日産L型ヘッドカバー 本塗り

 先日白で下塗りを行っておいた日産L型ヘッドカバーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させておきました。

 まずはいつも通り全体を足付け処理します。平面は最初に#800の耐水ペーパーでゴミや肌の頭を多少カットするような感じで、ペーパーが入り難い個所には布状の研磨副資材(アシレックスレモン)やスコッチを、また文字の周りなど細かく入り組んだ箇所はウォッシュコンパウンドとナイロンブラシで足付け処理を行います。注意する点としては白を残す凸部の下地を出さない事ですね。

 足付け処理が終わったらマスキングをしなおし、良く脱脂清掃をしてから本塗り開始です。

 まずは通常通りにベースコートを塗布します。今回のこちらはホンダの「ミラノレッド」(カラーコード:R81)で承っています。

 白でご指定されている凸部分を最初はシンナーとウェスで赤の塗料を拭き取り、その後ペーパーを掛けて残った赤を削り落とします。もしこの時点で下地が露出したら白を塗り直しますが、幸いにして大丈夫でした。ただしこの作業に4時間くらい掛けています。

 フィンの端は側面に落ちてフェイドアウトするような感じになっている為、いつも面研してアルミ素地を光らせるのと同じような位置で切るようにします。

方法としては少しオーバー気味に白を露出させておき、

 白を出し過ぎた分を再び赤で塗り潰します。そのままブツ切りだと気分が悪いので見切りのラインは一応ボカシのようにしています。

 マスキングを剥がし、周りに着いた研ぎ粉をタッククロスとエアーブローで綺麗に拭き取ります。被塗面に素手で触るのは駄目ですが、タッククロスを使えば問題ありません(昔のタイプは粘着物質の跡が残ったりして気分が悪かったですが、近年の物はその辺も安心です)。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。

 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーを使用しています。

 複数個施工するなら型を作ってマスキングした方がコストを落とせますが、今回のL型ヘッドカバーで凸部を塗るといった前例は無かったのでこの方法で対応しています。また今回はサフェーサーの作業を省いているので、その代わりに白の塗装を下地に利用しているという事もあります。

 フェラーリの赤に比べると青味のある赤です。

 量産品であれば金型でマスクを作って塗り分けるのでしょうが、一品物で文字部の天面だけを塗り分けるとなると、そんなに簡単な事ではありません。マスクングテープをベタっと貼ってエッジにペーパーを掛けてラインを切ったりする方法もありますが、それだとこういう風には仕上りませんからね。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!