トヨタパブリカ ステアリング 本塗り⑮

 先日サフェ研ぎを終わらせていたトヨタパブリカ700の純正ステアリングです。後で聞いた話ですが、世界に3個(3台)しかないうちの一つみたいです(間違っていたらすいません)。

 台はいつものように回転出来るようにしておきました。

 後から修正した箇所も良い具合になったと思います。

 ネジ穴には頭が邪魔にならないようイモネジを挿しておきました。

 まずはベースコートを塗布します。

 色は予め調色をして作っていて、ただ途中で塗料が足りなくなると困りますから、最初の2コートは似たような白を下色として塗っています。具体的にはVW社のクールホワイトです。

また部分的に塗膜が厚くなっても大丈夫なよう、硬化剤も10%くらい入れてあります(スプレーし難い形の物は、気付かないうちに塗り重なってしまう恐れがあります)。ベースコートの塗り過ぎは無用なトラブルを招きます。

ほぼ作り直しとなったラインは、しっかりと線を出しつつ、ビニール被膜のような柔らかさも表現出来たと思います(この辺りも何度も修正しました)。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。

 クリアーには事前にテストした時と同様、輝きを鈍くする為にフリップコントロール(MIX008:メタリックアディティブ)のベースコートを5%添加しています。

ちなみに2コートソリッドでの白の場合は、ベースコートをそのまま5%添加したりもします(この場合は輝きを鈍くするというよりクリアーによって生じる黒味を抑えて隣接パネルと色を合わせる為)。白系以外の赤や黒ではそこまでクリアーの色味が分からないのでする必要はありません。

 予想していた50倍くらい時間を掛けてしまったので、辛かった日々が走馬燈のように頭に浮かびます(まだ終わっていませんが、塗り終わった時に涙が出そうでした)。

 現時点で最後の割れを修正してからは数か月が経っていて、またその後何度も熱を入れているので、今後は(何もしなければ)割れは発生しないのでは、と考えています。

 ただし根本的なところは(元々あったビニール皮膜は)残したままなので、今後車体に取り付け、同じように使っていたら再び割れが生じる可能性はあります。もしも今の状態を維持するなら、一旦これで型を取って既存の皮膜を全て除去し、残った金属のフレームを型に入れて樹脂を充填する、みたいなやり方が必要かと思います。

と思って検索してみたら居ました(笑)

私的な見解としては、樹脂とくっつく所はメッキのままでは無く、サンドブラストを掛けてしっかり足付け処理をしておけば、同じようにひび割れはし難いのでは無いかと思っています。

他には↓

 

↑こちらはアルテコのような物を使った簡易的な仕様ですね。再発は免れないと思いますが、これなら簡単なのでDIYでも可能かと思います。もしくはまだオーナーがついていない中古車の場合などでしょうか(板金塗装屋さんなら意味が判るかと)。

 凸凹はオリジナルの形状をそのまま残すようにしています。

 この部分はクリアーも垂れないよう非常に注意しました(これだけが原因では無いのですが、現在逆流性食道炎で体調が最悪です)。

残るは茶色のホーンプレートで、そちらも進行次第改めて紹介したいと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

チタンメガネフレーム 塗装承ってます

 先日到着しておりましたチタン製のメガネフレームです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

 ご依頼頂いたのは画像のフロントのみで、現状はチタン素地の上に透過性の黒が塗られたブラックメッキ風な仕上がりになっています。そのまま上から塗り重ねてもいずれ下地から剥がれてしまう可能性がありますので、いつものようにサンドブラストを行って既存の塗膜を剥離し、プライマーを塗ってから上塗りを行います。

 色と塗り分けについては、オーナー様よりこちらの画像を参考にとご指定頂いておりまして、今回はゴールドとワインレッドのアイアンマンカラーで承っています。

画像を見る限りではベースカラーにゴールドを、その上に透過性のマルーンを塗り重ねてワインレッドを表現しているようですので、今回もそれと同じようにします。

ベースとなるゴールドは、以前同じくアイアンマンカラーの塗装に採用したこちらの色を使います。

 レッドに関しては、前回使ったハウスオブカラーのKK-11アップルレッドでは明るすぎる(朱色が強い)為、

 こちらの同社KK-06(バーガンディー)を使おうと考えています(画像はUK-6となっていますが、当店で使うのは顔料単体のKK-06の方となります)。

ちなみにこの色見本帳ではそれぞれ違う下色の上に色を塗り重ねられた仕様になっていて、画像の中心にある色見本は「Over BC-12」の上に「UK-6」が塗り重ねられている事を示しています。

その下色である「BC-12」がこちらの色となります。今回はこの色では無く、前記した当店規定のゴールドを使いますので、それに合わせてキャンディーカラーの調色作業を行う予定です。以前施工したS-WORKSのキャンディーグリーンの時のような感じですね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!