SUBARU LEGACY Grill

 スバルレガシィのフロントグリルです。

塗装するのはメッキ部品のみで、土台の黒い部分は塗りません。

 自動車部品に施されているメッキは殆どが装飾クロムメッキで、耐摩耗性・耐蝕性に優れる反面、塗装がし難い素材となります。

それ故に下地に「密着剤」といったスプレー糊のような物を使って塗装される事が多いのですが、そういった方法で塗装された塗膜は経年で劣化して剥がれたり、また十分な密着性が保持出来ていないので他の部品に比べて飛び石による傷が多く見られます。

 ですので当店ではそういった密着剤の類は使用せず、塗料本来の性質で塗膜が密着するよう、メッキ素地用の下地処理を施した上で「下塗り・中塗り・上塗り」を行っています。

 ただしその分手間と時間が掛かる為、通常の素材(鉄やアルミやプラスチック)に比べるとどうしても下地処理費は大きくなってしまいます。何卒ご理解下さいませ。

 中塗りは通常のウレタンサフェーサーとなる為、こちらはいつも通り研磨して下地を平滑に整えます。黒い点々は研ぎ具合を確認する為のガイドコートで、サフェーサーの研磨は空研ぎ・水研ぎどちらかをケースバイケースで行います。

 最初は#320~#600でサフェーサーの肌を平滑に研磨し、

 最終番手は#800~#1200程でペーパー目を均します。

 ベースコートにはスバル純正色の「クリスタルブラックシリカ」(カラーコード:D4S)を塗り、クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」を使用しています。

クリアーはオプションで変更が可能で、STANDOX社のクリスタルクリアーは高美観・耐UV効果・耐擦り傷性・耐薬品性などに優れたクリアーです。宜しければ併せてご検討くださいませ(半艶・艶消しには対応しておりません)。

この後一日常温で自然乾燥させ、その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させます。

 さらに数日寝かしたら完成となります。

 グリル本体に組み付けを行いました。

 尚、簡単な分解や組み付けはサービスで対応しておりますが、その際に生じた破損等には補償が出来ませんので、ご懸念の場合にはお客様自身で分解し、塗装する部品のみをお預け頂けますようお願い申し上げます。

遠目だとソリッドカラーの黒に見えますが、近くで見ると粗目のメタリックやパールが入っているのが判ると思います。

 自然光で撮影した画像です。

 メッキ素地に密着剤を塗って直接上塗りを行えば作業は非常に楽なのですが、一度剥がれて来ると再塗装は難しくなるので(部品の交換となる為)、塗装を検討される場合には見た目だけでは無く下地処理の作業内容なども調べる事をお勧めします。

時々「クリアーの硬度が云々」といった事を聞きますが、それは塗装の密着性には関係がありません。また日産のスクラッチシールドやメルセデスのナノクリア―は樹脂を軟質性にして傷を付き難くしたり復元したりします。硬さ=塗膜の強さと勘違いをしないように気を付ける必要があるかと思います。

Maserati Remote Key

 マセラティの純正リモコンキーです。

 純正のリモコンキーは未塗装の着色樹脂の為に質感が悪く、また成型時に出来た歪も強いのが特徴です。

 これの一番のネックがカバーの分解で、純正のリモコンキーはまずエンブレムを外さなければなりません。

ただしエンブレムと本体の間に隙間は殆ど無く、また七宝焼のエンブレムは貴重な為、本体を傷付けてでもこれを無傷で取り外す必要があります。

さらにカバーは内部の三か所で爪が引っかかっていて、その内二カ所はどうやっても見えない部分にあるので壊して外す事となります。

唯一生かして外せるのがこの箇所の爪で、ただしその横には電子基盤があるので作業には注意が必要です。やってみると判るのですが、まずこれを分解しようと思った時点で心を折られます。

 破損した爪はそれぞれ回収し、

プラスチックプライマーを塗布後、エポキシ接着剤で元の位置に取り付けておきます。

 分解については塗装の付帯作業と言う事でサービスで対応しておりますが、それだけに破損・故障等の補償はありません。今までトラブルはありませんが、ご懸念の場合には分解はご自身でされる事をお勧め致します。

 深い傷はありませんが、このまま塗って艶だけ出すと製品自体の歪が余計に目立ってしまう為、まずは素地調整から行います。

 #120から粗研ぎし、#240で均します。

ペーパーが入らない箇所はリキッドタイプの研磨材(ウォッシュコンパウンド)とナイロンブラシで足付け処理を行います。

 窪みにサフェーサーを塗るとエンブレムが入らなくなる恐れがある為、そこはマスキングをしておきます。

 反対側も同様に、ボタン部分と鍵のスライド軸部分をマスキングします。

プラスチックプライマーとサフェーサーを塗布し、 60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させます。

 #600→#800で細かいラインを形成し、マスキングを貼り直していよいよ本塗開始です。

 プラスチック素地が露出した箇所には再びプラスチックプライマーを塗布します。

 ベースコートの黒を塗り、クリアーを塗って本塗り完了です。

クリアーは高品位なタイプのSTANDOXクリスタルクリアーで、通常使用する同社イージークリアーに比べ高美観・耐UV効果・耐擦り傷性・耐薬品性などに優れています。今回のような直接塗装面に触れる物にはお勧めのクリアーです。

