TIMEカーボンフレーム&フォーク 本塗り

time72 先日までにマスキングが完了していたTIMEのカーボンフレームとフォークです。

エアーブローをしながら細部を確認し、いよいよ本塗り開始です。

time73 フレームのロゴは5カ所で、一度に全部を塗ろうとはせず、一つずつ仕上げていきます。

time74 マスキング際を美しく仕上げる為、スプレーはロゴの外から中に向けるような感じで塗っていきます。いきなりドバーと塗ったりはしません。

time75 一つ塗ったら養生紙を貼り直していきます。

time76 画面右のロゴがトップチューブ上部に当たる個所で、ここが一番褪色(黄ばみ)が強い部分です。新たに塗った白が白過ぎて心配になるレベルでした。

time77 結構面倒なのがマスキングテープを剥がす作業で、無理やり剥がすと糊が残ってしまうので直角に引っ張るような感じで一枚一枚剥がしていきます。また端を爪で捲ろうとするのもNGです(若干糊の跡が残ります)。

time78 各部をチェックし、若干ラインから食み出た個所は綿棒とシンナーを使って拭き取ります。下地は完全硬化したクリアーなのでここでシンナーを使っても問題ありません。

time79 フォークのマスキングを剥がした状態です。今回白く塗ったTIMEのロゴと、その他塗らなかった白い部分とでの差が出てしまうのを心配していましたが、殆ど気にならないレベルで安心しました。

time80 フレームのロゴも白が鮮やかになってまるで違う物のようです。

尚今回はマスキングテープを貼っている時間が長かったので、この後そのままクリアーを塗ると「糊ハジキ」が心配されましたから、白く塗装したロゴ以外の個所はシリコンオフで清掃しています。

time81 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。

time82 今回褪色していた原因はクリアーでは無く「白」に使われていたインクと思われますので、赤い部分は新車時の状態が残されていると思われます。発色よくとても綺麗です。

time83 今回は下地として「研磨→クリアー塗布→完全硬化→研磨」の工程を行っておいたので、元々あった段差や悪い肌も払拭出来て良い雰囲気になっていると思います。

time84 透明な保護シールを剥がして一緒に剥がれてしまったロゴは、デカールの貼り付けによる部分補修で多分言われなければ判らない程に直っていると思います。

time85 カーボン地と赤い塗装との境界線には下塗りに使われた白が多くの個所で出ていましたが、それらはクリアーを塗るまでに筆塗りで修正しておいたので殆ど目立たなくなっていると思います。

time86内側の文字にあった凸凹の段差も平滑に仕上がっていて、新車のフレームと並べて見比べても遜色無く感じられると思います(と言うか自転車の新車塗装は車のそれに比べると良くありません。勿論コスト面で仕方ないとは思いますが、長期の使用は想定されていないように感じます)。

この後熱を掛けて塗膜を硬化させ、磨き処理を経て完成となります。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

スターバックスタンブラー塗装 完成

starbucks14 大変お待たせしました!スターバックスのステンレスタンブラー塗装、本日完成となります。明日には発送可能となります。

starbucks16 色はスバル純正色の「プラズマブルーシリカ」(カラーコード:F9T)で、ロゴはSTANDOX原色のSPFシルバー、クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーを採用しています。

最初の状態も紹介しますね。

starbucks2今回のタンブラーは表面が錫の叩き模様のようになっていて、STARBUCKSのロゴがプリントされている部分に新たにSTIのロゴを塗装で入れました。

starbucks15塗装(塗膜)自体は車のそれとほぼ同じ物ですので、職場のデスクなど身近な所に置いておき、これを眺めては愛車の事を思い出す、と言う使い方は良いかも知れません。職場にミニカーを飾るのは流石にマズイと思いますからね。

starbucks17 塗装のメンテナンス方法としては、車体と同じように扱って頂ければと思います。食器洗い機は高温になるのでしたら避けた方が良いかも知れません。塗膜は100℃程度の熱でも問題は無いのですが、湯気になった水蒸気は塗膜を通って中に入り込み、気化した際に体積が膨張して塗装を膨らましてしまいます。

滑りを気にされないのであればワックスを掛けるのもお勧めです(車体と同じく汚れが付き難くなります)。

starbucks18底部分は本来であれば溝の所まで塗った方が作業的には楽なのですが、テーブルなどに置いた時に塗装が欠けて見た目が悪くなってしまう恐れがあった為、今回はエッジの少し内側でバツ切りマスキングをし、その後ペーパーを掛けて段差を無くしてポリッシュしています。良い具合に自然に仕上がっていますのでご安心下さいませ。

それでは後程完成のお知らせメール差し上げますね。この度も当店をご利用頂き有難う御座いました!

