SUBARU XV USテールランプ レッド&スモーク 本塗り

xv12スバル純正XVハイブリッドのUSテールランプです。 今回はレンズ系の本塗りのタイミングが比較的早いのですが、実はこちらで紹介していない案件が2セット程お待ち頂いておりまして、今回でようやく数が纏まったので一気に本塗りとなりました。

xv13 スバルXVのテールランプは予めクリアー抜き型のデータが出来ていますので、後は使う時にそれをカッティングプロッターでマスキングシートをカットすればOKです。ラインテープでマスキングすると左右で1時間くらい掛かってしまいますが、マスキングシートを水張りするなら10分も掛かりません。被塗面に直接手を触れず簡単に作業が出来るので気分的にもとても楽です。

よく脱脂をしてプラスチックプライマーを塗ったら本塗り開始です。

xv14 透過性のレッドを4コート程で塗りあげ、マスキングシートを剥がします。

続けてクリアー抜きの個所に再度プラスチックプライマーを塗布し、全体に薄くスモークを塗ります。スモークは全体に2コート、クリアー抜きの個所は3コート塗っています。

xv15 最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

xv16最後に塗る「おまけスモーク」は比較的薄いスモークですが、赤く塗った個所は深みが増し、クリアー抜きにした部分は白っぽさが抑えられて全体的に落ち着いた色味になります。

この後熱を入れて塗膜を完全硬化させたら必要に応じて磨き処理を行って完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

バンデンプラプリンセステールレンズ等 本塗り

vanden28 先日表面にクリアーの下塗りをしておいたバンデンプラプリンセスのLUCAS製テールレンズです。特に右側のレンズは赤い部分が劣化して色褪せてしまっていて、また上部オレンジ色の部分も左に比べると若干右側が薄いです。今回はこれらを塗装で同じような色味に近づけます。

透過性の塗装の場合は塗りながらその状況(濃さやムラ)を確認したいので、裏側のマスキングには養生紙やテープでは無く、反射板の代わりとしてアルミフィルムを貼る事が多いです。

vanden29ただアルミフィルムだと光が反射し過ぎて、左右の微妙な色味が判り難い模様です。

vanden30 と言う訳で今回は透明なビニールフィルムを使ってマスキングしました。

vanden31 そちてこちらはフロントインジケーターランプのレンズです。裏表共にクリアーを塗った状態で、最初に比べるとかなり透明度が上がっているのが判ると思います。

ただ左奥の古いレンズの方は微妙に黄ばみが残っていますので、最後に極薄いスモークを塗ってさらに統一感を出そうと言う作戦です。

vanden33 こちらは裏側にアルミフィルムを使ってマスキングしています。表面あ#1300で足付け処理しました。

vanden32 こちらも同じく足付け処理を行った状態です。どちらも既にクリアーが塗られているのでプラスチックプライマーは不要です。

vanden34 まず最初にオレンジ部分を塗装します。

当初は下塗りクリアーの時に一緒にキャンディーオレンジを全体に塗ってしまおうかとも思ったのですが(その方が効率が良いです)、透過するとは言え光の三原色とは違って色が重なると「濁り」が生じる恐れがあるのでそれは辞めました。

vanden35 また今回の作業内容では極力オリジナルの状態にしますので、色も普通のオレンジキャンディーでは無く、イエローキャンディーにオレンジを加えると言う方法で色を調整しています。

vanden36 そのままだとやはり微妙な色具合が判らないので、下に白い紙を敷いてそれぞれの色の濃淡を比色します。今回は薄い方を最初に塗ってもう一方の色味に合わし、その後両方の色味を嵩上げしていくと言うやり方にしています。

