SHURE BETA58Aマイク デカール&ロゴ入れ塗装

先日お預りしておりましたSHURE BETA58Aのボーカルマイクです。

 ご依頼者様より入稿して頂いたデータを基にイメージイラストを作成しておりまして、

 それを使ってデカールへの印刷とマスキングシートを作成します。

 「KAZZ」のロゴは塗装で、その下に入れる小さい文字は塗装では対応出来ないのでデカールで行います。

 頂いたデータと、元々貼ってあった印刷用紙とは少しサイズが違った為、こちらで調整しておきました。データからは少し大きくして、元々貼ってあった印刷用紙に近づけた感じです。

 また今回はデカールの赤と塗装との赤で色の差異が起きてしまう為、「先に作ったデカールに似た赤を採用する」と言う方法で行っています。選んだのはフェラーリのロッソスクーデリア(カラーコード:323)です。画像右の赤ですね。

デカール作成の為のドライプリンターについては以下の記事が判り易いかと思いますので宜しければご参照下さいませ。

1/43ポルシェミニカー用 デカール作成

 ちなみに印刷してから気が付いたのですが、今回は下地の色が「白」(ホワイトパール)の為、下地として一番最初に印刷した「特色ホワイト」は必要無かったようです。なので改めて印刷し直しました。下のが特色ホワイト無しのデカールです。

それぞれの印刷内容を詳しく紹介しますと、

上のシート・・・「特色ホワイト→イエロー→マゼンタ」

下のシート・・・「イエロー→マゼンタ」

と、なっていて、やはりと言うか3層印刷よりも2層の方が仕上りが良くなっています。言われないと判らないレベルかも知れませんが、「E」とか「R」の左側の線のシャープさが全然違います。

もしこれを「黒」の上に塗る場合は「イエロー→マゼンタ」だけでは下地が透けてしまい「黒い赤」となってしまいますから、その場合には下地として「特色ホワイト」が必要なのですが、今回は下地色がホワイト系なので「特色ホワイト」の印刷は必要無いという事です。

尚、「マゼンタ」単体では青味のある赤になる為、その下にイエローを敷いて今回のような赤にしていると言う事です。普通のプリンターではこんな事は出来ませんが、ALPSのMDプリンターではそれが可能なのです(しかも慣れれば簡単に)。

 と言う訳で下地処理を行います。本体の方は空研ぎ#800で足付け処理を行い、グリルボールの方はペーパーでは隙間まで研磨出来ない為、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンドを使ってペーパーの入らない隙間の奥まで足付け処理を行います。

 良く脱脂清掃し、本塗り準備完了です。

 色はダイハツのホワイトパールMC(カラーコード:W16)で、まずはカラーベースの白を塗ります。比較的黄色味のある白ですね。尚この時点で念の為ハードナー(硬化剤)を数%添加してあります。

 さらにパールベースを塗布します。こちらもホワイトパールよりもイエローパールの方が多く入っていて、黄色っぽく輝くパールカラーとなります。温かみがあって柔らかい感じですかね。

 テープフリーな状態になるまでよく自然乾燥させ、予め用意しておいたマスキングシートを所定の位置に貼り付けます。これが一番胃が痛くなる作業でしょうか。

全体をマスキングし、先ほど選んでおいたフェラーリの赤(ロッソスクーデリア)を塗りました。使っているガンはSATAの口径0.3mmです。

  さらに自然乾燥させたら工場二階に移ります。

 水を張った容器に木工用ボンドを溶かし、デカールを浮かべます。

 所定の位置に貼り付けました。

 ちなみに丸い穴にはボリューム抵抗が入っていて、そこもマスキングしてあります。

 マイク本体は円錐形になっている為、普通に貼ると最後の繋がりが曲がってしまうのですが、デカールを少しずつ伸ばしたり絞ったりして上手く調整しました。最終的にはデカールを柔らかくするマークソフターも使わないと駄目かと思いましたが、ネチネチを繰り返して何とか大丈夫でした。

(ソフターを使うとデカールの強度が落ちてクリアーを塗った時にチヂレ気味になる気がして、念の為用意はしていますが通常は使わないようにしています。)

