スバルWRX S4 樹脂製インマニ 下準備

先日下塗りを行っておいたスバルWRX S4の樹脂製インテークマニホールドです。その後60℃40分程の熱を2回程掛けて塗膜を硬化させておきました。

このまま二回目の塗装=本塗りを行っても塗料は密着せず、かといって密着剤のような物を安易に使うと後で大変な事になってしまいますので(ペリペリと剥がれてきます)、この上に新たな塗装を行う場合には再び全体を足付け処理する必要があります。

ただしこの形状でペーパー(研磨紙または布状研磨副資材)を使って足付け処理を行うのはかなりの手間と時間が掛かり、またその方法だと細部まで確実に処理出来ない可能性がある為、今回も下塗り前と同様、ウェットブラストを使って足付け処理を行う事とします。

使っているメディア(研磨剤)は重曹で、これにより大気開放でのブラスト作業でも周りに被害は少なく(環境的には全く問題無く)、また塗装面に対してソフトな当たり方での施工が可能となります。

今回は動画を撮影していないのですが、開放型のウェットブラストでの作業は、以下のような感じとなります。

ただし開放状態だと吹き返しがかなり激しいので、作業時は合羽を着こみ、また送気マスクをして挑んでいます。重曹は身体への健康面においても全く問題無いのですが、体中がヌルヌルして嫌なんですよね・・・。

その後はよく水洗いします。

重曹には脱脂の効果もあるので、塗装前の下処理としてはとても良いメリットでもあります。

エアーブローしてよく水気を飛ばしておき、この後十分に乾燥させておきます。被塗面に細かい凸凹が形成され、艶が消えた状態になっているのが判ると思います。

また先に記載したように綺麗に脱脂処理された状態ですので、この後のマスキング作業と保管に注意して、そのまま上塗りが行えるようにしたいと思います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

LOTUS Engine Cover

ロータスヨーロッパのエンジンヘッドカバーです。元々グリーンに塗られていたようですが、整備工場さんにてサンドブラストを行って頂いたらしく、この状態で届きました。

リン酸処理を行い、よく洗って乾燥させました。

この後の塗料がアルミ素地に密着するよう、プライマーを塗布します。

色はボディカラーのような感じでと承っておりますので、

青と黄色の結晶塗料(リンター)に、パウダータイプのブルーパールを添加します。

大体似たような感じの色が出来たら、

本塗りを行います。

しっかりと塗り込みつつ、全体の膜厚が均一になるように塗布します。

その後赤外線ヒーターを使って140℃~170℃程の熱を30分程掛けたら本塗り完了です。

マニュアル上ではこれで焼き付けは完了ですが、削る際に柔らかい感じがするので、後日今度は恒温機(乾燥炉)で120℃30分程の熱を掛けます。

二度焼きが終わったら、ガムテープでマスキングをして凸部を研磨します。

最初は#120から始め、最終#800を使ってアルミ素地を光らせます。

そのままだとアルミ素地が直ぐに酸化してしまうので、腐食の進行を遅らせられるようクリアーを筆塗りしておきます。

その後60℃40分程の熱を掛け、数日寝かしたら完成となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります(撮ったそのままとなります)。

単なるソリッドカラーでは無く、パール感を感じられるかと思います。

その他の完成画像はこちらのページをご覧頂ければと思います。

また今回はオーナー様のYouTubeにて紹介もされました!

元々の状態や、到着時の梱包状態など詳しく紹介されていますので、今後のご依頼の参考になるかも知れません。