元々色も着いているので3コート程で終わらせました。

vanden37オレンジキャンディーの塗装は薄膜で済んだので、途中休憩を入れて十分にフラッシュオフタイムを設けた後、そこを、マスキングして続けてレッドキャンディーを塗布します。

vanden38 レッドキャンディーは現在2種類を使い分けていて、通常は濃い方を使いますが、今回は薄い方の赤を使いました。前者はその特性からして耐候性が良いのですが、塗り重ねる毎に濃くなる傾向があって、後者は鮮やかなので塗り重ねても濃さに影響が少ないですが前者に比べると耐候性は劣ります。2013年頃まではこちらのレッドを使っていましたが、その後はより耐候性の良い方に変えています。

vanden39 そしてベースコート完了です。これだけの事ですが以外に手間が掛かっています。

vanden41 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。

vanden40元々の造りが「オレンジ色をしたレンズの裏側に下部分だけ赤を塗っている」と言う状態になっていた為、下の赤いレンズ部分はどうしても透明感は少なくなっています。ただそれでも前記したような対策は行っていますので、塗装で生じるような濁りは極力抑えられたと思います。

vanden42 そしてフロントのインジケーターランプのレンズも本塗り完了です。

vanden43こちらは極薄いスモークで、色褪せた黄ばみを目立たなくしつつ、多少色味を付ける事でエッジを際立たせてガラスっぽい質感に見せています。

この後熱を入れて完全硬化させたら裏側に付いていたオレンジレンズを取り付けて完成です。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!

TIMEカーボンフレーム&フォーク 色作成

time32 先クリアーの下塗りを行ったTIMEのカーボンフレームとフォークです。その後熱を入れてクリアーを完全硬化させておきました。

time37今後の工程としては、

・全体を研磨して肌を均し、再び細部まで足付け処理

・傷の部分をタッチアップ

・大きい「TIME」のロゴ7カ所をマスキングして新たに白で塗り直し

・再び全体にクリアーを塗装

となります。

time38 全体に小傷があるので、そういった個所はスプレーでは無くタッチアップで拾います。勿論スプレーでも出来ますが、その場合は各ロゴをマスキングしたりして避けなければならなく、また小傷はフレーム(とフォーク)全体に散らばっていますので結果フルマスキングでの対応となりますからコスト面で現実的ではありません。また色の作成もこんな簡易的の方法では無く、毎回色板にスプレーして確認する必要があります。

time40と言う訳でとりあえずはタッチアップ用の色を作っておきました。「TIME」のロゴに塗る白は色見本帳から選んでいますので、そちらは後日計量器を使って配合データから作成します。

time39そう言えばと言う事で、下塗りクリアーを塗った後のフレームを計量しておく事にしました。現状は1087.4グラムとなります。

下塗りを行う前は1071.5グラムで、現在は1087.4グラムです。尚ボトルゲージなどのナット穴にはマスキングの為にイモネジを6本入れていて、それが一個当たり約0.4グラムなので合計2.4グラムを差し引き、

下塗りクリアー分=13.5グラムとなります。かなり軽く思うかも知れませんが以前cannondaleのフレームで計測した時もこんな感じでした。そう言えば先日読んだレクサスの製造工程を紹介する本では確か通常の溶剤ベースコートで固形分(樹脂+顔料)が3~4割程と書いてあったので、比重に重い顔料分が入っていないクリアーでは1~2割くらいしか無いのだと思います。

またここで紹介している本塗り後の画像では随分とタップリクリアーを塗っているように見えますが、実際は低圧ガンを使ってガン距離を異様に近くして肌目を作らないようにしているので(被塗面とガンとの距離は5cm以下くらいです)、パッと見は塗膜の厚みが付いているように見えても実際はかなり薄くなっています。今行っている塗装は以前行っていた車体補修塗装の「新車肌の再現」とは違うのでSATAガンとかを使う必要は無いのです。SATA=外資系の高粘度なクリアーを使って新車肌を作るのにはとても素晴らしいガンなのですが、適正エアー圧が非常に高く、使用するクリアーの量も半端無いので今は使っていません(そもそも今のうちの排気浄化装置では容量が足りません)。

それではまた作業進行しましたら紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!