トヨタパブリカ ステアリング 補修⑬

 先日サフェ入れまで終わっていたトヨタパブリカ700の純正ステアリングですが、一部気に入らない所があったので、部分的に素地まで削り落とし、エポキシ層からやり直しを行っていました。画像はその後ポリエステルパテを塗ったところで、ここから再びラインを整えていきます。

 修正した箇所はサフェーサーまで塗り終わっていたので、そこから再びポリパテでライン出しの作業となります。一歩進んでは五歩下がるような感じで、とにかく時間が掛かっています。

その後また数日寝かしておき(大抵は恒温器に一緒に入れています)、再びポリパテを塗りました。

ポリパテは主剤100に対して硬化剤が3%で、これらは目見当では無く秤で重さを量っています。

 この後再び数日寝かします(このパテの特徴として、研げるまでにかなり時間が掛かります)。

 そして後日パテを研ぎ、ホーンプレートを装着してみました。

 本来は中に金具(接点)を入れるのでもっと隙間が空くのですが、ラインを確認したかったので付属品は付けず一番奥まで入れています。

 プレート自体の形が元々歪んでいますが、それはオリジナルなので修正しないようにしています(その場合アルミを削らないといけなくなりますので)。

 そして金具(接点)を着けてみました。

 金具の穴には遊びがあって、これでチリ調整ができるようになっています。

 取り敢えずですが再び仮合わせしてみました。実際にはこのように隙間が空き、ホーンプレートが下にズレたような位置になります。

 このプレートを押すと先ほどの金具が接触して繋いだ配線が短絡し、ホーンが鳴るという仕組みです。

 サフェーサーを塗る部分(ほぼステアリング全体)を#320~#400で研磨し、よく脱脂清掃します。

 今回のサフェ入れでは裏側の凸凹とした部分には塗りませんが(出来るだけ太くしたくない為)、ボス周りの部分はかなりラインの修正を行っているので、そこをしっかり塗れるよう持ち上げた状態に固定しました。

 この辺りのラインも変だったので今回大幅に修正しました。

 パテ周りを重点的にサフェを塗り、最後に希釈したシンナーで表側全体にも塗りました。

かなり前の事なので、判り易いよう改めて最初の状態も紹介します。

元々はこのように至るところで亀裂が入っていました(中に鉄のフレームが入っているので安全面では問題はありません)。

亀裂を直しつつ、ステアリングが太くならないよう注意をしています。

厄介なのははっきりと割れた部分だけでは無く、ステアリング全体がこうなる可能性がある事で、それの予備軍にも対応しないといけない事が大変でした(まだ全く終わっていませんが)。

ちなみに隙間のチリはエポキシ接着剤(3Mパネルボンド)で形成しています。普通のパテ(ポリエステル系全般)だと使っていてポロっと取れてしまう可能性が否めないからです。

途中何度も熱を入れていますが、今のところ新たな亀裂は出来ていません。

実はこの割れを修理してサフェを入れた後、少しズレた箇所にストレスが生じたためか、今度はそちらが割れてしまったので二度補修をしています。その時はフレームの金属部分にも接着剤を塗っているので多分その辺りはもう同じことは起きないと思います。

そもそもこの皮膜がフレームの金属にしっかり密着していればここまで割れる事も無かった筈で、同じような事では、ヘッドカバーの塗装(新車時の結晶塗装)がよく剥がれているのは塗装自体が劣化したのではなく、下地にプライマーを塗っていない為に塗装の密着性能が下がってペリペリと剥がれているのです。キャリパーの塗装も然りで、「耐熱塗装じゃないと」と言う前にまず下地を見直すべきかと思います。

 本来であればステアリング全体をガラスクロス等の繊維で補強してあげたいところですが、そうなると2ミリくらい分厚くなってしまうので、オリジナルを損なわない程度の補修に留めています。

こういったちょっとした亀裂も、そのまま接着剤を塗り込んだだけでは再発してしまうので、

大きく切開して隙間に接着剤を流し込んでから形を整えています。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!