ロジクールワイヤレスマウス 下塗り②

 先日、クリアーと適当な下色(VWハーベストムーンベージュ)を塗っておいたLogicool G PRO wirelessのマウスです。その後熱を入れて塗膜を硬化させておきました。

 前回ご依頼を頂いたピンクの時は、この時点ではクリアーだけの下塗りだったのですが、今回はマスキングシートの型が出来ていたので少しでも楽に且つ綺麗に仕上げられるよう白系の下色を塗っています。

尚、ここでは「G」の部分を平滑にする為と、目立たないのですがカバーパネルにあるパーティングライン(4箇所)を均す為の作業となります。本来ならサーフェサーを塗りますが、透明なそれは無いのでクリアーで代用しています。カーボン地を活かした塗装にする場合と同じですね。

 「G」の箇所を#800→#1500耐水ペーパーと砥石を使って段差を平滑にします。

 また被塗面全体を#800相当(アシレックスレモン)で足付け処理しています。

 ここからのマスキングは本番となるので、正確な位置に貼れるようトレース台を使います。

 元の黒が食み出ていますが、オリジナルのサイズを極力そのままで残したいのでこの時点ではこれでOKです(むしろサイズが小さくなってしまう方がNGです)。

インジケーターランプは直径が1ミリで、これについては市販のマスキングシート(ハイキューパーツさんの1.0mm~2.8mmのタイプ)を使います。本当はこれより小さい円にしたいのですが、カッティングプロッターだとこのサイズでは綺麗な円に切れないのでダメなのです。

前回の下塗りでは直径1.2mmを使っていて、今回は本番用の1mmとなります。こちらもフチの黒が残っているのが判ると思います。

 「G」のロゴは前回はオリジナルより+0.1mmオフセット(大きくした物)を使っていて、今回はノーマル(オリジナルサイズ)のマスキングシートを使います。

 台にセットし、下塗り準備完了です。

マスキング前に脱脂処理は行っていますが、マスキングシートが貼って無い部分を最終脱脂しておきます。

 同じく下塗りをしておいたサイドボタン8個も足付け処理を行ってあります。

 まずはカラーベースの塗布です。

色はトヨタのクールホワイトパールクリスタルシャイン(カラーコード:0751)で、こちらは3コートホワイトパールとなるので、まずは下色=カラーベースの白からとなります。青とバイオレットが入った白となります。

 しっかり下地を隠ぺいしたら、再び工場二階に場所を移します。

 マスキングを剥がしました。

 この時点ではどうしても塗膜(ベースコート)が厚塗りになり、マスキング際がガタガタになっていますから、この時点で軽くペーパーを当てたりタッククロスで擦ったりして均し、改めてマスキングをし直します。

 「G」のロゴはさらに小さく、オリジナルに対して-0.05mmオフセット(小さく)した物を使います。

 インジケーターランプも同様にマスキングシートを貼り直します。

 そしてマスキングし直した箇所に薄っすらと再びカラーベース(白)を塗ります。ここではあくまでも際のガタガタを均したいだけなので薄目でOKです。

 カラーベースが乾いたら、再びマスキングを貼り直します。今度はオリジナルに対して0.1mmオフセットしたマスキングシートです。

 インジケーターランプのマスキングも貼り直し、

 パールベースを塗布します。

 パールベースには、輝きの強いホワイトパールと、同じく輝きの強いブルーパールがほぼ同量入った配合となっています(その他バインダー=樹脂も含まれます)。

 マスキングシートを剥がしました。

そしてクリアーを塗って下塗りが完了です。

内容的には本塗りと変わらないのですが、今回はこれにさらにロゴ入れ(赤)を承っていて、さすがにそれを同時に出来る自信は無かったので別工程にする事にしました。

 クリックボタンにもロゴが入るので、これらもまだ下塗りです。後日熱を掛けて塗膜を硬化させ、再び足付け処理を行います。

 サイドボタン×8はこの時点で本塗りが完了です。これだけでも少し救われました・・・。

クリアーはクリスタルクリアーとなります。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

 

ちなみにワイヤレスマウスの塗装は一個ずつでの作業となる為、現在お預かりしておりますオリーブドラブ色のマウスの次となると、作業着手はおよそ七か月後、完成は1年くらいが目安となります。ご迷惑をお掛けして申し訳御座いませんが何卒ご理解、ご了承の程宜しくお願いいたします。