ボールペン同軸×5 本塗り

 先日から色を作成しているボールペンの同軸塗装用の塗色です。

塗色についてはオーナー様に画像を確認して頂いて一部を変更致しました。上の画像の一番左の紫が暗かったもう少し明るい紫に、またジェイドグリーンに関してはキャンディー塗装無しで変更承っております。

配合データをメーカーサイトからダウンロードし、改めて作成し直しました。

 二個手前の画像に比べると左上の紫が明るくなったのが判ると思います。

上段がベースカラーで、下段がその上に塗り重ねる透明な塗料=キャンディーカラーとなります。

今回はご依頼品とは別にうちの色見本用として注型ミニカーと、画像ではちょっと判りませんが小さいアクリル板を一緒に塗装しています。アクリル板の方はキャンディ―カラーを塗らないで仕上げるようにして変化が判るようにします。

同軸の内側両端には細かいネジ山がある為、そこには塗料が着かないようマスキングをしています。

 今回は5色+4色を塗りますが使用するスプレーガンは2丁のみで、塗り終わった物からガンを洗って新たに色を入れていきます。

 ベースカラーの塗装が完了です。

 こちらが今回変更となったトヨタのレディッシュパープルマイカメタリック(カラーコード:9AC)となります。

 右の濃い緑がトヨタのジェイドグリーン:6V5で、

 明るい黄緑がダイハツ フレッシュグリーンメタリック:G57、

こちらはトヨタのチェリーパールクリスタルシャイン:3S7です。

ホワイトパールが入っています。

 ここからは先ほどのベースカラーに塗り重ねるキャンディ―カラーとなります。

これはローズピンクなる色で、ハウスオブカラーでは無く懇意にさせて頂いている塗装屋さんから購入させて頂いている製品です(製品名は良く判りませんが耐候性がハウスオブカラーより高いのが特徴です)。念の為ですがテールランプに塗っている色とは違います(あちらはレッドで、こちらは青味のあるマゼンタ系です)。

こちらはハウスオブカラーのコバルトブルーで、以前W124のエアークリーナーボックスに採用した色ですね。発色がとても綺麗なキャンディーブルーです。

 こちらはバイオレット系のキャンディ―カラーで、ハウスオブカラーでは無い方です。間違えて2リットルも買ったしまった為(原色を、です・・・)、塗装屋人生最期までに使いきれないかも知れません…。ちなみにですが、画像のキャンディーカラーはどれもバインダー(ベースクリアー)で10%程に薄めてあります。

 こちらはハウスオブカラーのグリーン系キャンディーで、少し前にご依頼頂いたS-WORKSのカーボンフレームに使用した色ですね(その時はもう少し青味のグリーンを足しました)。

 キャンディーカラーを2コート程塗布し、クリアーを塗って本塗り完了です。発色が普通の塗装とは全然違いますよね。

 画像で見ると普通の2コートパールメタリックに見えなくも無いですが、実物はキャンディーカラー特有の色の深みを感じられます。バイオレット系のキャディーカラーを重ねています。

 こちらの濃い目のグリーンはキャンディーカラー無しの2コート塗装となります。

 こちらは明るい黄緑色の上にグリーンのキャンディーカラーを重ねた色で、今回一番キャンディーカラーらしさ感じる色味になっているかも知れません。

画像では伝え難いのですが、こちらのトヨタチェリーパールクリスタルシャイン:3S7のキャンディー仕様も中々面白い色味になったと思います。

完成時にはそれぞれベースカラーのみ(キャンディーカラー無し)の物と並べてそれぞれの変化が判るように紹介しようと思います。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!

Mazda Fuel Cap

 マツダ純正のガソリン用フューエルキャップです。軽油用の物には「DIISEL」と「MAZDA」のロゴがありますが、ガソリン用の物にはそれらの記載がありません。

 参考までに、こちらが軽油燃料用のフューエルキャップとなります。

 軽油用のキャップは混油を防止する為にグリーン色に塗装するご依頼が多いのですが、今回はこれのハイオク仕様の塗装となります。

イエローに塗装するご依頼は今までにもありましたが、今回はさらにそれに「PREMIUM」のロゴを入れます。字体は「DEISEL」のフォントにも使用したものを選びました。

プラスチック表面の梨地を#120→”180の空研ぎペーパーで研磨します。

塗らない部分をマスキングし、十分に脱脂洗浄を行います。

樹脂の表面には専用のガスを使って火炎処理を施し、親和力の大きい有機化合物を樹脂の表面にナノレベルで形成してこの後に塗るプラスチックプライマーの密着性を向上させます。

その後2液性のウレタンサフェーサーを塗り、60℃40分程の熱を掛けて硬化させます。

サフェーサーを#320→#400で研磨してラインを形成し、#600→#800の水研ぎでペーパー目を均します。

色は以前施工した時のイエローを参考にして作ります。

再びマスキングを行い、まずはベースカラーとなるイエローを塗布します。

イエローの塗膜を十分に乾燥させたら用意したマスキングシートを用い、ロゴを塗装します。

ロゴは完全な黒では無く、若干白を入れた濃いグレーにしています。

ベースコートが完了した状態です。

最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、さらに数日寝かして完成となります。

最近はセルフ式のガソリンスタンドが増えましたが、こうしておけばうっかり違う種類の燃料を入れてしまう事も防げるかと思います。

今までご依頼頂ている色はグリーンとイエローのみですが、ボディと同色の仕様などでも対応可能です。STANDOXのSPFシルバーを使った金属感のあるシルバーなどにしても良さそうですよね。