メガネフレーム塗装承りました

こちらは本日到着したメガネフレームで、お問い合わせ自体は結構前から頂いておりましたが塗装するに関して色々調べなければならない事があったのでオーナー様には色々と尽力頂きました。改めましてこの度のご依頼、誠にありがとう御座います!

今回は恐らく初の「ナイロンワイヤー」が使われたタイプです。実は私のメガネもいつもこのタイプで、レンズを固定するフロントフレームは上半分だけしかなく、下側は太いナイロン製のテグスで固定されています。レンズを外すのは難しく無いのですがそれがついたまま塗るとなると仕上がりに影響が出ますから、これを一旦外して綺麗に元に戻せるかどうかがネックでした。で、それをオーナー様が調べてくれまして、私的には難しいと思ったのですが実は意外と簡単なのだそうです。塗装された物でも傷を付けずに綺麗に元に戻せるらしいです。端っこを溶かしてダマにするんでしょうか、やはりいずれメガネ屋さんに修行に行く必要がありそうです(一体いつになるんだか・・・)。

ちなみに今回頂いた指示書はとても見易いですね。オーナー様は説明書を作るお仕事でもされているんでしょうか(笑)。これで作業を間違えたら救いようが無いですが(気をつけます・・・)。

 

そして今回の肝なのがこの「塗り分け」です。元は塗装では無く違う色の樹脂を溶かして付けて表現したデザインで、今回はこれを塗装で行います。柄のデザインはそのままで、それぞれの色を先ほど紹介した画像にある指示書に記載された指定色に変換するといった感じですね。

難しいのはフロントフレームとテンプルで部品が分割されていることで、これが組み合わさった時にピタリと模様が合わないとなりません。ラインがズレたらとても残念な感じになってしまいますからね・・・。

ちなみに「鼻当て」の部分ですが、こちらは伺っていなかったかと思います。仕上がりとしては「色は塗らずにクリアーは塗る」が段差も無く綺麗に仕上がりますが、鼻当て部分はデリケートな箇所なので塗装はしない方がいいかも知れないとも思います。詳しくは知らないですが恐らくフレームと鼻当ては同じ素材に見えますが実はわざわざ肌に優しい素材を採用しているのでは、と思うからです(そうじゃなかったらちょっと残念ですけどね)。

ですので鼻当て部分の塗装有無についてご希望をお聞かせ頂ければと思います。御手透きの時で構いませんのでメール頂ければ幸いです。

それではとりあえずは作業着手までもう少々お待ち下さいね。作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。

RALEIGHのフレーム 本塗り

RALEIGH2先日のサフェーサーが硬化したので研いでラインを出し、全体の塗膜に足付け処理を行います。今回は旧塗膜を活かしますから使用するペーパー(と言うか研磨用布)は#1000以上と細かい物を使います。

今回の自転車フレーム塗装はいつもとはちょっと違ったやり方ですが、自動車の車体塗装としては至って普通のやり方です。ドアが凹んだとしてもまさか旧塗膜を全て剥がして塗る塗装屋は居ません。と言うかそれは問題です。

ただ自転車の場合だと旧塗膜を残して(活かして)塗り直す方が実は塗膜全部を剥がして塗り直すよりも難易度は高いですし非常に気も遣います。

RALEIGH3そして本塗り準備完了です。と言ってもこのまま塗るとなると残したいデカールに色が飛んでしまうので、色が掛かりたく無い箇所にマスキングを行います。その前によく脱脂してエアーブローは勿論ですね。

RALEIGH4ちょっと適当な感じですが、紙の下にはもう一段マスキングが施されていたりします。なので画像はマスキング二重になった状態ですね。まずはメインで色を塗りたい箇所だけを露出させ、その箇所をしっかり隠蔽させてから徐々に紙を剥がしていきます。

今回はシートチューブ(真ん中のパイプ)の修理がメインですが、ヘッドチューブとリヤディレーラーハンガー、ボトムブラケットの下とシートポストが入る箇所など「頂点」に当たる箇所には傷が多くあったのでその辺を重点的に塗っておきます。

RALEIGH5いきなり本塗りが完了してしまったような感じですが、ここに至るまでのベースコートのボカシ作業でかなり神経を使っていてうっかり写真を撮るのを忘れていました。修理の塗装は色々気を遣う場面が多くて大変です(なので長くやると体を壊します)。

ベースコート塗装のやり方としては、

①下地が露出しているなどしっかり塗る必要がある箇所を先に完全隠蔽。

②マスキングを徐々に剥がしベースコートのボカシと共にさらにちょっとした小傷をスプレーで拾っていく。

③全てのマスキングを剥がしたら全体に「ベースクリアー」を塗布。無色透明なベースコートと言った感じです。

④フラッシュオフタイム(コート間の乾燥時間)をおいてクリアコート。

といった感じです。本当は一番最初に③の「ベースクリアー」(色が付いていないベースコート)を塗る予定だったのですが、実はフレーム全体に小傷があったのでベースカラー(黒)を塗る必要があったのはかなりの部分を占めていましたから下吹き用としてのベースクリアーは必要無いと判断したのです。その代わりにかなり際どいボカシ作業が必要だったんですけどね。大変気を遣いました。

