ドリンクホルダー 下準備

先日お預かりしておりましたドリンクホルダーの蓋パーツ4点です。

蓋はクリアーが塗られていて、デロデロした感じと成型時の歪(ヒケ)が酷いので、

一旦全体を#800で研磨して均しました。

裏側のパーツはザラザラとした梨地にそのままシルバーを塗っただけの状態だったので、こちらも#800で研磨し、

ナイロンブラシとウォッシュコンパウンドで足付け処理を行います。

表蓋の裏側も同様に処理します。

水でよく洗い流し、しっかり乾燥させておきます。

手で持って塗れるようワニクリップと芯棒で固定し、台にセットします。

クリアー層が無くなって素地が露出している箇所もあるのでプラスチックプライマーを塗布しておきます。

このまま艶消し黒を塗っても構わないのですが、

一旦下塗りをしてザラザラを埋めておくとこの後に塗る艶消し黒がツルっとした仕上がりになります。尚、本来であれば「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」としたい所ですが、それだとコストが上がり過ぎてしまう為ですね。

通常2度塗り(下塗り)を行う場合はグレー色のSTANDOX2Kエナメルを使用していますが、今回は常温で硬化するタイプの同社VOCエクストリームプラスクリアーを使いました。

このクリアーを使う場合はベースコートにハードナーを添加しないといけないのですが、今回のようにクリアー単体であれば問題無いので使い勝手が良いのです。熱を入れないで次の本塗りに行けるのは無駄なコストが抑えられ、環境負荷も少なく済みます。

下塗りなのでクリアーは塗り過ぎない様、1.5コート程に抑えています。

クリスタルクリアーの場合はしっかり熱を入れないとチヂレが発生しますが(先日趣味で作っている色見本キーホルダーのパーツで久しぶりにそれが起きてビックリしました…)、このエクストリームプラスだとこのままの状態で一時間後には磨きが出来るというのには驚きです(その分管理も気を遣いますが)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

トヨタGR86内装パーツ8点塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたトヨタGR86インナーハンドル周りのパーツ8点の塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々はこの様な状態で、

素地の表面がザラザラとした梨地だった物を、「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった作業で下地を平滑にしてから上塗りを行いました。

色は黒と、

輝度感の高いシルバーメタリック=SPFシルバーで塗装を施しています。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

パーティングラインも消して滑らかなラインに仕上がっているかと思います。

 装着するとこの様な感じの配色になります。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

トヨタGR86内装パーツ8点 本塗り

先日下準備を行っておいたトヨタGR86インナーハンドル周りのパーツ8点です。

よく脱脂清掃し、エアーブローで埃を飛ばします。

プラスチック素地が露出している箇所にはプラスチックプライマーを塗布します。

ハンドルロックのパーツはギザギザ状になっているはサフェを塗らないようにしています。中途半端に埋まってしまうと変になってしまうからですね。

今回は黒とSPFシルバーの2色で承っていますが、SPFシルバーは下色に黒を塗るので、途中までは一緒に本塗りを行い、黒が塗り終わったら一旦それぞれを別けるようにします。

こちらのレバーとロックはSPFシルバーで、

こちらの枠と、

こちらの背面パーツは黒で承っています。いずれも艶あり、クリスタルクリアー仕様となります。

各パーツはフチまでしっかり塗れるよう、裏側に十分なスペースを確保して固定しています。昔(車体を塗っていた時)は段ボールの上にガムテープで固定しただけだったりしますが、そうすると横からだけしかスプレーが出来ず、フチの塗りが甘くなったりする為ですね(あと裏側がザラザラになって見た目と触感が悪い)。

まずはベースコートの黒を塗布します。

ここで肌が荒れると後で艶引けの原因になるので、

しっかりウェットコートで「ツルン」とした肌になるようにしておきます。

こちらは黒のパーツなので、

一旦ここでブースから出し、埃が着かない安全なスペース=恒温器の中で保管しておきます。

そしてSPFシルバーです。こちらも肌を荒らすとこの後に塗るメタリックがガタガタになってしまうので、下色の黒が平滑になるようにしています。

SPFシルバーは原色そのままだと隠蔽力が高いので、

ベースコート用の樹脂=STANDOX MIX599とSPFシルバーを4 :1の割合で混合しています。下地の黒を透かしてより陰影を強くする為ですね。

SPFシルバーはメタリック粒子が細かく輝度感が高いのが特徴です。原色名はJLM-906で、恐らく「JAPAN LIMITED METALLIC」(日本限定)の略では無いかと思っています。SPFはスーパーファイン(めっちゃ細かい)とかですかね。