今日はここまでとし、常温で一日寝かしてデカールの接着剤(マークセッター&木工用ボンド)が固まった明日にクリアーを塗る予定です。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ハリアーサイドマーカースモーク 本塗り

 こちらもお待たせしました!トヨタハリアーのフェンダーサイドマーカーも無事本塗り完了しておりますのでご安心下さいませ。

 スモークの濃さについては「前回と同様かそれより少し濃く」と言う事で、その時の完成画像を参考に濃さを調整していきます。

 イメージとしては「標準濃度より少し濃く」といった感じになります。

ちなみにレンズ裏側にあるスポンジは接着されて取れない為、クリアー塗装後すぐにマスキングを剥がして見切りが綺麗に仕上がるようにしています。

画像だと濃く見えますが見る角度によって中の反射板が効いてもっと明るく見えます。内部が見えるカバータイプのレンズは濃度の変化が楽しめるが格好良いですよね。

それではこちらも完成次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

フィールダーテールランプスモーク 本塗り

こちらもお待たせしました!カローラフィールダーの純正テールランプも無事本塗り完了しておりますのでご安心下さいませ。

 

こちらはマスキングシート(緑色の)では無く、フチを3ミリのラインテープ、その内側は和紙タイプのマスキングテープで覆っています。ラインテープは素材がPP(ポリプロピレン)の為に塗料が密着せず、その特性によって塗膜の見切り部が綺麗に仕上がります(と言う程楽に出来る事でもないのですが)。

 今回は濃淡2種類のスモークを塗り分ける「ダブルスモーク」で承っていますので、最初に濃くする方の周りからスモークを塗っていきます。いつも「レッド&スモーク」で行っている「おまけスモーク」の応用みたいな感じですね。

塗り方としては、この後に塗る分を想定してある程度の濃さで最初のスモークを止め、中央に貼ったマスキングを剥がしてさらにプラスチックプライマーを塗り、再び全体にスモークを塗っていきます。

 スモーク具合が決まったらクリアーを塗って本塗り完了です。

 濃さとしては、中央の薄い方が「極薄目と薄目の中間」で、その周り全体を濃い方は「薄目と標準濃度の中間」となっています。

それではこちらも完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

NBOXテールランプ レッド&スモーク 本塗り

 こちらもお待たせしました!ホンダNBOXテールランプはバックランプ部をクリアー抜きで承っていますので、やはり以前作成したデータを使ってマスキングシートをカットしておきます。

 テールランプ上段はウィンカーになっていますが、そこは赤を薄くする事でアンバーに光るよう対応します。

 プラスチックプライマーを塗り、最初の2コートはウィンカー部分を避けるようにしてレッドキャンディーを塗っていきます。

 3コート目には全体にレッドを塗るようにして、様子を見て4コート目はやはり避けるようにし、5コート目に再び全体に赤を塗って丁度良い具合にしました。

画像だと赤にしか見えませんが、実物を良くみると確かに赤が薄くなっています。

ただしその後に塗るスモークでその薄い赤も殆ど判らなくなります。画像ではさらにクリアーも塗って本塗り完了しています。

最後に薄くスモークを塗る事でクリアー抜きにした部分の派手さも抑えられ、また赤も渋く落ち着いた感じになっていると思います。

それではこちらも完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

プロシードマービーテールレンズ スモーク本塗り

こちらもお待たせしました!マツダプロシードマービー用の社外品テールレンズ、スモーク塗装本塗り完了しております。

 今回の部品はレンズ単体の為、裏側に反射フィルムを貼って塗っているスモークの濃さが判り易いようにしています。

濃度は「極薄目よりも少し濃く」でご指定を頂いておりまして、以前施工したMVアグスタのウィンカーレンズを参考にしています。

 スモークの濃さが決まったらクリアーを塗って本塗り完了です。

尚今回のターンでは全てクリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」の使用となります。

この後一日自然乾燥させて塗膜中の溶剤分を抜き、明日以降に60℃40分程の熱を掛けて完全硬化させます。

それではこちらも完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!