結晶塗装 下準備

5m8 つい先ほど結晶塗装関係の本塗り完了しまして、ただそちらの画像は撮っていない物もあるので後日紹介させて頂きます。実は今日塗った物は思ったような結晶目が出なくて、一旦塗った物を全部落としてやり直しまして、もう体力が・・・(苦)。ただお陰で(と言うかさすがに)二回目は綺麗に仕上がりましたのでその点はご安心下さいませ。

上の画像はトヨタソアラの5Mエンジンヘッドカバーで、洗浄~リン酸処理を終えてマスキングした状態です。ヘッドカバーの裏側についていたオイル汚れも綺麗になっているのが判ると思います。最初の画像あるので一応紹介致します。

5m7届いた最初はこんな感じでした。この後アルカリ洗浄槽で浸け置きし、さらに溶剤槽で旧塗膜の剥離~洗浄をして裏側もあんな感じに綺麗になるのです。ちなみに洗浄はサービスですので完全には綺麗にならない場合もあります。何とぞ御容赦下さい。

road64そしてロードスターのヘッドカバーも下準備中です。こちらも同じく綺麗な結晶目が出なかったので一旦塗り終わって焼き終わった後もう一度ここまで戻りました(苦)。まあ失敗と言う程では無いのですがいつもに比べて少々塗り過ぎた感があって、どうしようかと悩みましたがそのままだと延々引きずるのでさっさとやり直すことにしたのです。体力的にはちょっと疲れましたが精神的な事に比べれば全然マシですしね。

amg3こちらは業者さんからの依頼品で、AMGのロゴがちょっとポップな形になってしまっていますが、実はこの凸文字はヘッドカバー一体では無くアルミ板をカットした物を貼ってあるのです。これは以前施工したBMW ALPINAのヘッドカバーと同じで、別体なのは最初から判っていたのですが、無理に剥がそうとして文字に折れ目が付いたらマズイと思い、だったら溶剤で自然に取れてくれた方が安心と思ったのです。ただその後大変な事になりまして・・・(ちなみに文字の位置はちゃんと元通りに、しかもエポキシでガッチリ止めてあります)。

amg4 そういえば以前のアルピナのヘッドカバーでも同じ事をしていたのを思い出しました。取れた文字が溶剤槽の底に落ちて、それを回収するのが結構厄介なのです。結局底に溜まったゴミ(と言うか剥がした塗膜)ごと拾って見つけ出す事となりました。といっても落ちたのは「A」だけで、他のは撮影の為に並べただけですけどね。

ちなみに旧塗膜を剥離する為の「溶剤槽」ですが、これは市販されている「灯油タンク」を改造して利用しています。よく寒冷地方の庭に設置されている大きな四角いアレです。ただしそのままだと大きな物は入れられませんから、タンク上面を大きくカットし、そこからヘッドカバーや自転車フレームなどを入れて蓋を出来るようにしています。これなら容積を少なくしつつ被塗物全体を溶剤で覆うことが出来るので非常に効率が良いのです。中に入れるのはスプレーガンなどを洗った時に生じる「廃シンナー」で良いので廃棄物も減りつつ仕事の効率を高めてくれますし、これのお陰で剥離剤を使う事は殆ど無くなりました(現在ももう手元にはありません)。

見た目はちょっと悪いですが、最後に新しい綺麗なシンナーで洗い流せば問題無いですし、その洗い流したシンナーもそのまま溶剤槽に入るのでゴミになる物は殆ど無いのです(上の画像の旧塗膜くらいです)。色々な負担が軽減されますので是非お勧めです。

それでは明日にでも本塗り画像紹介致しますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ・・・!

ベンツヘッドカバー×2 結晶塗装承ってます

benz83 先日到着しておりましたメルセデスのヘッドカバー×2です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!ちなみにどちらも同じオーナー様です。まさか二台所有している・・・なんて事は無いと思いますが(笑)。

benz85 こちらは以前どこかで塗装をされた物を飾っておいたとの事ですが、その間に凸部が腐食してしまったとの事で今回新たに御依頼頂きました。塗ってからまだ装着もしていないのにちょっと勿体無いですね。

benz86ちなみに裏側を見ると塗膜?がボロボロと剥がれかかった状態で、ただこれはメルセデスのヘッドカバーではいつもの事です。当店で塗り直す時はこれも全部剥がしておくのですが、表も裏もとなるとこれはかなり大変ですからこの手のヘッドカバーはいつもサンドブラスト専門店に御願いしているのです。強力な直圧サンドブラストなら根深い腐食も削り落としてくれますしね。

benz84そしてもう一方のオレンジ色のヘッドカバーです。こちらは結晶塗装では無く通常の塗装で塗られていまして、ただこういった塗装だと素地の粗さがそのままでてしまうのでどうしてもこのような仕上がりになってしまいます。美しい艶々とした塗膜にするにはやはり「研磨→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程が必要なのですが、このイビツな形に角を立てずにペーパーで平らに研磨するなんて、想像しただけで気分が・・・(出来ない訳では無いですが研ぎ作業だけで一週間くらいかかるのではと・・・)。ちなみにそこまでやると鋳造製品でもこんな仕上がりにはなります。

結晶塗装の良いところは、こういった素地の粗さがそのままでもそのチヂレ模様で美しく見せてくれるという点に尽きるかと思います。艶有りも良いですが結晶塗装の無骨な感じは金属的な質感があって良いですね。

ちなみに色はそれぞれ違う色で御指定頂いておりまして、オレンジは以前行ったランサーのオレンジの結晶塗装、赤い方は同型のヘッドカバーに塗った青の結晶塗装で承っています。青い方は最近お納めしたランチアのヘッドカバーにも使いましたね。こちらの方が綺麗に撮れていると思いますので宜しければ参考にどうぞ。

この後の流れとしては、まずはオイルの洗浄を行い、その後サンドブラスト専門店に依頼して直圧ブラストで全体の塗膜を払拭して貰います(裏表ともに)。その後戻って来たら防食性の高い浸透型エポキシプライマーでの重防錆仕様として改めて結晶塗装を行います。そう言えば別件で御依頼頂いているW124の大きなヘッドカバーとプラグカバーが入れ替えでそろそろ戻ってくる予定で、内容が似ていますから宜しければそちらを御参考頂ければと思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

ロードスターヘッドカバー 下準備

road63こちらもお待たせしております。ロードスターのヘッドカバーは先日より浸け置き洗浄しておきましてオイル汚れも綺麗に取れました。この後リン酸処理をして綺麗にさらに洗浄したらマスキングをして本塗りとなります。

ヘッドカバー等の結晶塗装関係は業者さんからの依頼品が多く、ここでは紹介していませんが近々そちらを塗装しますのでロードスターのヘッドカバーはそちらと一緒に本塗りを行う予定です。

どうぞもう少々お待ち下さいませ!