先日到着しておりましたトヨタTE47用の純正ルーフサイドモール一式です。こちらは先にお預かりしている同車レンズ等一式と同じオーナー様からのご依頼で、この度も当店をご贔屓頂き誠に有難うございます!
製品の構造としては、薄いステンレス板に透明な塩化ビニール樹脂を被せたような素材で、
一部にはハッキリと判るような割れが生じていて、
また細かくひび割れも全体に出ています。
綺麗そうに見える部分も実際には細かいクラックが奥までビッシリ入っています。
今回の製品は塗装されている物では無いので、元の通りに修理・修復は出来ないのですが、このままだとさらに劣化でボロボロになってしまうと思われますので、一旦下地を整え、上からシルバーの塗装を行うよう承りました。
ただ多少でも金属っぽく見えるようにと、今回は下地に黒を塗る3コートの高輝度シルバー=STANDOX SPFシルバーとします。
以前施工した時の画像がありますのでそちらを紹介します。
こちらは以前施工したプレオのルームミラーで、元々はザラザラとした樹脂素地だった物を、サーフェサーで平滑な下地に整え、その後黒を塗り、その上に樹脂分を増やして下地を透かした高輝度シルバーを塗った仕様となります。
しかし問題は下地処理で、今回のパーツは比較的柔らかく、ただ素材は既に崩壊し掛かっていますから、出来れば分子間の架橋結合が強いビスフェノールA型のエポキシ系プライマーを使いたい訳ですが、それに入れる軟化剤と言うのが存在しないらしく、少々困っております。
STANDOXのマニュアルを見てみると、10%まではSTANDCRLYの混合が許されているのでソフトナー(軟化剤)を入れても大丈夫では?と思ったのですが、それも確認されていない(そもそもそんな質問をする人が居ない)と言う事で一蹴されてしまいました。
なので一応現時点での対応方法としては、EPプラサフをパラパラと薄くコートし、その上にウェットオンでフルフレキシブルにした2液プラサフ(軟仕様)を重ねようと思っています。時間があれば軟化性サフェとガラスパウダー等の骨材の組み合わせなどもテストしたかったのですが、今回は時間が無いのでそちらはいずれテストしてみようと思います。
それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!