いすゞテールランプ 下準備

isuzu22テールランプ内のクリアーレンズ部分にタバコを押し付けて溶けたような箇所があったのでそこも修理しておきます。

isuzu42 ある程度サンダーで削ったのですがどうやら気泡のような物は相当根深いようで、これ以上削っても意味が無いようなので後は透明なエポキシ樹脂(接着剤)を盛っておく事にしました。見た目は平らなのですが結構削ったので凹んでいるんですよね。

isuzu43 使うのは一般的な注射器型の透明なエポキシ接着剤です。

isuzu44 予めプラスチックプライマーを塗布し、よく乾かしてからエポキシ樹脂を盛ります。真空脱泡が出来れば理想的なのですがそれは無いので出来るだけ泡が混入しないように混合して盛り付けます。

isuzu45 使ったエポキシ接着剤は5分硬化と比較的早いタイプの物ですが、念のため1日置いてから研ぎます。最初は#320から始めて最終的に#1500の水研ぎまで行いました。

isuzu46 気泡のような周りにも若干エポキシ樹脂が残っているのが判ると思います。それが削って低くなった部分ですね。痕は残りましたが少なくとも塗ったクリアーに巣穴が出来る事は無くなったと思います。

isuzu47 そして枠の黒い部分です。こんな所に金属の枠を仕込むなんて現代のテールランプでは有りえませんよね。手が込んでいると言うか、よく社内で反対されなかったかと(笑)。

isuzu48 本当はサンドブラストを掛けたいところですがそう簡単にレンズが外れてくれる構造では無さそうなので、傷が付いた箇所はペーパーで削って金属が露出した箇所にプライマーを塗っておきます。

isuzu49続けて1コートソリッドタイプの半艶(7分艶くらい)を塗って下塗り(?)完了です。当初はタッチアップ程度で良いかと考えていたのですが、傷が付いた箇所をマスキングして後生大事に取っておくと言うのもどうかと思ったので、レンズを足付け処理する時にここも一緒にペーパーを掛けてしまう事にして、結果「傷が付いてしまったので・・・」という事で塗る事にしました。ある意味確信犯的な・・・(笑)。

当為事で、熱を入れた後でも直ぐにマスキングをすると跡が付いてしまうので少し寝かしてからの本塗りとしますね。どうぞもう少々御待ち下さいませ!

いすゞフロントグリル塗装 完成

isuzu36大変お待たせしました!いすゞ117クーペの純正フロントグリルは本日完成となります。一緒にご依頼頂いている テールランプの塗装はまだこれからとなりますが、先に梱包をしておきたかったので撮影も済ませておきました。

isuzu37 シルバーはボディカラー同色の「マッターホーンシルバーM」(カラーコード:821)となっております。最初の状態も紹介しますね。

isuzu15 旧塗膜は大分劣化しましたので、一旦下塗りを行なってからシルバーの本塗りを行なっています。ちょっと変則的な方法で、イメージとしてはこれを二個分(二回分)塗装するような感じですね。

isuzu38 下地を整えてから塗ったお陰でツルんとした艶消しの仕上りになっています。

以前ご依頼頂いた「艶消し黒」も紹介したしますね。

isuzu10現在はこちらの艶消し黒で塗った物が付いていて、ただ砂汚れが目立つ?との事で今回艶消しシルバーでご依頼頂きました。大分お金も掛けられているようですのでちょっと心配になりますが・・・(笑)。

isuzu39黒に比べるとアッサリとした感じですが、実際車体に装着されるとまた違った印象になるんでしょうね。

isuzu41自然光だと強すぎるので蛍光灯下でも撮ってみました。

isuzu40升目の肌も荒れずツルンとした艶消しの綺麗な肌が出来ているのが判ると思います。塗装の際にはどうしてもこういったところがザラつきがちですが、肌が荒れているとその分汚れも付き易くなりますので気をつけてチェックするところだと思います。

それではテールランプの方も進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々御待ち下さいませ!