通常メタリック粒子を細かくすると透かしも白くなるのが一般的ですが(STANDOX MIX591やCROMAX AM10のように)、

近年登場したメタリック原色は、粒子を細かくしつつ透かしを黒くしてコントラストを強調した表現を可能としています。これの究極がメッキ調塗装ですね。ただメッキ調塗装は全般的に密着性が著しく悪いので(弱いというレベルでは無く簡単に剥がれます)、現在当店ではお受付しておりません。

その後避けておいた黒パーツを合流し、クリアーを塗ったら本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

高輝度メタリックはクリアーを塗ると金属感が低くなってしまうのが特徴というか弱点なのですが、

ベースコートそのままだと塗膜の強度が弱いのでこれは仕方ないですかね。

逆にそれを応用して、メッキそのままだとクドイところを、その上に艶消しクリアーを塗ってメッキ感を弱くする方法もあります。

  この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

トヨタGR86内装パーツ サフェ研ぎ

先日サーフェサーを塗っておいたトヨタGR86インナーハンドル周りのパーツ8点です。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

ガイドコートを行うのはラインの確認や深い傷、研ぎ忘れを防止する為です。研ぐ前だけでは無く、研いでいる途中で深いペーパー目の確認など何度も行う場合もあります。上の画像だと下側が研ぐ前で、上が研ぎ終わった状態です。良く判りますよね。

同じく左が研ぐ前で右が研ぎ後の状態です。最初は#600~#800でライン出しを行い、その後#1500でペーパー目を消し、研ぎ難い箇所やフチなどはコシが無い(当たりの柔らかい)布状研磨副資材#800~#1300(アシレックスレモン~オレンジ)を使います。

艶あり黒や、正面と透かしで明度差の高いシルバーメタリックの場合はペーパー目が非常に目立つので、この辺りは念入りに行います。

その後よく洗い流し、脱脂清掃を行います。

それぞれを手で持って塗れるよう、ワニクリップで芯棒に固定します。

この後は本塗り直前まで埃が着かない場所に保管しておきます(大抵は恒温器の中)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

トヨタGR86内装パーツ サフェ入れ

先日下準備を行っておいたトヨタGR86インナーハンドル周りのパーツ8点です。

よく脱脂清掃し、エアーブローで埃を飛ばします。

稼働して他のパーツと干渉する部分にはサフェが着かないようマスキングしています。

それぞれの素材はPA=ポリアミド、ナイロン樹脂となります。

ポリアミドは耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性に優れた樹脂で、

それ故に塗料の密着性も悪いので、

念の為火炎処理を行ってからプラスチックプライマーを塗っておきます。火炎処理についてはこちらの記事で紹介していますので宜しければご参照ください。マツダのフューエルリッドには素材名が記載されていませんでしたが、触った感じではPP(ポリプロピレン)では無く今回と同じPA(ポリアミド)だと思います。

続けてサーフェサーを塗布します。

サフェーサーの役割は主に塗膜の充填で、

素地の凸凹などを平滑に整える為に塗る物となります。

近年のサフェはプラサフ=プライマー+サーフェイサーが合わさった物ですが、

それ単体では防錆力・密着性が弱いので、金属の場合はそれ専用のプライマーを、

今回のようなプラスチック素材にはそれ専用のプライマーを塗ってから使います。

稀に市販品でこれらが全て一本化された塗料(ミッチャク□ンマルチ)があったりしますが、そんな便利な物があったら他の塗料が必要無くなってしまう訳で、何かしらデメリットはありますから普通は使いません。ホームセンターで売っているペンキ(フタル酸樹脂塗料等)で防錆塗料入りの上塗り塗料とかも同じような感じですね。

サフェはウェットコートで4~5コート程塗っています。コート間には10分程度の乾燥時間=フラッシュオフタイムを設けているので、準備してから塗り終わるまで2時間くらいは掛かります。むしろ上塗りより時間が掛かっているかもですね。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!