CASIO G-Shock Baby-G

gshockG-SHOCKよりも一回り小さい、女性向けカジュアルウォッチのBABY-Gです。完成後、国内外から結構お問合せがありまして、早速施工例として改めて紹介させて頂きます。

gshock2元々透明だった物が経年で黄ばみが出てしまい、ただ愛着があって今後も長く使い続けたいとの事で、以前当店で施工したG-SHOCKの記事を見てお問合せ合わせを頂きました。

gshock3色については渋めのガンメタが良いとの事で、それらしい色を何種類か揃えて発送~お貸出しし、それらの中からこちらのAUDI「austern grau」(カラーコード:LZ7W)を選んで頂きました。

gshock21素材は恐らくポリウレタン系と思われ、下地処理は布状の研磨副資材とスコッチ、ナイロンブラシをウォッシュコンパウンドと併用して使います。

gshock22穴の内側側面などは意外と足(傷)が付きにくいので、小さくカットした布状の研磨副資材を通して一つ一つ丁寧に足付け処理をしていきます。ウェットブラストやバレル処理の設備があればそれでも大丈夫だと思います。

gshock34表面に細かい傷を作る事によって水を弾いていた表面が親水性になり、さらにこの後に塗るプライマーとの投錨効果(アンカー効果)で密着性が得られます。

gshock9また今回の施工に当たっては、以前から当サイトを見て頂いていた方々から色々なアドヴァイスを頂きまして、新たな材料を試したり、実際に塗膜の密着性テストなども行ってからの本塗りとしました。

画像はベルトでは無く人工皮革に塗装を施した物で、こちらのページから詳しい内容もご確認頂けます。

gshock49またその後実際に同じメーカーのBaby-Gのベルトも取り寄せ、同じ環境下でのテスト塗装も行っています。結果はすこぶる良好でした。

gshock23下準備を終え、いよいよ本塗り開始です。

gshock24ベゼルの裏側とベルト止めの内側にはクリアーは塗らず、先にベースコートだけを塗っておきます。

gshock25その後改めて台にセットします。

gshock26ベースコートを塗り、軟化剤を入れたクリアーを塗って本塗り完了です。

gshock27gshock28前回はベルトにはクリアーを塗らなかったのですが、G-SHOCKの塗装を多く手掛けている方から「むしろクリアーを塗った方が塗装が割れ難いのでは?」と言うアドヴァイスを頂き、事前にテストを行った上で今回はクリアーも塗る事にしました。

gshock29裏側も表面と同様に仕上げています。

gshock30クリアーには軟化剤を入れて塗膜に柔軟性を持たせています。

gshock31gshock32gshock42その後何度かの強制乾燥工程を経て完成となります。

gshock43gshock44gshock45gshock46gshock48gshock51 実は発送直前する直前にオーナー様からご連絡があって、「どうせなら全て組み付けておいて欲しい」との事でベルトとベゼルを取り付け、改めて組み付け後の撮影もしておきました。

gshock52 完成した製品を送った後にはオーナー様からご連絡も頂きまして、仕上がりには非常に喜んで頂けたようです。既に装着もしていて何ら問題が無いとのご報告も頂きました。

gshock53 gshock54今回のような塗装を行うとその費用は新品が何個も買えてしまう金額になってはいますが、オーナー様的にはとても思い入れのあった物だったらしく、またどうせなら世界に一つだけの自分仕様にされたいと言う事で今回のご依頼に至りました。

 

完成した物についてはとても気に入られている様子で、こちらとしても良い経験をさせて頂き有り難い限りです。