ブレンボブレーキキャリパー(6&4ポッド) 本塗り

 先日お預かりしておりましたブレンボの6ポッド&4ポッドのブレーキキャリパー一式です。

いつものブレーキ屋さんにて既存の塗膜をサンドブラストで剥がし、洗浄&シール・ブーツ類の交換も終わって戻って来ました。

最初の状態と、ブレーキ屋さんでの作業内容の概要については以下ページで紹介しておりますので宜しければご参照下さいませ。

ブレンボキャリパー一式 塗装承ってます

その後全体を#120~#180のサンダー&手研ぎで処理し、

 脱脂清掃~ブース内にセットして本塗り準備完了です。

まずはプライマーを塗布します。

その後ブラケットとボルト固定の当たり面に黒を塗り、マスキングをします。

今回は隠蔽の悪いイエローなので、まずは下塗りとして白を塗り

さらに隠蔽の高いイエローを塗って、最後にフェラーリ純正色のGIALLO MODENA(カラーコード:4305)を塗ります。

いきなりGIALLO MODENAから始めると隠蔽させるまでに7コート程必要ですが、こうする事でベースコートは4コートで済みます。また念の為最初の白には硬化剤も添加してあります(通常STANDOXはベースコートに硬化剤は必要ありません)。

ベースコートが十分に乾燥しテープフリーな状態になったらロゴ入れのマスキングを行います。

 元のロゴは上のラインギリギリでちょっと格好悪かった為、1ミリ程下げておきました。

ロゴの色は前回施工したF50のキャリパーと同様、ロッソスクーデリア(カラーコード:323)を採用しました。

ロゴ入れの塗装が完了し、

 クリアーを塗って本塗り完了です。

マスキングが一部変わっているのは途中で貼り直したからで、

 塗装していると溶剤でふやけてしまい端が浮くので何個かは貼り直しています。

ちなみにキャリパーは塗り方に少し工夫をしていて、

最初の1コートは硬化剤、シンナーも早めで、

2コート目には硬化剤を遅いタイプに変えています。

具体的に言うと最初のコートでは硬化剤を5-25、二度目は15-30にして伸びを良くして仕上りを美しくするようにしています。この時期(気温が25度くらい)に硬化剤が5-25では肌が荒れ過ぎる恐れがあり、ただ最初から15-30だと垂れる可能性がある為ですね。

実はこの方法、DUPONTで習った時代にはタブーとされていたのですが(デモンストレーターの方からはそう言われて来ました)、その後STANDOXに代わってデモマンの方も変わると「・・・え?」と言う事で、普通にやって良い事になりました(笑)。

ちなみに硬化剤にはMSやHSなど種類があるのでそれが混ざるとマズイのですが、共通していれば「主剤2:硬化剤5-25:硬化剤15-30」=「2:0.5:0.5」と言う方法もアリだそうです。

今まで私が使ってきた塗料は、職業訓練校では関ペとシッケンズ、その後ディーラーではPPG・DUPONT、その間にアルバイトで行っていた町工場ではDUPONT・ロック・関ペ、そして独立してからはDUPONT・STANDOXと、色々なメーカーの塗料が使えて結構恵まれた環境にあったと思います。

それでは完成次第改めて紹介しますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BASSO自転車小物パーツ塗装 完成

 大変お待たせしました!BASSOの自転車フレームに取り付け予定の小物部品一式、フォークのロゴに合わせた艶消しゴールドのい塗装で完成となります。

それぞれのパーツ毎に最初の状態を紹介していきますね。

ステムキャップは元々艶ありの塗装が施されていて、ただその後左の黒い部品はどうも塗装っぽく無いという事でサンドブラスト処理を行っての下地処理としました。

 ちょっと向きが逆になってしまっていたのですが、左が赤で右が黒だった部品です。

奥にあるのはシートポストのキャップで、

こちらは黒アルマイト仕上げだった物を、やはりサンドブラストで全体を足付け処理し、その後プライマーを塗って上塗り塗装を施しています。

 内側はアルマイトを残すような処理としていますので、装着した後に塗膜が固着して外れない!と言う事は無いようにしています。

 そしてボトルケージです。

こちらは元々未塗装の黒い樹脂素地状態だった物で、

 ロゴの部分を削り落とし、全体に足付け処理を行ってプラスチックプライマー塗布後に上塗り塗装を行っています。

 元々の表面は若干の梨地(ザラザラ)になっていましたが、艶消し仕上げなのでそれも目立たなく仕上がっていると思います。

 そしてこちらはフォーク上部に取り付けるスペーサーで、

元々カーボン素地つや消しクリアー仕上げだった物を、

 他の部品と同様に、ロゴの色に合わせたゴールドの上に艶消しクリアーを塗って仕上げています。

今回のような自転車用の小物パーツは、後で部品の交換や追加があった場合、「これも同じ色にしたい!と言う時に塗料を残しておくと便利です。特に隣り合う部品、ボトルゲージなど2つ揃えた時に微妙に色が違うのは余り宜しくありません(むしろ違う色にした方が良いです)。

