ゼンハイザーマイク 本塗り

mic70 こちらもお待たせしました!ゼンハイザーのマイクe935も本塗り完了しております。色はキャンディーレッドで承っていますのでテールランプと一緒に塗ろうと思っていましたが、比較的似た色のドルフィンアンテナの塗装があったのでそちらと一緒に行っています。

こちらの素材は本体はアルミでグリル(網)は多分スチールですが、どちらも新品の状態で塗装済みとなりますので、下地処理としては#800(相当)で足付け処理だけして本塗りが可能となります。

mic71 上に塗る透過性のレッド自体はテールランプの塗装で使っている物と同じですが、今回のような物は素材が透明な訳ではありませんので、まずは下地にシルバーを塗ってからの塗装となります。ベースに使っているシルバーは大抵VWのシルバーアローメタリック(カラーコード:LG9R)を採用しています。理由はニュートラルな色味と丁度良いメタリックの粒子感で、しかも使われている原色は1種類のみ(笑)と言う簡単な物だからです。STANDOXの原色MIX811のみで構成されています(ただし他に複数色が使われた配合データもありますが。

mic72そしてその上に透明な赤(=キャンディーレッド)を塗り、さらにクリアーを塗って本塗り完了です。

キャンディー塗装が鮮やかで且つ深みのある色に見えるのはそれ専用の塗料を使っていると言う事ももありますが、一度赤を通り抜けた可視光線が下のシルバーに反射し再び目に戻って来るという事から普通の塗装とは全く違った表現が出来るのです。これが完全隠蔽してしまう赤だったらこうは見えませんからね。ちなみに下地のシルバーをガンメタみたいに少し暗くしたり、または鏡みたいなメッキだったりするとまた違った見え方になります。塗装で表現する「ブラックメッキ」なんかはそうですかね。

それではこちらも完成次第改めて紹介させて頂きます。もう少々お待ち下さいませ!

ドルフィンアンテナ 本塗り

antena47 こちらもお待たせしました!ビートソニック社のドルフィンアンテナは無事本塗り完了しておりますのでご安心下さいませ。

パーツは未塗装のABS樹脂で、ただ全体的に塗装肌のような凸凹があったので空研ぎ#320→#400、水研ぎ#600→#800の素地調整を行っておきました。

antena48 ABS樹脂は比較的塗装と相性の良いプラスチックで、プラスチックプライマーの塗装無しでそのまま直接上塗り塗装を行っても大丈夫だったりするのですが(多分ですが昔のDUPONTのマニュアルにはABSはPPプライマー不要と書いてあったと思います)、それの理由としては「溶剤が適度に樹脂を溶かして密着する」と言う事だと思います(間違っていたらすいません。ちなみに現在はABSでもプライマーは必ず塗っています)。

ただそれだけに溶剤が素地を侵してしまい(溶かしてしまい)若干の艶引けを起こす場合があります。またパソコンの外装パーツに使われているABSは何故か耐溶剤性が低く、いつも通りに塗装をすると激しく素地が侵されてしまう事もあります。混合されている樹脂(アクリロニトリル・ブダジエン・スチレン)の比率が微妙に違うのかも知れませんね。

antena49 今回は【標準コース】でご依頼を頂いていますので塗装後には磨き処理をしますが、【お任せコース】の場合には塗ったそのままの仕上がりになりますので、その場合は出来れば「塗装済み品」を購入される事をお勧めします。ABS樹脂素地そのままに塗りっぱなしだと若干艶が引けた仕上がりになってしまう恐れがある為です。尚、実際には「引けた」訳ではなく素地が溶けて荒れている感じで、これが酷くなる場合はやはり一旦サフェーサーを塗って強固な下地にしたからの本塗りが必要になります。サフェーサーは素地を平滑にする役目もありますが、シール性(耐溶剤性)も担っているのです(ラッカーサフェでは多分無理ですが)。

それでは完成しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

アテンザパドルシフト デカール文字作成

atenza45 先日分解が完了したマツダアテンザの純正パドルシフトです。素地がザラザラとした梨地なのでそれを平滑にする下地処理を行わないといけないのですが、その前に後で再現するプリント文字をデータ化しておきます。

atenza46 プリント文字の位置については画像として何枚も撮影していますが、こんな感じにパドルシフトの形に合わせたマスキングシートに直接位置を記しておく事がとても有効です。画像だと曖昧になってしまう水平もこれなら簡単に出せますからね。

atenza47 そして文字をデータとして作り、とりあえずコピー用紙に印刷して元の物と比べてみました。一見なんて事は無いのですが、これでも結構手を加えています。

一応文字色はまだ保留中で、そちらが決定次第デカール作製専用のドライプリンターで印刷したいと思います。何よりこれでこの文字が消えても大丈夫ですから、これでようやく下地作業が出来るのです。

実は少し前に、新車の自転車フレームを「既存の塗膜は全部剝がし、元のデザインの通りにハイクオリティな状態で元通りに塗装して欲しい」と言う御依頼を承っていまして、ただ実はそういった作業は結構大変な事なのです。

既存の塗膜を剥がしてしまうと元のデザインは目前から消えてしまう訳でして、かといって撮影して画像で残すくらいでは参考程度にしかなりませんから、ロゴの形や位置は勿論、2トーンカラーのデザインや配置まで全てミリ単位で一旦データ化し、実物の無い状態から資料だけで元の通りの実車のカラーリングに戻すような作業なのです。まさに試作車を作るような感じですかね。本当に大変でした・・・。

ちなみに何故そんな事をしたかと言うと、既存の新車塗膜は仕上がりが悪く(・・・)、かといってそれを塗り直してしまうとそこの自転車屋さんに出入りが出来なくなってしまう(!?)と言う理由から、そのフレームを見てそこのお店の人(多分それを塗った方)が見ても、塗りなおした事が判らないようにする必要があったのです。何だか凄い世界ですよね(怖)。

atenza48そしてこちらはスモーク塗装で承っておりますシフトパネルです。素材はテールランプ同様アクリル樹脂で、次のテールランプの塗装のターンと一緒に本塗りをする予定です。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々御待ち下さいませ!

BMWパニアケース蓋 塗装承ってます

bmw400先日到着しておりました、BMW R1200RTに取り付け予定の社外品パニアケースの蓋の左右セットとなります。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容としては、パニアケースを上下で分割しているプレスラインの「山」の部分より上をBMW純正色の「ALPINWHITEⅢ」(カラーコード:751←MOTOカラーのコードです)で、下側を既存の樹脂色に近い色味の「艶消しグレー」で承っています。

bmw401ちなみにいつもであれば「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった下地処理を行って平滑にしてから上塗り塗装を行いますが、今回の製品は素地のザラザラが非常に細かいので、まずはまず全体を艶消しグレーで塗装し(勿論2液ウレタンの艶消しクリアー仕上げ)、しっかり完全硬化させた後にプレスラインより上側を今度は「艶有りのアルピンホワイトⅢ」で仕上げます。
下側の艶消しグレーは多少なり素地のザラザラの影響があると思いますが、仕上げ自体が艶消しなので殆ど気にならないレベルかと思います(ただし純正の梨地は比較的粗いのでこれには当て嵌まらないか)。

尚、上の画像を見ていただくと判るように、パニアケース後方についてはプレスラインが存在しませんが、ここは表面のラインからそのままフチまで直線的に通るようにして自然な感じになるようにしておきます。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!