いすゞ117クーペ フロントグリル 下塗り

isuzu27 そしてフロントグリルの方も進行しています。

足付け処理はいつもの様にネチネチとした作業なのですが、今回は本塗りでは無く「下塗り」からとなりますので、ペーパー(では無く実際は布状)は#800では無く#320相当の物を使っています。アシレックススカイ(中目)ですね。主にサフェーサー塗布前の足付け処理に使う番手で、上塗り前に使うイエロー(#800相当)に比べると目は粗いですが、目詰まりもし難く何よりスピーディーなのでこれで全ての升目を一気に片付けます。

ちなみにステンレス製?のモールは先にコンパウンドで磨いてマスキングしておきます。

isuzu28 全体の明日処理が済んだら良く脱脂清掃し、プラスチックプライマーを塗布して下塗り開始です。ただ下塗りといっても内容は本塗りと変わりありません。

今回ご指定頂いている色はシルバーで、状態の悪い素地のままそれを塗るとかなり酷い仕上りになってしまう為に何かしらの方法で下地を作ってあげなければいけないのですが、これにサフェーサーを塗るとその後の「研ぎ」は非常に大変で、時間的にも費用的にも殆ど現実的ではありませんから、今回は変則的にサフェーサーの代わりとしてSTANDOX2Kエナメルを塗るのです。所謂「1コートソリッド」と呼ばれる物で、クリアーに色が付いた物(顔料が入った塗料)です。

isuzu292液ウレタンサフェーサーは良好なシール性&十分な膜厚が充填出来ると言う反面、表面の肌は粗く仕上がってしまうので、その後の研ぎ作業は必須となりますが、あの升目を、素地を出さずに綺麗に研ぐと言うのはちょっと大変です。勿論出来ない訳ではありませんが、「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」の行程を3回は繰り返すので、この部品一つで20万円越え・・・とかはあり得ないですよね。

isuzu302Kエナメルはれっきとした上塗り塗料なのでレベリング性も良く、塗り方を間違えなければいつも塗っているクリアーと同様綺麗な肌に仕上げられます。研ぎ難い升目の中も綺麗に仕上がっていますので、これなら「研ぐ」という作業では無く、軽くペーパーを当てる「足付け処理」だけで次の本塗り(シルバー)が塗れるのです。

ただデメリットとしては、サフェに比べて切削性が悪いので、これを研いでラインを出そうとする事には向いていません。なので本来のシャープさは損なわれますが、一応そうならないよう希釈率を上げて薄膜になるよう注意して塗っています。それのデメリットしては「艶引け」ですが、下塗りであればこれは関係ありませんからね。と言う感じで色々方法はあるのです。

ちなみに参考までに、これは「面」がある物に対しては余り宜しくありません。先ほど紹介した「シャープさが欠ける」という事で、肌の上に肌を重ねるとやはりデロデロとした仕上りになってしまうのです。勿論これが出来ると楽な仕事というのはあるのですが、以下のような「ヘッドカバーを艶々に」と言った物に関してはやってはいけない事の一つです(と言う見解です)。

s20 こう言うシャープな仕上りは、やはりサフェーサーをたっぷり塗って全ての面にペーパーを当てて丁寧にラインを出さなければこう言う仕上りにはなりません。時々見かける「艶はあるけど何か変」というのはそう言う事で、多分何かを間違えてしまったのだと思います。またはそういった間違いも判ってやっていれば良いんですけどね(コストを抑える為に仕方無くとか)。ただそれの説明は必要ですし、最低限抑えるべき所は必要だと思いますが(勿論私的見解です)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。ちなみに二度塗りはチヂレが怖いので(これが諸刃の剣です)、次の本塗りはかなり寝かしてからとなります。もう少々お待ち下さいませ!

いすゞ117クーペテールランプ 素地調整

isuzu19 先日フロントグリルと共にご依頼頂いていたいすゞ117クーペの純正テールランプです。タイミング的には先日他のご依頼品と一緒に塗れたのですが、如何せんそのまま塗れる状態ではありませんでして・・・。