事前にご用命頂ければタッチアップ&再塗装時の為の塗料を小分けしておく事は可能ですのでお気軽にご用命くださいませ(ただし有料です)。

ちなみに車の場合は色番号が存在するのでこの必要はありません。調色作業を行った場合は必要ですが、配合データから作成している色であればいつ作っても同じ色が出来ますのでわざわざ取っておく必要は無いのです。

バイクの場合はこの配合データがある場合と無い場合が「3:7」くらいで(私的見解です)、自転車のフレームカラーはほぼありません。「ほぼ」と言うのは実は無い訳では無く、ビアンキのチェレステなどはSTANDOXに配合データが存在していて(!)、しかも1960年と言うヴィンテージ物です(笑)。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座いました!

SPIVVY Titan Glass Frame

先日お預かりしておりましたSPIVVYのチタン製メガネフレームですが、日常的に使っている物なので出来るだけ早く仕上げて欲しいという事で、納期指定のオプションを付けて頂き早めに作業を行っておりました(納期指定のオプションは有料となります)。

メガネの分解についてはサービスで行っておりますが、部品の破損や紛失などには補償が御座いませんので、ご懸念の場合には塗装する部品単体の状態にしておいて頂けますようお願い申し上げます。

 塗装が十分に密着するよう、素地調整としてサンドブラスト処理を行います。

 ツルツルした金属表面を荒らす事により、被塗面積を確保すると共に塗膜の投錨効果を期待します。

 よく脱脂清掃し、

 マスキングをして、

 プライマーを塗布します。

 その後軽くサンディングをし、

 再びマスキングをやり直したら、

 塗り易いよう各部を固定していきます。

 チタン素材のフレームは可動部にワッシャーが入る為、その個所はマスキングをしておきます。

 また予備用のネジからサイズの合う物を探し、

 ネジ穴に挿し込んでマスキングをしておきます。

 台にセットし、

最終脱脂を行います。

 ちなみに通常であればこの部分も一緒に塗装して最後にカッターで塗膜を剥がすという方法でも良いのですが、今回はここにワッシャーがフランジ状になっていて、穴の中に塗料が付くと恐らく入ら無くなってしまうので、それを防ぐ為の事でもあります。

 マスキング用に使うネジは予備用の為、一緒に塗ってしまっても構いません。

 まずは下色として通常のシルバーを塗ります。具体的にはVWのリフレックスシルバー(カラーコード:LA7W)を使っています。

そしてさらにリキッドシルバーを塗り重ねます。

リキッドシルバーはSTANDOXの塗料で、以前車の塗装をしていた頃に一度バイクのカウルに塗っていて、その後は使う機会が無かったのですが社外記の方で紹介した所、こちらのオーナー様が大層気に入られたようなので今回のメガネの塗装にご指定を頂く事となりました。

塗料については以下社外記のページで紹介しておりますので宜しければご参照下さいませ。

STANDOX (幻の)Liquid Silver

 また今回は色見本用のキーホルダーの作成も承っておりましたので、そちらも並行して作成しています。こちらに関しては後日社外記でも紹介したいと思います。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。

 クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」となります。

クリスタルクリアーは高美観、耐擦り傷性、耐UV性、耐薬品性などに優れたクリアーで、塗装費用の10%~20%の追加費用でこちらに変更可能です。

 その後60℃40分程の熱を掛けて強制乾燥硬化させ、さらに数日寝かした後に組み付け作業となります。

 そして完成です。

色はリキッドシルバーですが、

  こうやってみると普通の青味掛かったメタリックで、

どうみても派手には見えません。

   普通の高級な塗装と言った感じだと思います。

 ただ、一方向からの強い光源下だと、

先ほどの状態からは考えられないような色変化を起こします。

  決してラメ(粗目のメタリック)と言う訳では無いので普段は派手さな無く、

また明るい場所でもそんなに大きな変化は無いのですが、

 一直線の強い光に当たった時だけレインボーな輝きを発します。

 そもそもはこれを自動車のボディに塗装する事を前提として考えているので、常に派手になるような塗色では無く、敢えてこういった特徴を持たせているのだと思われます。 特にSTANDOXはカスタム塗装と言うよりかは補修塗装(板金塗装)をメインとしていますしね。

ですので基本的には上品さを優先とし、

ある条件下だけ特殊な何かが発動する!みたいな味付けにされているのだと思います。

塗料自体はもう手に入らない物で、また量も限られているので対応出来る物は限られていますが、今回のようなメガネフレームであればお受付は可能です。詳しくはお問い合わせくださいませ。

 また今回はメガネフレームの塗装と一緒に色見本型キーホルダーの塗装製作も承っていました。

単体での製作・塗装は承っておりませんが、今回のように「ついでに」と言う事であればご依頼承ります。宜しければ併せてご検討下さい。

こちらについては後日社外記の方でも紹介したいと思います。