BMW E30 M3 EVO2ヘッドカバー 本塗り

bmw153先ほど紹介したサージタンクと一緒に本塗りを終えているBMW E30 M3 EVO2のMカラーヘッドカバーです。

bmw267 こちらは元々あった塗膜にクラックが入っていたので全部剥がして素地からやり直しています。この形状でサフェーサーをタップリ塗っていますから、一度の研ぎでは不足なので一旦1コートソリッドで下塗りも行なっています。なので白いのはサフェでは無く普通の白です(余っていたベンツの白です)。

bmw258 そして全体にベースカラーのアルピンホワイトⅢを塗った状態です。

bmw259 こちらはプラグホールの穴に打ち込まれたパイプが邪魔なので型紙が使えず、数値から割り出してマスキング位置を決めています。

bmw261 驚異的なのが凸文字部分の塗り分けで、それぞれ違う面(側面と底面)にラインを通さなければならないと言う特性上、単に一本のマスキングテープを貼れば良いと言う訳にいきません。

イメージとしてはガイド用の水糸を張り、それを目安に底面のマスキング位置を決め、違和感の無いように側面を立ち上げるといった感じです。

本当は見切りが綺麗に仕上がるPP製のラインテープでマスキングしたかったのですが、コシが強過ぎるので通常の和紙タイプを多用しています。

bmw262 左右の水色と赤が終わったら、最後に真ん中の紺を塗ります。

bmw263 全ての塗装が終わり、マスキングを剥がしてみると大抵一箇所はこんな感じで塗料が食み出た箇所があります。まあ言われないと気付かないレベルですけどね。

bmw264 直線であればそんなに手間では無く、こんな感じで補正完了です。

bmw265 塗料をスプレーガンに入れるのはこの場で行なっている訳では無いのですが、一応判り易いように缶も並べてみました。

尚、今回のご依頼は海外からなので、日本語の説明も判らないと思い画像は多めになっています。

bmw266そしてMカラーの塗装も完了です。

bmw295続けて凸部を研磨してアルミ地を露出させ光らせます。既に下地で#120~#240までは済ませてあるので、ここからは#240~#800で行ないます。

bmw296その後マスキングを剥がし、アルミの研ぎ粉で黒くなってしまった箇所をスポット的に白で塗装し、再度凸文字を削って光らせます。

bmw279Mカラーの塗装の為に外したプラグホール周りのマスキングを元に戻し、よくエアーブローをしたらアルミ素地が露出した箇所に密着剤を塗布します。

bmw282続けてクリアーをぬ手t本塗り完了です。画像では周りのネジ部分のマスキングを剥がしていますが塗装面はまだヌルヌルの状態です。

bmw287熱で黄ばんでしまっていた白も、新車時の美しい白に戻ったと思います。

bmw289まだ終わっていませんが、塗り終わった時には色々大変だった思いがまるで走馬灯のように込み上げて来ました(笑)。何と言ってもあのザラザラだった梨地を平滑にする作業がもうまさに地獄です(ですので次に入ってくるS20のヘッドカバーを最後に、現在はヘッドカバーの艶々仕様を制限させて頂いております)。

bmw284アルミ素地に塗ってあるクリアーはいずれ剥がれてしまうと思うのですが(プライマーを塗っていない以上これは仕方ありません)、最初にあった腐食は綺麗に払拭出来ていると思います。

bmw288今回はデータが取れたので、また同じ様なご依頼が来た時にはそれが役立つと思います。でも当分は大丈夫かもですね(苦笑)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

BMW E30 M3 EVO2サージタンク 本塗り

bmw163大変お待たせしました!BMW E30 M3 EVO2のヘッドカバーとサージタンクはMカラーで本塗り完了しておりますのでご安心下さいませ。ちょっと内容が多いのでサージタンクとヘッドカバーはそれぞれ分けて紹介しますね。

bmw268 サージタンクの方は状態が良かったので既存の塗膜は全部剥がさず、傷のある箇所のみを削って全体にサフェーサーを塗布し、その後研磨して全体を平滑にしてあります。元々の素地も凄く良いと言う訳では無いので修正しました。

bmw274 まずは全体にアルピンホワイトⅢのベースコートを塗布し、十分乾燥させたらMカラーの塗装を行います。

この作業は今回初めてなので予め各部の採寸を取ってデータ化してあります。

bmw269 カラーリングの再現に関しては色々考えた結果、このように型紙を作る事にしました。

サイズは元の通り、位置も元の通りに配置して仮止めします。

bmw270 一応印も付けておきました。

bmw271 ある程度雰囲気だけ合わせて似たような感じに仕上げるならさほど労力は必要無いのですが、事故車の修復と同じく「元の通りに」となると色々大変です。何と言ってももう見本は手元に無い訳ですから・・・。

bmw273 まずは左右の赤と水色を塗り、そこ型紙を当てて位置(幅)を確認し、最後に真ん中の紺を塗ります。塗る順番はこうでなくても構わないと思いますが、私的には見切りのラインの美しさを優先させたいので色の隠蔽性を順番の基準にしています。

bmw275 各色はSTANDOXの配合データから作成しましたが、出来上がった物を見てちょっと気になったので、水色は配合データにさらに白を加え、赤もオレンジ感が強いと感じたので土壇場で原色の赤(MIX561)を追加しておきました。

dino2 そしてマスキングを剥がした状態です。今回はしっかりとした台を作ったお陰で被塗面に一切触れずここまで作業出来ています。塗装屋さんなら判ると思いますが、白でこういった作業は寒気がしますよね。

bmw276その後凸文字を研磨してアルミ素地を露出させています。こちらでは撮影していないのですが、この後さらにベースコートの白で文字の隙間の汚れた部分を補正しています。そちらはヘッドカバーの記事で改めて紹介しますね。

bmw281そしてようやくベースコートが完了です。昨夜は23時くらいでここまで終了とし、ヘッドカバーは本日朝から始めました。10年くらい前は徹夜でマスキングとかも出来たのですが、さすがに今はもう無理のようです。

bmw291 アルミの素地が露出した箇所には密着剤を塗布し、全体にクリアーを塗って本塗り完了です。

bmw292 配置やサイズは極力元の通りに、且つ仕上がりは最初く比べて断然良くなったと思います。

bmw293 斜線のラインに関しては、イラストデータを作成した時に完璧な平行線として補正しておき、それを基にして作った型紙なのでかなり正確な図形が描かれていると思います。

bmw294元々の塗装は凸凹としたゆず肌でしたが、今回は下地から手を掛けているので裏まで艶々に仕上がっていると思います。

続けてヘッドカバーの記事を作成しますのでどうぞもう少々お待ち下さいませ。