再び60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、数日寝かしてから組み付け作業を行います。

そして完成です。

完成後、オーナー様からご感想のメールを頂きましたので以下に紹介をさせて頂きます。


「本日、キーが手元に届きました。
まるで濡れているかのような美しい深い艶、樹脂製であることが信じられないような圧倒的な質感と、どこまでも滑らかな触り心地に感動です。
毎日使う物や直接手に触れるものは心地よいものであるべきと常々思っていますが、これは紛れもなくそうした物となりました。
なお、リモコンの動作も全く問題ありませんでした。面倒な分解と組み立てをして頂き、有難うございました。
作業の依頼をして良かったと心から思っております。また機会がありましたらよろしくお願いいたします。」


こちらこそこの度は当店をご利用頂き誠に有難う御座いました。またわざわざご感想・ご報告も有難う御座います。

Evolution Engine Cover

ランサー用の純正マグネシウム製ヘッドカバーです。

こちらはいつもお世話になっている業者様からのご依頼で、掲載の承諾を頂きましたので施工例として紹介させて頂きます(ただし途中工程は撮影していなかったのでかなり抜けております)。

 結晶塗装としては初めての「ピンク」となります。

色の構成は比較的単純に、赤と白の結晶塗装用塗料を混ぜて作っています。

 その後熱を掛けて塗膜を硬化させ、凸部を研磨して光らせました。

 マグネシウム合金素地が露出した個所にはウレタンクリアーを筆で塗って腐食の進行を遅らせています。

 当初は結晶塗装では無く「ピンククラウンのような艶あり仕上げで」といったご希望だったのですが、これを全面サンドブラスト処理し、エポキシプライマーサフェーサーとウレタンサフェーサーを塗って研ぐ(!)と言う作業は余りにも高コストになってしまう為、ある程度素地の状態が悪くても美しく見せる事が出来る今回の「結晶塗装」を選んで頂きました。

ちなみに製品が完全な新品であれば、旧塗膜は剥がさず足付け処理だけしてそのままウレタン塗装を行った例もあります。↓

ランエボヘッドカバー塗装 完成

通常の塗装(ウレタン塗装)のようにとは無理ですが、「大体こんな感じで」といった色への調整は対応可能ですので、お好みの色をご検討頂ければと思います。

KTM RC390 Windscreen

KTM RC390のスクリーンパネルです。状態は新品で、全面にスモーク塗装を承りました。

 自動車のテールランプと違って反射板が無い為、そのままマスキングをしてしまうと塗っていてスモークの濃度が判らない為、こういった場合は反射フィルムか透明のフィルムを使ってマスキングをします。

被塗面を#1300で足付け処理を行い、プラスチックプライマーを塗布します。

 黒を添加したベースコートで濃さを調整し、クリアーを塗って本塗り完了です。

今回は10段階中3~4程度、当店で設定する濃度だと「極薄めと薄目の中間」~「薄目」くらいで承りました。

 その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、必要に応じて磨き処理を行い数日寝かしたら完成となります。

 当店で通常使用するクリアーはSTANDOX「イージークリアー」で、オプションで高品位なタイプの同社「クリスタルクリアー」に変更が可能です。クリスタルクリアーは高美観・耐UV効果・耐擦り傷性・耐薬品性などに優れています。

スモーク塗装を美しく仕上げる為には、ムラとダマの発生を極力出さないよう薄めたスモーク層を何度も塗り重ねて仕上げます。

一度に膜厚を着けようとすると部位によって濃淡が変わってしまい、美しい塗膜にはなりません。

 真っ黒なスモークならムラは目立ちませんが、上品さを求めた薄いスモークにするには時間を掛けて丁寧にコート数を重ねる必要があります。

ただし殆どの場合で塗装費用は新品部品の金額を上回ってしまう為、既にスモークになった既製品があればそちらを購入した方が安く済むと思います。そこに希望する濃さが無かったり、そもそもそういった物が売っていないと言う場合にご相談を頂ければと思います。

SUBARU Impreza Shift Panel

スバルインプレッサの純正シフトパネルです。同じ部品でもご依頼内容には幾つか種類がありますので、今回はそちらを紹介したいと思います。

通常は中央部分がシルバーに塗られていて、塗装するのはその箇所のみとし、周りのシボ模様になっている部分はそのままとします。

尚、上の画像ではオーナー様自らシルバーの塗装をペーパーで削り落としていますが、こうする必要はありません。むしろ深いペーパー目が入ると別途下地処理費が必要となってしまいますのでご注意下さいませ。

 こちらは半艶黒仕上げです。

 こちらは艶消しの黒となります。

こちらは「艶ありの黒」でご依頼頂きました。

 他にはこういった純正の状態で全体がシルバーに塗られている物もあったりして、

こちらは見本としてお預かりしたAVパネルの端に塗ってある「ガンメタリック」の近似色への塗装と言う事でご依頼を頂きました。

 全体をガンメタで、またクリアーは半艶で仕上げています(右のパネルは純正のままとなります)。

インプレッサシフトパネル塗装こちらは半艶の黒で、

こちらも半艶の黒です。

こちらは艶ありの黒となります。

 こちらはスバルでは無く日産フェアレディZのシフトパネルですが、こういった物でも、

薄いスモークとクリアーを塗装する事で、イルミネーション部の透過を残したまま艶のある仕上がりにする事も可能です。

塗装は工夫次第で違った表現にする事が可能なので、色々と想像を膨らませてお好みの仕様をご検討頂ければと思います。