トヨタ1ZZヘッドカバー 凸文字接着

 先日お預りしておりましたトヨタ1ZZのヘッドカバーです。ブルー系の結晶塗装と、新たに凸文字化をご依頼頂いていた案件となります。

 今回の凸文字はオーナー様自らステンレス製の物をご用意して頂きまして、裏側はペーパー掛けをしておいていただいているのですが、「側面」は未処理だったのでサンドブラストで足付け処理をする事にしました。

 ガムテープを貼った段ボールに、裏返したステンレス切り文字を貼り付け、

 側面にサンドブラストを当てます。

アルミならリン酸処理でOKだったのですが、ステンレスの場合はそれは効かなく、ただこれらをペーパー掛けするのは余り現実的ではありませんからサンドブラストを行っています。バレル処理が出来ればそれでも良いですかね。

シンナーで洗って脱脂清掃をしました。

光っている方が表側で、ブラストが当たったいる方が裏側=接着面となります。

 ヘッドカバーは油っぽかったのでこちらもシンナーで洗い流すようにして脱脂清掃し、その後リン酸を使って化成処理を行っています。

 パイプボルトはシーラーが着いていたので外さずに作業をしたのですが、一緒にリン酸を掛けたら表面の被膜が取れてしまいました・・・。ですのでこちらもヘッドカバーと一緒にプライマーを塗り、艶消し黒で塗り直しておきます(ちなみに一緒に行ったR32用HKSのタペットカバーの方は大丈夫でした。落ちたのは黒色クロメートでしょうか・・・)。

 そして文字の貼り付けですが、しっかりとした位置出しが出来るよう、マスキングシートを作る事にしました。

今回のご依頼にあたって、オーナー様から(恐らくレーザーカットで使った)ベクトルデータをご提供頂いていたので、それを0.3mm程オフセットして大きくしたマスク型を作製します。

 それを指定の位置に貼り付けます。

 文字の右端をホースパイプ取り付け部の左側に合わせ、文字の上下を塩梅の良いところにし、水平に貼り付けます。

「YO」の下の部分と「16」の上の部分が若干平面部分を越えた為、ここで隙間が出来る事となりますが、こちらは接着剤で埋めるようにして対応します。

 実際に切り文字を置いてみて確認します。

 接着には高強度なエポキシ接着剤の3Mオフホワイトを使います。

 切文字の裏に万遍無く塗り込み、

 マスク型の0.3mm内側に貼るようにします。

ちなみに本件とは関係ありませんが、偶然にも現在「RB26」を「RB28」に変更する作業も並行して行っています。そちらもブルー系結晶塗装です。

 それぞれの位置が決まったらマスキングテープで仮止めし、このまま60℃20分程の熱を掛けます。

 その後すぐに恒温器(乾燥炉)から取り出し、余分をカッターで取り除きます(冷えるとカチカチになってカッターごときでは刃が立ちません)。

 ある程度隙間が空いている箇所があるので、

 そこにはエポキシプライマーサフェーサーを充填します。

 念の為とか考えていたら、結局ほぼ全周に筆指ししていました。

 刷毛目は残りますが、結晶塗装なのでこの辺はそのままで大丈夫です(艶々仕様の場合はこれらの処理が大変です)。

これで凸文字の貼り付けは完了です。

この後は再び(何かの序でに)熱を入れて硬化させ、後日タイミングが来たら本塗りを行う予定です(まだもう少し先になるかと思います)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ち下さいませ!