先日お預かりしておりましたSHURE SM58マイク×2本の内の一つです。
白&ピンクのグラデーション仕様は既に本塗りを終えていまして、今回のこちらはキャンディーマゼンタとクロマフレア風No.2の2トーンカラーとなります。
まずはクロマ風No.2の下色として、グリルボールにベースコートの黒を塗ります。
こちらは「青→紫→赤→橙→黄」に変化する特殊なパール顔料で、本物のクロマフレア顔料はDUPONT社のクロマリュージョンカラー、日本ペイントのマジョーラなどに採用されているJDSU社のChromaFlairを使っていますが、これは非常に高価なのと、リキッド(樹脂に混合された液体)の塗料しか無い為、当店ではパウダー顔料を単体で海外から取り寄せて、STANDOXのベースコートバインダー(MIX599)に混ぜて使っています。先日紹介したAXALTAのガラスフレーク(PP304)と同じ使い方ですね。
そういった顔料を使った塗装としては、以下のようなカラーバリエーションがあります↓パールは光を反射させつつ透過させる特徴があるのですが、それを多層にして複数の色を表現したのがこういった光干渉型の顔料です。使い方も難しくないので、低コストでご提供出来るようになりました。
マイク本体とグリルのリング部に粗めのメタリック(MIX598)を塗布します。
その上に透過性のマゼンタを塗布します。濃くするとピンク感が無くなって赤になってしまうので、樹脂(バインダー)に対してマゼンタの含有率を下げて調整しています。
メッシュ部のマスキングを剥がしました。ワイヤー一本一本が紫から紺に変化しているのが判ると思います。
その後シルバーに印刷した「SHURE」ロゴデカールを表と裏に貼って良く乾燥させます。
そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!
キャンディーマゼンタは濃くし過ぎると赤くなってしまうので調整が難しいです(余程赤の方が簡単です)。
光が色(マゼンタ)の層を突き抜け、下地のシルバーに反射して再びマゼンタの層を通る為、見る角度によって色の深みが変わります。
オーナー様よりご指定頂いた画像の色味にも近づけられたと思います。
この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。
それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!