CORSAIRパソコンケース 本塗り③

corsair76 こちらはフロントパネルに装着される脱着可能なパネルで、色は黒、右下にはメーカーロゴをブルーメタリックで入れるよう承っています。こちらも初日にベースコートの黒を塗っておき、翌日にロゴの塗装をしています。

corsair77 予め用意しておいたデータとマスキングシートでロゴをブルーメタリックで塗装します。

corsair78 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。ロゴは良い感じに映えていると思います。

corsair79 そしてシャーシを組み付ける時に使うリベット群です。多分こんなには使わないと思いますが一応予備として・・・。

corsair80裏側はベースコートの黒のみの塗装としています。リベットを打ち込むと黒くぬった部分が引っ張られてクシャっと潰れますから、ここにクリアーを塗ると塗膜が割れてしまいますのでベースコートのみとしています。ちなみに青く塗った面は打ち込む時に傷が付くでしょうが、そちらは最後にタッチアップで処理しておきます。

これでようやく全ての本塗りが完了しましたが、外装パネルは磨き処理も行いますし、シャーシは組み付けもあるので完成はもう少し先ですかね。どうぞもうしばらく御待ちくださいませ!

CORSAIRパソコンケース 本塗り②

corsair68 そしてこちらがちょっと面倒なシャーシ部分です。通常は箱型になっている物ですがリベットを外されてバラバラの状態でやって来ました。元々塗ってあった新品時の塗装の肌が激しいゆず肌だったので一旦全部剥がしてやり直しています。オーナー様自ら自家塗装も試みて少し削った跡がありましたが、こういった形の物をペーパーでネチネチ削るのは大変過ぎますよ・・・。

それにしてもこの塗り分けは中々強烈で、片面であれば問題無いのですが両面同じ位置をとなると結構マスキングが大変です。オーナー様も一度ブルーの部分を塗られていましたが相当苦労したのでは・・・、と思う次第です。

corsair69 ちなみにこの作業は本塗りを始めてから二日目となります。一日目は本塗りの為のセッティングをしてベースコートの黒を塗装、一部の部品のみブルーメタリックを塗ってこれらシャーシのマスキング&塗装はその翌日となっています。しかも予想以上にマスキングに時間が掛かってしまったのでクリアーはさらに後日となっています。

corsair70 私的にどうも不自然に曲がったカーブが好きでは無く(Illustrator使う人なら判りますよね)、今回のようなちょっしたアールも出来る限り機械のカットに頼っています。まさかここでサークルカッターを使う訳にもいきませんが(被塗物に傷が・・)、幸いにして22mmの円にカットした余りのシートがあったので今回はそれを利用しています。

フリーハンドで綺麗なラインを描ける人は尊敬してしまいますが、私の仕事の場合はロボットが機械的に仕上げるような形が理想になるので、同じ塗装でもこの辺はもうまるで違うものだと思います。1000個塗って1000個同じ仕上がりに出来るのが理想形ですが、ただそれを目指すと病気になってしまうかと・・・。

corsair72ちなみにリベットについては別工程で塗っていて、わざわざ一緒に塗るよりもこの方が手間は掛かりませんし、うっかり塗り忘れた!なんて事もこの方が無いと思います(それでも一応何度も見直ししましたが・・・笑)。

corsair71 そしてブルーメタリックを塗ってマスキングを剥がしたらベースコートが完了です。マスキングに要した時間の割りには塗装面積が小さいですが下地作業とはこういう物です(苦)。ちなみにある程度お修正は覚悟していましたが意外にも一度で済みました。よくエアーブローをしたらいよいよクリアーと塗装になります。