BMW Side Cases

bmw66 以前ご依頼頂いた案件で、作業内容と画像を纏めて再編集して紹介しています。画像自体はサーバー上にあるので再度アップロードするような手間は無く、またファイル名から検索出来るので再掲載が非常に楽ですからiTuneのプレイリストを作るような感覚で簡単に「作業例」としてのページが作れるのです。

これの利点としては、同じ様なお問い合わせを頂いた場合にメール文章内にここのリンク先を貼り付けるだけで作業内容の詳細とそれに掛かる費用の案内が出来るのが凄く役に立っています。単純に「12万円くらいです」と言われるよりも、どういった内容でお金が掛かるのかが判れば納得し易いと思いますので。

bmw68 パニアケースの蓋の塗装は結構ご依頼が多いのですが、今回は「ボディのカラーリングと同じように」といった内容で承りました。色もそうですが2トーンカラーリングのデザインも同じように似せます。

toskan2意外に難しいのが「ラインを綺麗に仕上げる」といった事で、フリーハンドを活かしたような仕上りであれば少し曲がったり太くなったりするのも味と感じられると思いますが、当店で行なっている塗装は「新車の状態に」と言った作業が基本となっていますので、ライン一つとっても新車時のライン塗装でまるでロボットが行なっているような仕上りにしたいのです。

toskan1と言う訳で今回使ってみたのが「レーザー墨出し器」なのですが、照射されたレーザーの赤い線が余りにも太くて曖昧だったので却下となりました(苦笑)。

toskan3そして新たに取り寄せたのがこの「トースカン」です。美術工芸などで使う道具ですが、今回はこれを少し改造して使う事にしました。

toskan鉛筆を固定しているステーを取り外し、代わりにマスキングテープ用のケースを取り付けてみました。パニアケースと同一面上にこれを置いてマスキングテープを貼りながら動かせば、もしかして完璧なストレートラインが出せるのでは・・・(昇)、と思った次第です。

bmw92ちょっと順番が違ったかもしれませんが、パニアケースの裏側はこんな感じでマスキングしておきます。段ボールが貼ってあるのは台に乗せた時に養生紙を破らないようにですね。

bmw87パニアケースの表面はザラザラとした「梨地」なのでそのまま塗っても艶のある仕上りにはなりませんから(むしろ大変汚い仕上りになりますので普通はそのまま塗りません)、一旦全体を研磨して下地を作ります。

bmw89下地作業の工程としては「研磨→プラスチックプライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった内容で、上の画像はサフェーサーを研ぐ前にガイドコート(研ぐ為の道しるべ的な)として全体に黒をパラパラと塗ってあります。

bmw91完全硬化したサフェーサーを研ぎます。実はこの辺の作業が塗る以上に大変なので、費用を掛けたくない場合は予め艶々に塗装された新品を用意される事をお勧めします。

bmw94 そして先ほど紹介したトースカン改マスキングテープ台です。ちょっと未来的なデザインに見えてしまうのは気のせいでしょうか(病)。

pania6画像に写っている物は5ミリですがラインを引くのには2ミリのを使っています。ブツ切りマスキングの見切りを綺麗に仕上げる為に普通の和紙タイプのマスキングテープでは無くプラスチック製(ポリプロピレン製)のテープを使っています。

bmw96平らなテーブルの上でトースカンを滑らすようにしてパニアケースを一周させながらラインテープを引いていきます。

bmw97 実は手前のどこかに継ぎ目があるのですが誤差は殆ど無く直線的にラインが引けているのが判ると思います。パニアケースの下には同じ厚みの板を挟んで水平を出しています。

pania2ラインテープの確認(練習)が終わったら貼ったテープを全部剥がし、まずはベースカラーを塗ります。黒い部分はBLACK SAPPHIRE(カラーコード:475)、白いラインはALPINWEISS III(カラーコード:300)となっています。どちらもSTANDOXの配合データがありましたのでそのまま利用すれば調色費は必要ありません。

pania4 そして改めてマスキング開始です。

pania7最初の一本が基本となって、後はそれに沿ってテープを貼っていきます。真ん中のテープは和紙タイプの普通の物で、これは単に「幅」を合わせる為に貼っているだけのガイド用のテープですね。

bmw98 その後白を塗って全てのマスキングを剥がしたらクリアーを塗って本塗り完了です。

bmw101 クリアーが完全硬化したら完成です。【標準コース】でのご依頼ですので磨き処理もしています(【お任せコース】の場合は基本的に磨き処理はしません)。

bmw102 ラインの幅は均一で且つストレートに、塗装屋さんが近くで見てもガタガタしたような部分は感じられなくとてもシャープな見切りに仕上がっていると思います。まあ悪いところは途中で修正していますしね。

bmw-5私的な理想としては「これを手作業で塗ったの?!」と思えるような機械的な仕上りですが、トースカンのお陰でこの時はそれに近い仕上がりに出来たと思います。

ただトースカンの出番はその後まだ一度も来ていない無いと言う事実が(笑)。