BMW K1200GTロア&サイドカウル サフェ研ぎ

 先日ラバーコートを剥がしてサフェーサーを塗っておいたBMW K1200GTのロアカウル(アンダーカウル)です。ガイドコートとして全体に黒をパラパラと塗ってあります。

 このくらいの範囲となると全てを手研ぎでは大変過ぎるので(昔は全て手研ぎでした・・・)、最初はダブルアクションサンダーを使って粗研ぎ(機械研ぎ)を行います。番手は#320です。

昔のペーパーは今ほど研磨粒子が良くなく、#320の空研ぎでは目詰まりが激しかったので最初から水研ぎで行っていたりしましたが(または防水ダブルアクションサンダーに水研ぎペーパーを使うという方法もありました)、近年は#3000でも空研ぎが出来る物も開発され(スーパーバフレックスブラック)、この辺の作業は非常に楽になりました。

曲面はラインを崩したり削り過ぎたりしてしまうので、後で手研ぎでおこないます。

溶着をしてパテを着けた個所は、#240→#320の空研ぎペーパーと当て板を使ってラインを出しておきます。

 こちらも全体を#320のダブルアクションサンダーで粗研ぎします。

 続いて水研ぎです。

ダブルアクションサンダーでの空研ぎはその時の状況によって最終仕上げ(番手)を変えていて、今回はガッツリ水研ぎを行うつもりだったので#320のまま終了しています。水研ぎの作業を楽にしたい場合にはダブルアクションサンダー空研ぎで#400まで行い、さらにクッションパッドなどを併用してペーパー目をソフトに均しておきます。

裏側に飛んだミストは一粒一粒が突起状のザラザラになっているのでこちらもある程度均しておきます。

全面を#600で水研ぎし、その後#800で目消し、最後に当たりの柔らかい布状の足付け副資材(アシレックスレモン)を使って均します。昔は#1000~#1200の耐水ペーパーを多用していましたが、今はアシレックスなどのコシが柔らかく研磨粒子が均一になったタイプの副資材が登場した事で殆ど使わなくなりました。

多少裏まで回り込んで塗るようにするので、フチから裏側も足付けを行っておきます。最後に水で洗い流して洗浄し、本塗りの日までは安全な場所(工場二階もしくは屋根裏)に保管しておきます。

次はその他の傷物部品の下地処理となります。まだまだ先は長いですが、大分前から受付制限をさせて頂いたお陰で予想以上にスムースに作業が進行しております。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

AMG Brembo Brakes

メルセデスベンツW211 E63 AMGのブレンボキャリパー一式です。

 元々あるロゴはストレートのタイプで、

 今回はこれを新しいタイプのカーブしたロゴに変更で承りました。オリジナルの物を参考にデータを作ります。

 作成したロゴをプリントアウトし、

切り取ってキャリパーに合わせて確認します。上のフロントキャリパーは鋭角なカーブで、下のリヤキャリパーは緩やかなカーブとなっています。

車型色見本 塗装

色に関しては、以前8ポッドの新品キャリパーで確認していた赤を採用します。

 いつものブレーキ屋さんにて洗浄&サンドブラスト処理を行って頂きました。

ブレーキキャリパーの下地処理についてはそれ専門の方に委託してお願いしています。詳しくは以下の記事をご参照下さいませ。

ブレーキキャリパーの下地処理

 その後ペーパーを掛けて表面を研磨し、

 良く脱脂清掃後、

 プライマーを塗布します。

 ボルトで固定する箇所には膜厚を着けたくない為、ベースコートの黒のみを塗って塗膜の厚みを抑えます(元々ここはブレーキ屋さんからの指示で塗装していなかったのですが、そのままだと腐食してしまうので今はこうしています)。

 ここで改めて各部をマスキングします。

 赤が隠ぺいし易いよう、下色を塗ります。

 ベースコートの赤を塗布後、十分に乾いてテープフリーな状態になったらロゴ入れの塗装を行います。

 ロゴは黒で塗装しました。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。

 その後60℃40分程の熱を掛け、さらに数日寝かしたら完成となります。

  後日オーナー様からは、「ひとつの梱包をほどいて仕上がったキャリパーを拝見致しました。大変きれいに仕上がっており、部屋に飾っておきたいほどの出来でした。ありがとうございました。」といったお言葉も頂戴しました。こちらこそこの度のご依頼、誠に有難う御座いました!