RALEIGH6と言う事で損傷がひどかったシートチューブ以外のロゴは無事残せ、フレーム全体は綺麗にリフレッシュ出来たと思います。

ちなみに今回は普通に全体がクリアーでコートされているフレームだったからこういった方法で既存のロゴを残す事が出来ましたが、古いフレームでピンストライプなどが施されていたり(イタ車に多いです)、旧塗膜自体が劣化した物ではその上にクリアーを塗っても意味が無かったり、また「チヂレ」などの問題を生じる場合があるのでこの方法が全てに対応出来る訳ではありません。特にピンストライプはフタル酸系(所謂「ペンキ」)が多用されていますから、折角のヴィンテージモデルに施された塗装も見るも無残な状態になる可能性があります。と言うかそうなる可能性は非常に高いのでお受付出来ないのです・・・。

来週には完成出来そうですね。もう少々お待ち下さいませ!

クロモリフォークは・・・

今年始めにサンドブラスト屋さんに出しているクロモリフレームとアルミフレームはまだ戻って来ておりませんのでもう少々お待ち下さいね。恐らく年始早々混み合っているのかも知れません。いつもならもっと早く戻って来ますからもう少しだと思います。

で、クロモリフレームとセットでお預かりしている「フォーク」についてはこちらで処理しております。フレームをブラスト屋さんに発送した時に剥離用溶剤槽に入れておいたので一週間以上は浸けておいた状態ですかね。良い感じになってます(笑)。

剥離剤ならものの数分でこれくらいにする威力はあるのですが、如何せん剥離剤はその取り扱いとその後の処理が宜しく無いので私的には好きではありません。なので今はちょっと大きめのタンクに廃シンナーを貯めてこういった部品をそのまま浸けておけるようにしています(元はゴトー氏のアイデアです)。

と言う事で、古い塗膜は溶剤に侵されて綺麗に素材から浮き上がってくれています。見た目はなんだか洋服のしわみたいでちょっと面白いですよね(気持ちが悪いという解釈もありますが・・・)。

あそこまで綺麗に旧塗膜が浮いてくれていると後はワイヤーブラシかスクレーパーで軽く擦るだけで簡単に落ちてくれます。

が、この状態で置いておくとあっという間に錆が発生しますので素早くプライマーを塗る必要があるのですが、フレームの方がまだ戻って来ていませんのでとりあえずまた溶剤槽に浸けておく事にします。シンナーの中に浸かっていれば酸化する事は無いですからね。油がタップリ塗られているのと同じ事ですので。

で、フレームが戻ってきたら一緒にプライマー塗装の準備をします。もう少々お待ち下さいね。

スターバックスタンブラー イメージイラスト

昨年末のパソコン故障で、今まで作成してきたこういったデータは全て消えてしまいましたが、実はカッティングプロッターを動かすPCの中に多少残っていました。途中でバックアップは取っておいたようで多少は救われた気持ちです。

と言うことですが、今回のイラストを作成する時にはその事をすっかり忘れていて一からデータを作成してしまっていたのです。まあこういった作業は無駄なようでちゃんと残りますから良しとする事にします。

今回のロゴは参考となる印刷物をいただきまして、それに似たフォントを見つけて寸法と字間を調整してそれらしくしました。完全なトレースでは無いですが多分解らない程になっていると思います。 ちなみに「D」の中に入っているハートマークは実はDE ROSAのロゴをそのまま流用です(爆)。いや、自転車好きな方にしか解りませんかね・・・(と言うことで一応リンク貼っておきました。昨年の作業例です)。

オーナー様から頂いている希望は「帯ゴムの下に」との事でしたので、とりあえずイメージ図を作りましたので大体の目安ではありますがどちらかお好みで選んで頂ければと思います。

ちなみにこの画像だと「真横」から見た位置ですが、実際の使用でこんな風に真横から見る機会は実はありません(どれだけ高い位置のテーブルだって感じですよね)。ですのでそういった事も想定して決めると宜しいかと存じます。

どうぞご検討の程、お手透きの際で構いませんのでご連絡頂ければ幸いです。

プリウスのコンソールボックス蓋 塗装承りました

先日無事到着しております、トヨタプリウスのコンソールボックスの蓋です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

届いた部品は「枠」の部分のみで中央部にはクッションが付くようですが、現在そのクッションカバーについても皮製の物を発注中とのことでそちらを張られるようです。なるほど、これは凝ってますね。

で、元々この部品にはシボ模様があると思っていたのですが、どうやら今回の物はシボではなく「木目」?を表現されているようです。プラスチック素地をこの模様にする意味は・・・(苦笑)。

ご依頼は「艶有りの黒」ですので、今回も一旦は素地を平滑化にしてからの本塗りとなります。工程としては「研磨→プライマー→2液サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった内容です。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!