エンブレムの両面テープ作成

carera こちらは業者様より御依頼頂いている案件なので詳細は控えさせて頂きますが、いつも行っている作業の一例としてちょっと紹介させて頂きます。

新品のエンブレムは最初から両面テープが貼ってあるのですが、塗装する際にそれをそのまま活かそうとするとちょっと難しいところがあります。両面テープの側面に塗料が付いてしまい仕上がりが汚くなるからです。

密着剤を使って塗るなら薄膜で済むのでそのまま塗ってもさほど気にならないと思いますが、簡単に剥がれないような下地を作ろうとするとそれなりに色々塗る事になるので、どうしても両面テープの側面が汚くなってしまい、なので私的には殆どの場合この両面テープは貼り直しています。ただしエンブレムの形状が上記のような曲線的な物になるとこれがまた非常に厄介な作業でして・・・。

carera1作業としてはかなりアナログ的な内容で、エンブレム自体を型にしてトレースする方法ですが、エンブレムと両面テープが同じサイズだと横から見えてしまうので両面テープは一回り小さいサイズにしなければなりません。ピッタリ同じだと非常にみっともないのです。ただ経験者なら判ると思いますが、この両面テープをカッターでカットするのはかなり大変です。厚みのある両面テープはカッターでは非常に切りにくく、なので今回もそうですがハサミを多用して切っています。最近のハサミはフッ素コーティングが施された物などがあって糊がくっ付き難いので、カッターよりもカットはし易い筈です。

ちなみにこの作業を行うのは塗装する前で、これを後からやると折角塗ったエンブレムに傷が付いてしまう可能性がありますから先にやっておくのがセオリーとなります。尚、こういった方法を行うのは主に曲面ラインがある物で、例えば「H」のような直線で構成されている物は細くカットした両面テープを小刻みにカットして貼り付けていくだけなのでそんなに手間ではありません。

しかしこのポルシェカレラエンブレム、既存の両面テープを剥がす作業だけでも細い部分が折れるリスクがありますから、出来れば最初から貼ってある物をそのまま活かしたい・・・なんて事を何度も考えたりもしたのですが、どうせ後で後悔するのが目に見えたのでいつも通りに剥がしておきました。折らなくて本当に良かったです(まだ終わっていないので安心するのは早いのですが)。

YAMAHA T-MAXカウル塗装承ってます

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こちらはヤマハT-MAXの外装カウル2点で、手前がABS製の純正部品、奥がFRP製の社外品となります。ちなみにこちらは以前当店で外装一式をオールペンで御依頼頂いた方からの御依頼で、どうやら転倒して破損してしまったとの事で今回割れてしまったパーツと、新たに取り付ける?パーツを御依頼頂きました。いつも御贔屓頂き有り難う御座います!

DSC_1194bike御依頼頂いた部品はどちらも新品なので通常であれば足付け処理だけして塗れますが、奥のFRP製品はちょっと素地の状態が宜しく無いので一旦表面を研磨してサフェーサーで下地を整えてからの塗装となります。現状のデロデロ(と言うか凸凹)した状態を単に削ってもよくなるとは思えないですからね。

ちなみに色は前回同様、日産の純正色「タイタニウムグレー」(カラーコード:KAC)で、こちらはGT-Rにも採用されている色です。配合データから作成している色であれば日数が経っても同じ色が作れますし、別途「調色費」といった費用も発生しませんので、色替え全塗装の時は何かしら配合データがある物(自動車のボディカラー)を採用するのが宜しいかと思います。自動車補修塗装は産業としてちゃんと成り立っていますのでこの辺はしっかり整備されているのです(バイクはかろうじてデータがある物もありますが自転車はほぼ皆無です)。バイクや自転車の補修塗装も産業としてちゃんと成り立てばこの辺がしっかりしてくると思うのですが、殆どの場合で「塗装済みの新品を買った方が安い」となるので商売としては難しいんですよね。むしろそれが狙いなのかも知れませんし。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。この度もごひいき頂き有り難う御座います!(って、今回で六回目くらいでしょうか・・・)。