NDロードスター ヘッドカバー結晶塗装 完成

 こちらもお待たせしました!先日本塗りを終えていたマツダNDロードスターのヘッドカバー塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々はアルミ無垢の状態に見えて、ただ新車時にこれの表面が腐食してしまう!と言うリコールがあったらしく、その後この表面に得体の知れないクリアーが塗られる対策が施されたようです。ですので今回もそれを剥がしてからの塗装としています。

 色は結晶塗装の黒となります。

 オイルシール(ゴムのリング部)は取ると再装着が難しい(実質ヘッドカバーごと交換かと)との事で、マスキングで対応しています。

 オーナー様からは当初「つや消しの結晶塗装で」とご指定を頂きましたが、結晶目がしっかりでれば艶の無い仕上がりに見えますので、つや消し剤などは入れていません(入れられない事も無いですが弊害が出る恐れもあるので入れません)。

プラグホール部はキャップの装着を阻害しないよう(外れないよう)結晶塗装は塗らず、プライマーとベースコートの黒のみとしています。

遠目から見るとつや消しに見えますが、近くで見ると実際は艶があるのが判るかと思います。

塗装費用は既にお振り込み頂いておりますので、週明けの月曜日(30日)に発送の手配をさせて頂きます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

NDロードスター ヘッドカバー 本塗り

 先日下準備を行っていたマツダNDロードスターのヘッドカバーです。

得体の知れないクリアー皮膜を剥がし、その後リン酸処理を行ってよく洗浄しておきました。

 まずは全体にプライマーを塗布します。

以前、プラグホール周りに結晶塗装を行うとプラグキャップの嵌りが悪くなるという報告を一度だけ受けた事がありまして、それの対策として現在はその部分には結晶塗装を塗らないようにしています。今回は新品なのでアルミ素地をそのまま残しても良かったのですが、一応プライマーの塗装&ベースコートの黒を薄膜で塗るようにしています。

 黒が乾いたらマスキングを行います。

 そして結晶塗装用の塗料(リンター)を塗布します。塗り方が浅いと(薄いと)結晶目が出ないので、全体にしっかりと塗り込みます。

 その後120℃~170℃の熱を掛けると画像の様に結晶模様が現れます。表面が先に乾き、後から内部が固まる事で差異が生じて縮んだ模様になります。いつも使っているSTANDOXとは違い、1液型の熱硬化型樹脂塗料となります。

 塗料自体は艶消しでは無く、表面が縮れた模様になる事で艶消しっぽく見えるようになります。なのでボディーシューツなどと違い、表面がザラザラになって拭いたタオルの繊維が引っかかって丸まってしまう!なんて事はありません。

この後はもう一度、次は恒温器で120℃20分くらいの熱を掛けて硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ヘッドカバー関係 下準備

 一度には塗れませんが、重複する作業は並行して行う事で効率を高めています。

画像は上から、

スズキK12B樹脂製ヘッドカバー 結晶塗装承ってます

トヨタスターレットヘッドカバー 結晶塗装承ってます

日産ブルーバードヘッドカバー 結晶塗装承ってます

となります。

樹脂製のエンジンカバーも新品時にはオイル分が着いていますから、アルカリ洗浄槽で浸け置きをしていて、その後綺麗に洗って水分を乾かしておきます。

これら3個のヘッドカバーはサンドブラストを行う為、マスキングを行います。

 直接ガムテープを貼ると糊が残ってしまい大変な事になるので、最初にマスキングテープを貼ってその上にガムテープを重ねています。

 裏側もこのような感じで養生します。

 ブラストボックスに入れ、

 サンドブラストを行います。

今回のこちらのヘッドカバーは巣穴が結構多いですね。普通の塗装だとこれら全てを処理しなければなりませんが(針の穴のような物でも埋めなければなりません)、結晶塗装はそういった粗を目立たなくしてくれるので、ヘッドカバーのような鋳造製品に多く採用されています。

 スターレットのヘッドカバーはそんなに程度は悪くなく、ただポリッシュされて光ってしまっていますので、

 足付け処理の為にサンドブラストを行っています。

 スズキK12Bの樹脂製ヘッドカバーも同じで、PA(ポリアミド)は密着性の悪い樹脂素材ですから、入り組んだ箇所もしっかり足付け処理が出来るよう、サンドブラストを行っています。これをしない場合、最悪このような結果になってしまうという訳です。

ただ普通の塗装でこれを行うと毛羽立ちが凄いことになって再起不能となりますので、その場合はウォッシュコンパウンドとスコッチなどを使ってネチネチと行います。ランエボⅩのヘッドカバーを塗装した時のような方法ですね。ガスプライマーだけに頼ると、先のロータスエンジンカバーのような事になり兼ねませんので。

 この後は再びしっかり水で洗い流して洗浄を行い、乾燥させておきます。

そしてこちらも現在お預かり中のマツダNDロードスターのヘッドカバーです。

こちらは新品なので、通常であればそのままリン酸処理を行うのですが、ヘッドカバー表面には得体の知れないクリアーが塗ってあるので、まずはそれを剥がす(溶かす)必要があります。

 画像は脱脂用の溶剤(シリコンオフ)をスプレーした状態で、これをまるで水のように弾いてしまっています。ただの油膜(コーティング)ならこんな事はあり得ません・・・。

 シンナーでも同様で、簡単に拭き取れるような物ではありません。

なのでこれを溶剤槽に半分程浸けながら(ゴムの部分を避けながら)、刷毛とブラシを使って洗い流すようにしてクリアー皮膜を除去しておきます。

その後同じようにシリコンオフをスプレーし、しっかりアルミ素地に馴染んでくれるようになったら、リン酸処理を行います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

NDロードスターヘッドカバー 結晶塗装承ってます

先日到着しておりましたマツダNDロードスターのヘッドカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

現状は新品で、ただこちらの製品は表面に得体の知れないクリアー(塗料を弾く)が塗られている為、それを除去してからの作業となります。このままリン酸処理をしても意味が無いのです。

ご依頼内容は「結晶塗装の黒」で、ただ今回の型のヘッドカバーでこの色の施工例が無い為、以前の型の施工例を紹介しますね。

 こちらは3年くらい前に施工したヘッドカバーです。

 今回のオーナー様は実は既に他店にて一度施工をされたとの事で、ただその仕上りにかなりのムラがあったらしく、今回改めて部品を用意してご依頼を頂きました。「結晶塗装なのに艶があったのでつや消しに」との事ですが、恐らくは塗料が古かったか、または塗り方が悪くてチヂレ目が出ていなかったのだと思います。

 結晶塗装自体はつや消しと言う訳では無く、しっかりチヂレ目が出るとつや消しに見えるという特徴があります。なので近くで見ると塗膜自体には艶があるのが判ります。

 こちらも2016年に施工した物で、同じく結晶塗装の黒になります。

 その他の画像はこちらの記事から御確認いただけます。

 こちらは今回と同型のヘッドカバーで、先日ご依頼頂いたばかりの物となります。色は鮮やかな赤の結晶塗装です。

 これもぱっと見はつや消しに見えますが、

近くで見ると艶があるのが判ります。塗りが足りないとこれが不均一になり(チヂレ目が出なくて)艶があるように見える訳です。通常は完成した状態が見れませんから、届いた物を見て相当なショックを受けたのではと・・・。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!