とりあえず全体的に油のような物が塗られているのでシリコンオフとブラシをウエスを使って清掃しました。

isuzu20そしてレンズ部分を確認してみると、まだ何もしていないのに深いペーパー傷のような物が・・・。しかも番手で言うと#80くらいの超深めの傷です。

isuzu21 表面もかなり来ています。まるでスチールウールで擦ってしまったのかのように・・・。

isuzu22 また一部には何故か外側から熱を掛けて溶かしたような跡が・・・。タバコの先が当たってしまったような感じです。

isuzu23 と言う事で状態は今まで見た事が無いくらい宜しく無いのですが、仕事としては結構こういうのは嫌いではありません。先にメッキの枠をコンパウンドで磨いておきます。ここも大分腐食が出ていますが年代物なのでこの辺はもう仕方無いですかね。レンズが外れれば一番良いのですが・・・。

isuzu24 やはりと言うか結構深い傷だったので普段は使わない#320→#400の空研ぎペーパーで削ります。

isuzu25 その後は傷が深く入らない足付け用の布状研磨副資材を使ってペーパー目を均します。

isuzu26と言う訳でとりあえずは全体のクリーニング~深い傷の除去まで完了しました。

この後は根性焼きをされてしまったようなレンズ部分をもう少しどうにかして、レンズ部分は全体を#800まで細かく仕上げ、先にバックランプ部の黒い枠(多分アルミ製)を塗ってから全体をマスキング、そして次のレンズ系塗装のターンに間に合わせたいと思います。並行してフロントグリルも作業開始しておりますのでそちらも後ほど紹介しますね。いやー、どちらも大変です(笑)。

BMWの内装スイッチツマミが装着されたようです

bmw336先日お納めしたBMWのエアコン用ボリュームツマミが無事装着されたようで、オーナー様より画像とコメント頂きました。わざわざありがとう御座います!

bmw384こちらの画像は完成時の物で、出来上がったこれを車屋さんに持って行って交換して貰ったそうです。

bmw334 元の状態がこちらです。ああー、確かにこんな感じだったような気がします。

bmw335 判り易いようにと、片側だけ交換した状態で撮影して頂きました。おおー、なるほど、全然違いますね!(ちょっと贔屓目に見ているのかも知れませんが・・・笑)。

bmw338 オーナー様から頂いたコメントも紹介させて頂きますね。

「先日のお電話から大変遅くなりましたが、施工頂いたスイッチの装着写真が撮れましたのでお送り致します。写真撮影の腕が皆無ですので、見るに耐えない写真ばかりですがご活用頂ければ幸いです。

実際に装着してみますと、ご相談を重ねさせて頂いた甲斐ありまして、艶有りほどクドくなく、艶消しほど地味ではない丁度良い塩梅の雰囲気になりました。
純正状態のスイッチと並べて装着してみると、同じ部品とは思えないほどの違いに驚きました。
シルバーの陰影が綺麗に出るかが懸念でしたが、カラーサンプルでじっくり選ばせて頂いた甲斐ありまして、金属部品に引けを取らないような陰影が出ております。
大変なお手間をお掛けした塗り分けも、お陰様で私のイメージ通りの素晴らしい物に仕上げて頂けました。
操作の際に触れた感触も、純正のややネトッとしたものからサラっとした上質感のあるものに変わり、触れるだけでも満足感が高いです。
また嬉しい誤算として、夜間にインパネの文字盤照明がシルバー塗装部分にほんのり映り込んで、夜間のインパネの雰囲気がとても良いものに変わりました。
実用面でも、夜間のスイッチ操作がしやすくなり、とても便利です。
馴染みのクルマ屋さんの方に披露した所、「その方(=高畑様)は、これを全部塗装で塗り分けたんですか!?」と驚かれました。やはり、見る人が見ると高畑様の技術力の凄さが分かるようです。
ほんの思いつきでお願いした内容がここまでのものに仕上がるとは、お願いした私自身も驚いております。
この度は私のわがまま・無理難題を快く受け入れて頂き、本当にありがとうございました。
お電話でもお話ししましたが、そう遠くないうちにテールランプ塗装もお願いしたいと考えておりますので、その際はまたよろしくお願い致します。」
との事です。いやはや御丁寧にありがとう御座います!

bmw339 スイッチツマミを4個塗るにしては結構な費用が掛かったので、費用対効果が少々心配なところがありましたが、確かにこれを塗る事によって室内の雰囲気がガラっと変わったというか引き締まった気がします。ただこれも贔屓目になっていなければの話ですが(笑)。

bmw340そしてこれが嬉しい誤算のイルミネーション照明の反射ですか!なるほど、凄く良い雰囲気出てますね。

こういった内装パーツやヘッドカバーなどはオーナー様以外に見る機会は無いと思うのですが(と言うか常人には理解するのも難しいかと・・・笑)、そもそも他人の評価とかは関係なく、自分だけで得られる満足感だけで十分だったりしますよね。多分これを回す度に変な高揚感を感じているのでは無いでしょうか(判ります、判りますよ・・・)。

この度は当店をご利用頂き誠にありがとう御座いました!