ちなみにクリアーは裏表一緒に塗りますから、固定方法としては地面と水平にした状態で台にワイヤーで固定します。フライングカーペットみたいな感じですかね。

corsair74そしてクリアーも完了です。いやはや長い道のりでした・・・。

corsair73 こちらは比較的フラットな形状なので先ほどの物よりもクリアーは塗り易いのですが、フチの内側が巻き込んだ形状になっているので、そこをしっかり塗ろうとすると反対側から浅い角度で狙い打たないといけません。以前ディーラーで一緒に働いていたブラジル人の話によると、故郷で新車を塗っていた時は二人掛かりで左右に分かれて塗っていたらしく、ピラーの裏側などはわざわざ裏に回ったりはせず、反対側の人が遠くからスプレーして塗るらしいです。って言うかその話を聞いた時点で既に自動車ボディの上塗り塗装はロボットが塗るのが当然の時代でしたから、一体いつまで人の手で塗っていたんだ?!って事に驚きましたが・・・。

corsair75クリアーは親の敵並みに塗り込んでいますが、これを垂直に吊るして塗っていたら流石に全部流れてしまうのでこうやって地面に水平にして塗っています。流石にこれを歩リッシャーで磨くのは現実的ではありませんから(飛んでいってしまいます・・・)、塗り上がってそのまま出せるようにとテロテロに仕上げています。車の補修塗装でこうは出来ませんが(新車肌の再現とは程遠いです)、小物の塗装だと「艶が命」みたいなところがありますからこの辺は結構楽しいですかね。表面張力の凄さを実感出来ます(笑)。

あともう少し画像あるのでそちらに続きますね。しかし寒くてキーボードが・・・(一人でエアコンはどうも勿体無くて・・・)。

CORSAIRパソコンケース 本塗り①

corsair62 作業はちょっと前から始まっていて、予想通り一日では終わらなかったので2日半に渡って本塗りをしています。前回は既に単色黒の部品を塗り終わっていますが今回は黒&ブルーメタリックの2トーンカラーのパーツとなります。これでも数量は半分程度に減っている筈なのですがやはり結構ありますね・・・。

corsair63 こちらは先日一旦単色の黒で塗り終わっていたフロントパネル土台の枠部分で、内側をブルーメタリックに塗るので再度足付け処理をしてもう一度本塗りをします。

黒とブルーでの塗り分け位置はプレスライン頂点の「山」の部分になるのですが、いきなりそこでマスキングをするとベースコートの厚みでシャープなラインにならない可能性があるので、一旦はマスキングを少し食み出した状態にしてブルーを塗ります。イメージとしては軒先にある「庇」みたいな感じですかね。これならプレスライン付近には全く塗料が付かないので安心して隙間などをしつこく塗れます。

corsair64 先ほどの状態でブルーが塗り終わったら庇状にしたマスキングを剥がし、今度は塗り分け位置にピッタリと貼り直します。これであればスプレーの方向性も一定に出来て余計な膜厚も付けないで済むのでシャープなラインに仕上がります。ちょっと手間が掛かりますが、画が描けるような技術は無いのでこういった事の積み重ねで細部の仕上がりを上げていくしか無いんですよね。

corsair65 ちょっと数があるのでパーツ毎に完結させて紹介させていきたいと思います。画像数もかなりありますので・・・。

上の画像はブルーメタリックを塗り終わってマスキングを剥がし、クリアーを塗って本塗りが終わった直後です。メタリック原色は結構粗いものを使っているので輝きが強く(MIX598メインです・・・)、枠の内側の写りこみが強いのが判ると思います。最後はここに黒い蓋がカバーパネルが付いて、その周りの隙間からこのブルーメタリック漏れ出る・・・みたいな感じでしょうか。格好良さそうですね。

corsair66 こちらはシャーシの一部のマザーボードが付くパネルで、これはクリアーは塗らずベースコートのみで艶消しな仕上がりになります。

ちなみに他のパネルとくっついていた箇所は色が入っておらず、金属がむき出しだったので本塗りの前にプライマーを塗っています。新品時の塗装はカチオン塗装(ドブ浸け)だと思いますがここまで浸透しないものなのでしょうか。

corsair67そしてベースコートが完了です。こちらはこれで完了ですね。

外資系の塗料は通常ベースコートに硬化剤入れなくても大丈夫ですが(ラッカーのような1液と言う訳では無く、クリアー中の硬化剤が浸透して2液反応を起こすという仕組みです、多分)、こちらのマザーボードのようにクリアーを塗らない場合はベースコートに硬化剤を直接入れて塗ります。時々業者さんから建築資材などの数物を御依頼頂く時は大抵この仕様でやっていたりします。

続きはまた改めて紹介しますね。