LOOKカーボンフレーム 本塗り

look39 こちらもお待たせしました!無事本塗り完了しておりますので御安心下さい。

今回のフレームは以前当店で塗らせて頂いたLOOKのカーボンフレームで、その後に行ったタイのレースで一部を破損してしまったとの事で、カーボン補修されたその箇所の再塗装をご依頼頂きました。ただちょっとそこに巻かれたカーボンの厚みがオーナー様的にちょっと気に入らなかったとの事でそちらの修整もご依頼頂いています。画像はサフェーサーを研ぎ終わった後で、無事変な厚みも判らないようにスムーズなラインに形成出来たと思います。

look40 今回は部分的な塗装で対応しますが、それでも一箇所のロゴにはベースカラーが差し掛かってしまうので対応しなければなりません。幸いにして以前塗装した時のロゴデータが残っていたので完全に同じマスキングシートが作成出来ます。これが無ければ相当大変な事になっていたので本当に良かったです。

look41 そしてこんな感じでマスキング完了です。塗装範囲はもっと大きいですがまずはベースカラーの水色を塗る為にカーボン地が出た部分をキッチリマスキングします。ちなみにロゴのマスキングシートはピッタリ貼る為に水貼りで行っています。髪の毛程度のズレでも目立ってしまうので一発貼りではまず無理ですからね。

look42 そしてベースコートを塗布した状態です。ちょうとボカシ(グラデーションのようなもの)の箇所が「LOOK」のロゴに差し掛かっているのが判ると思います。養生紙に隙間が空いているのはここでベースカラーの線が付かない様にしています。スプレーの方向も絶対にボカす方向には向けないように注意しながら行います。一発でアウトですからね。

look43 そしてカーボン素地部分に貼っていたマスキングを剥がし、クリアーをコートします。ベースカラー(水色)が塗られた部分にはきっちりクリアーは2コート塗布し、ボカシ際にはシンナーを足しながら徐々にボカしていきます。これも一度に希釈するのでは無く2回~3回に分けてスムーズに肌が馴染む様に丁寧に行います。

look44 「LOOK」のロゴもピタリと出来たと思います。もしもデータが無かったらと考えるとゾッとします(カーボン素地が広範囲に出るように削らなければならなかったので)。

look45このフレームの塗り分けはちょっと変則的なのでそれが結構厄介でしたね。最後にクリアーのボカシ際を磨けば、誰が見てもここだけ塗ったとは判らない仕上がりに出来ると思います。

今回のような部分塗装は以前当店で塗った物なので比較的簡単に出来ましたがそれでもフレーム全体を単色で塗り直すよりも費用は掛かっています。当サイト内の「よくある質問」にも記載してある通り、小範囲で収める「部分塗装」は金額的に抑える為のメリットは殆どありません。どうしてもフレーム全体を塗りたく無い場合やそれ以上に費用が掛かった塗装に対してしかやる意味が無いのです。

ちなみに自動車補修の塗装としてはこの「部分塗装」は出来て当たり前ですが、実は難易度は結構高いのです。塗装を覚えたての頃はフェンダー一枚塗るのは出来てもこれは出来ないのが普通だったりします。最初はどうしてもボカシ部分の処理が甘かったりボカシ方が変だったりしてボカシ目が切れてしまったりするんですよね(当然何度も経験済みです・・・)。

ちなみにこれが出来るなら「どのケースでも塗る範囲は小さくて済むんじゃ?」と思いそうですが実は弊害もあって、納めた直後は大丈夫でも後から「ボカシ目」が出てしまったりします。と言うか100%出るんですよ。

なのでこのボカシ目が出ても目で見て判り難い場所を選んで行うのが普通で、例えばプレスラインのような鋭角なライン上や曲線を斜めにするなどちょっとした工夫が必要です。今回のようなボカシ部の面積が小さくなるパイプ状のものであれば殆ど判らないと思います。例えばボンネットのど真ん中でも出来ない事は無いですが後で直した箇所がひどく目立ってしまうのでそれをやる塗装屋さんも少ないとは思います(雇われていて会社でやれと言われたらやらざるを得ませんが)。

こういった「補修」といった作業を行っている塗装屋さんの場合、塗った跡が判ってしまうような仕事は「だったら最初からやる意味が無い」と思う方が多く、やるのであれば同業者が見ても(粗探しをされても)判らないような仕上がりを求めたりします。故にやり過ぎてしまい自滅する塗装屋さんも多かったりするんですけどね(苦笑。精神面で疲れます)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。今週中には完成予定です。もう少々お待ち下さいませ!