも想定していました。

ただ今回はメッキの上に塗装があった為にいきなり薬品も使ってもメッキは剥がれませんから、それの剥離作業を考えると手間的には変わりなかったので(結局サフェーサーは必要いですので)、既存のメッキは残しての塗装となっています。

crown20 crown14ちなみに一応自然光での撮影も試みていますが、上の画像のようにコントラストが強くなってしまい、どうしても塗装の仕上がりが判り難くなってしまうので(なんだか誤魔化しているようなので…)最近は人工照明下での撮影を増やしています。

crown15こちらも自然光での撮影となっています。この方が格好良くはあるんですけどね(笑)。

それでは後程完成のお知らせメール差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

クラウンアスリート フロントグリルエンブレム 本塗り

crown6 こちらも無事本塗り完了しておりますのでご安心下さいませ。クラウンアスリートのフロントグリルエンブレムです。

crown7 とにかく形がイビツで、下手にペーパーの角を立てるとスジ状に彫れてしまいますから注意が必要です。

crown8 こういった場合でも当て板を使わないでサフェを研ぐという事は無く、研ぐのが難しい個所もそれに合わせて何からしら固い物を用意し、ペーパーを当てて研ぎます。今回はアクリル板の断面を平らに研ぎ出して使っています。

crown9 最後は当たりのソフトな布状の研磨副資材を使ってペーパー目を均します。

crown10 途中でシリコンオフなどをスプレーして艶を出しては研いだラインのチェックをし、良くなったら綺麗に清掃して台にセットして本塗り準備完了です(実際は塗るまでの全ての準備を前日までに行い、本塗りは翌日朝からスタートする場合が多いです)。

crown11 ベースコートの黒を塗り、クリアーを塗って本塗り完了です。

crown12こちらも実際はベースコートを2~3コート塗った時点で全体をチェックしていて、細かい毛埃などが付いていれば#1300のペーパーで中研ぎをし、良ければ再び最後のベースコートを塗ってからクリアーに移行しています。

また本塗りの際には前日までに床の清掃なども終わらせておき(今回も全面スチーム洗浄しています)、塗装前にはあらゆる所をエアーブローしてホコリを飛ばしておき、服も本塗り用の物に着替えて挑んでいます。小物だからといって何も気にせずいきなり始めて綺麗に塗れる訳ではありません。

それではこちらも完成次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

メッキパーツ一式 下準備

legacy16 現在お預かり中の装飾メッキパーツ一式です。メッキ用の下地処理は通常とは少し違うので、まとめて一気に作業をしています。

crown4クラウンアスリートのフロントグリルエンブレムは元々メッキの上にスモーククリアー、そしてブルーメタリックが塗装されていましたが、そちらはシンナーとワイヤーブラシで剥がしました。

素材自体はABS樹脂なので溶剤(廃シンナー)に浸け置きは出来ませんが、元々塗られている塗装はシンナーを付けると表面がべた付く感じになるので、塗膜が柔らかくなったところにヘラやワイヤーブラシを使って擦ると剥がす事が出来ます。メッキに傷は付きますが、どの道最後はサフェーサーも塗るので問題ありません。ただかなりネチネチとした作業ですけどね(なので剥がさずに上から塗り重ねるケースが殆どだと思います)。

crown5 その後プライマーを塗り、さらにサフェーサーを塗って完了です。

legacy17 こちらはスバルレガシィのフロントグリルメッキモールと、奥にあるのはグリルの枠のパーツとなります。

メッキモールは一部ザラザラとした部分がありますが、そこはサフェーサーを充填し、完全硬化後に平滑に研ぎ出しておきます。ツルツルに仕上がりますのでご安心下さいませ。

legacy18後でフチから塗装が剥がれるのを防ぐ為、最初に裏側全体にプライマーを塗布し、その後表側にひっくり返して同じくプライマーとさらにサフェーサーを塗ります。

harley83 こちらはハーレーのヘッドライトバイザーで、他の部品はABS製のプラスチックですが、これは金属素材となります。鉄であれば普通にサンドブラストを掛けて大丈夫なのですが、磁石の付きが極端に悪い事から恐らくは鋳鉄と思われ、ブラストを掛けたらプラスチックパーツよろしくメッキがベロベロになったらとても嫌なので、他の樹脂素材と同様の下地処理にしています。

harley84 こちらの蓋は本物の鉄なのでサンドブラストを掛けても何ら問題ありませんが、これのみとなると効率が悪いのでやはり他と同じ処理方法となります。

ちなみにこの蓋ですが、成型時に鉄板を回り込ませて曲げた際にフチが盛り上がって格好悪いので、サフェーサーを多めに塗って完全硬化後平らに研ぎ出しておきます。多分パテを使う程では無いと思います。

xv26こちらはスバルXVのフロントグリルメッキモールです。中央が細くなっているので下手に力を掛けると折れてしまいますから注意して作業をしています。ABS樹脂自体は多少柔軟性があるので大丈夫なのですが、表面のメッキは異様に硬いので直ぐにひび割れるんですよね(ベンツのスターマークを外す際に細い根元部分がヒビ割れているのをよく見かけます)。

サフェーサーは5~6コートと結構塗り込んでいますので、取り敢えずこの状態で一日以上自然乾燥させてゆっくり塗膜中の溶剤を揮発させ、見た目硬化後に熱を掛けて強制乾燥~完全硬化させます。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

クラウンアスリート フロントグリルエンブレム塗装承ってます

crown 先日到着しておりました、トヨタ純正クラウンアスリート用のフロントグリルエンブレムです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

crown1 てっきり普通のフロントグリルバッジかと思いきや、全長はカッターより少し短い程度で、、通常のエンブレムよりも5倍くらいの面積があります。届いて見た時はビックリしました・・・。

crown2 現状はメッキの上にスモーククリアーが塗られていて、足付け処理だけしてこの上から塗り重ねる方法もありますが(作業的にはとても楽なので費用も安いです)、オーナー様的には「どうせ塗るなら」と言う事でフルコースでのご依頼となりました。既存の塗装を全て剥がし、メッキ素地用の下地処理をした上で改めて「艶ありの黒」で塗り直します。またクリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」への変更で承っています。

ちなみにスモーククリアーが塗られているかどうかは表面の「肌」を見れば判る事で、メッキの場合は完全に全体がツルツルしていますが、塗装は粗を探せば多少なり肌が悪いところも発見できます。今回のようにゴミが付いている個所も普通にありますし(しかし気にされなくて大丈夫です)。

crown3また裏側を見れば表と色が違うのも一目瞭然です。メッキはその工程上部品全体に同じような被膜が形成されますが、塗装はそうでは無い事の方が多いです。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!