ダットサン ブルーバードヘッドカバー結晶塗装 完成

大変お待たせしました! 先日凸部を研磨してクリアーを塗っておいたDATSUN510ブルーバードのヘッドカバー結晶塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

全体に腐食が出ていたのでサンドブラスト処理を行ってからの塗装としました。

 色は鮮やかな赤の結晶塗装となります。

一緒にご依頼を頂いているスターレットのヘッドカバーも続けて紹介いたします。少々お待ちくださいませ!

ヘッドカバー凸部研磨~クリアー筆塗り

 先日本塗りを終えていた日産510ブルーバードKP61スターレットのヘッドカバーです。

その後二度焼きを行い、凸部を研磨して光らせます。

 エアーツールは使えないので小さい木片を当て板にし、一方向に研いで塗膜を削ります。

 最初は#120を使い、その後#180~#240~#320~#400と番手を細かくし、最後は布状研磨副資材で光らせます。

本来ならアルミ素地そのままの方が金属っぽく輝いて格好良いのですが、比較的早い段階で表面が腐食して黒ずんでしまうので、それの進行を遅らせるためにクリアーを筆で塗っておきます。

この後再び恒温器で60℃40分ほどの熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

日産ブルーバードヘッドカバー 本塗り

 先日サンドブラストを行っていた日産510ブルーバードのヘッドカバーです。その後リン酸処理→洗浄→乾燥→マスキングを行いました。

 サンドブラストを掛けてみると予想以上に侵食・巣穴が多かった為、ある程度大きい穴には耐熱性のあるエポキシ接着剤(3Mパネルボンド)を埋めておく事にしました。

 その後60℃20分くらいの熱を入れ、プライマーを塗布します。ホースパイプ部分も腐食が出ているので一緒にサンドブラストを当て、ここにもプライマーを塗っておきました。

 ホースパイプ部には結晶塗装を塗らない為、代わりにベースコートの黒を塗っておきます。

 よく乾燥させた後、マスキングをします。

 そして結晶塗装用の赤(リンター)を塗布します。細かい穴が埋まるよう、ウェットで6コートくらいをしっかり塗り込みます。

 その後赤外線ヒーターで140℃くらいの熱を掛けます。格子状の棚板の下に、反射フィルムを貼った棚板を敷いて効率良く熱が掛かるようにしています(赤外線ヒーターの場合はかなり有効です)。

 巣穴があった箇所が凹んでいるのが判ると思います。このまま普通の塗装(艶あり)だと気持ちが悪い仕上がりになってしまいますが、

 熱が掛かって結晶目が出ると、こういった素地の粗さを目立たないようにしてくれます。結晶塗装が鋳造製品に多用されている所以です。

 ご指定いただいた色は鮮やかな赤となります。

 既に120℃~170℃で30分くらい熱を掛けていますが、この後恒温器(乾燥炉)でもう一度同じくらいの熱を掛けます。

最後に「DATSUN OHC」の凸文字を研磨してアルミ素地を露出させて光らせ、クリアーを筆で塗ります。

同時にご依頼頂いているスターレットのヘッドカバーも一緒に塗っていますので、続けてそちらも紹介いたします。少々お待ちくださいませ!

ヘッドカバー関係 下準備

 一度には塗れませんが、重複する作業は並行して行う事で効率を高めています。

画像は上から、

スズキK12B樹脂製ヘッドカバー 結晶塗装承ってます

トヨタスターレットヘッドカバー 結晶塗装承ってます

日産ブルーバードヘッドカバー 結晶塗装承ってます

となります。

樹脂製のエンジンカバーも新品時にはオイル分が着いていますから、アルカリ洗浄槽で浸け置きをしていて、その後綺麗に洗って水分を乾かしておきます。

これら3個のヘッドカバーはサンドブラストを行う為、マスキングを行います。

 直接ガムテープを貼ると糊が残ってしまい大変な事になるので、最初にマスキングテープを貼ってその上にガムテープを重ねています。

 裏側もこのような感じで養生します。

 ブラストボックスに入れ、

 サンドブラストを行います。

今回のこちらのヘッドカバーは巣穴が結構多いですね。普通の塗装だとこれら全てを処理しなければなりませんが(針の穴のような物でも埋めなければなりません)、結晶塗装はそういった粗を目立たなくしてくれるので、ヘッドカバーのような鋳造製品に多く採用されています。

 スターレットのヘッドカバーはそんなに程度は悪くなく、ただポリッシュされて光ってしまっていますので、

 足付け処理の為にサンドブラストを行っています。

 スズキK12Bの樹脂製ヘッドカバーも同じで、PA(ポリアミド)は密着性の悪い樹脂素材ですから、入り組んだ箇所もしっかり足付け処理が出来るよう、サンドブラストを行っています。これをしない場合、最悪このような結果になってしまうという訳です。

ただ普通の塗装でこれを行うと毛羽立ちが凄いことになって再起不能となりますので、その場合はウォッシュコンパウンドとスコッチなどを使ってネチネチと行います。ランエボⅩのヘッドカバーを塗装した時のような方法ですね。ガスプライマーだけに頼ると、先のロータスエンジンカバーのような事になり兼ねませんので。

 この後は再びしっかり水で洗い流して洗浄を行い、乾燥させておきます。

そしてこちらも現在お預かり中のマツダNDロードスターのヘッドカバーです。

こちらは新品なので、通常であればそのままリン酸処理を行うのですが、ヘッドカバー表面には得体の知れないクリアーが塗ってあるので、まずはそれを剥がす(溶かす)必要があります。

 画像は脱脂用の溶剤(シリコンオフ)をスプレーした状態で、これをまるで水のように弾いてしまっています。ただの油膜(コーティング)ならこんな事はあり得ません・・・。

 シンナーでも同様で、簡単に拭き取れるような物ではありません。

なのでこれを溶剤槽に半分程浸けながら(ゴムの部分を避けながら)、刷毛とブラシを使って洗い流すようにしてクリアー皮膜を除去しておきます。

その後同じようにシリコンオフをスプレーし、しっかりアルミ素地に馴染んでくれるようになったら、リン酸処理を行います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

日産ブルーバードヘッドカバー 結晶塗装承ってます

 先日到着しておりました日産510ブルーバードのヘッドカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

 元々はポリッシュされてアルミ素地を光らせていたようですが、経年で腐食が発生していますので、サンドブラスト(軽め)も行う予定です。

同型のヘッドカバーで黒の結晶塗装に施工した画像がありますのでそちらを紹介させていただきますね。

こちらは以前サニーのヘッドカバーとしてご依頼を頂いた案件です。こちらは黒の結晶塗装ですが、今回はこれを「鮮やかな赤」の結晶塗装で、「DATSUN OHC」の凸文字も同じように研磨して光らせ、最後にクリアーを筆で塗っておきます。

オイルが固着して汚れていますが、アルカリ洗浄槽に浸け置きする事でこれらも綺麗になります(洗浄はサービスとなっております)。

尚こちらのオーナー様からはもう一点スターレットのヘッドカバーも承っていますので、後ほどそちらも紹介いたします。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!