ヘッドカバー関係 下準備

 一度には塗れませんが、重複する作業は並行して行う事で効率を高めています。

画像は上から、

スズキK12B樹脂製ヘッドカバー 結晶塗装承ってます

トヨタスターレットヘッドカバー 結晶塗装承ってます

日産ブルーバードヘッドカバー 結晶塗装承ってます

となります。

樹脂製のエンジンカバーも新品時にはオイル分が着いていますから、アルカリ洗浄槽で浸け置きをしていて、その後綺麗に洗って水分を乾かしておきます。

これら3個のヘッドカバーはサンドブラストを行う為、マスキングを行います。

 直接ガムテープを貼ると糊が残ってしまい大変な事になるので、最初にマスキングテープを貼ってその上にガムテープを重ねています。

 裏側もこのような感じで養生します。

 ブラストボックスに入れ、

 サンドブラストを行います。

今回のこちらのヘッドカバーは巣穴が結構多いですね。普通の塗装だとこれら全てを処理しなければなりませんが(針の穴のような物でも埋めなければなりません)、結晶塗装はそういった粗を目立たなくしてくれるので、ヘッドカバーのような鋳造製品に多く採用されています。

 スターレットのヘッドカバーはそんなに程度は悪くなく、ただポリッシュされて光ってしまっていますので、

 足付け処理の為にサンドブラストを行っています。

 スズキK12Bの樹脂製ヘッドカバーも同じで、PA(ポリアミド)は密着性の悪い樹脂素材ですから、入り組んだ箇所もしっかり足付け処理が出来るよう、サンドブラストを行っています。これをしない場合、最悪このような結果になってしまうという訳です。

ただ普通の塗装でこれを行うと毛羽立ちが凄いことになって再起不能となりますので、その場合はウォッシュコンパウンドとスコッチなどを使ってネチネチと行います。ランエボⅩのヘッドカバーを塗装した時のような方法ですね。ガスプライマーだけに頼ると、先のロータスエンジンカバーのような事になり兼ねませんので。

 この後は再びしっかり水で洗い流して洗浄を行い、乾燥させておきます。

そしてこちらも現在お預かり中のマツダNDロードスターのヘッドカバーです。

こちらは新品なので、通常であればそのままリン酸処理を行うのですが、ヘッドカバー表面には得体の知れないクリアーが塗ってあるので、まずはそれを剥がす(溶かす)必要があります。

 画像は脱脂用の溶剤(シリコンオフ)をスプレーした状態で、これをまるで水のように弾いてしまっています。ただの油膜(コーティング)ならこんな事はあり得ません・・・。

 シンナーでも同様で、簡単に拭き取れるような物ではありません。

なのでこれを溶剤槽に半分程浸けながら(ゴムの部分を避けながら)、刷毛とブラシを使って洗い流すようにしてクリアー皮膜を除去しておきます。

その後同じようにシリコンオフをスプレーし、しっかりアルミ素地に馴染んでくれるようになったら、リン酸処理を行います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!