F50&R34ブレンボキャリパー 本塗り

先日下準備を行っていたF50フロントキャリパーと、BNR34リアキャリパー一式です。その後再び全体を洗い流すようにして脱脂清掃し、本塗り準備完了です。

まずは全体にプライマーを塗布します。

その後、膜厚をつけたく無い箇所にベースコートの黒を塗ります。元々こういった箇所はアルミ素地のままだったのですが、それだと腐食が発生してしまい、ただ周りと同じ様に塗ってしまうと固着したりネジ・シャフトが入らなくなってしまう為、隠ぺい力の高い色=黒を薄膜で塗るようにしました。見た目的にも純正の黒アルマイトっぽくて格好良いですし。

黒が乾いたらマスキングを行います。

出っ張った箇所は径より少し大きめ(0.5mmくらい)にカットしたマスキングシートを貼り付けます。

その後、御指定の色=日産35GT-Rの採用色「オーロラフレアブルーパール」(カラーコード:RAY)を塗布します。

青系の原色2種に、粗目のブルーパールが多く使われた塗色となります。メタリックは使われていなく、青味の黒も入っているので光が当たらない場所では比較的暗めの青となります。

よく乾燥させたらロゴ入れを行います。予めカットしたマスキングシートを所定の位置に貼り付け、

ベースコートの白を塗布します。具体的にはVW社のキャンディホワイト(LB9A)を使用しています。

ロゴ入れの塗装は、今まではSATAの0.3mmを使っていたのですが、最近は少し前に購入したIWATAの0.3mmを使うようにしています。SATAのエアーブラシは一般的なスプレーガンと同じように「トリガーを引く」という感じですが、同じトリガー式でもこちらは「握る」という感じで、ボタン式に近いような気がします。スナップを利かした塗り方だとこの方が操作性は良いのかもですね(車体塗装では極力スナップを効かせない塗り方を意識していたのでその辺でまだ慣れていない感じです)。

マスキングを剥がし、タッククロスで被塗面を撫でるようにして均したら、

クリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

吊るした状態だとロゴがある正面はどうしても「側面の肌」になってしまうので、ロゴの部分は後で磨き処理も行います。

二回目のクリアーが塗り終わったら直ぐにマスキングシートを剥がしておきます。

 この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

今回はメルセデスベンツW124のテールランプも一緒にご依頼頂いておりまして、そちらの作業も近々開始予定です(サンドブラストは外部委託なので戻ってきたらどうしてもそちらを先に作業するようになってしまいます。何卒御理解くださいませ)。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

レクサスメッキエンブレム塗装 完成

先日本塗りを終えていたレクサス純正メッキエンブレムです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

最後に、新たに作成した両面テープを貼り付けます。

台紙を剥がしてエンブレムに貼り付け、

さらにその台紙も剥がし、元々貼ってあった台紙に貼り替えます。

そして完成です。大変お待たせしました!

最初の状態も紹介します。

元々はABS樹脂に装飾クロムメッキが施されていた物で、このまま上塗りを行っても塗膜は十分に密着しませんから、

通常の塗膜と同様の密着性を保持出来る下地を作り、その上にご指定の塗色=レクサス純正色「グラファイトブラック」(カラーコード:223)で塗装を施しています。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

両面テープがフチまで貼られていると、ボディに取り付けた時にそれが見えてしまって格好悪いのですが、今回のように純正と同様一回り小さいサイズにする事でそれを目立たなくする事が出来ます。

今回はデータの作成→レーザーカットとわざわざ手間を掛けた作業をしていますが、その時限りと言う事であれば手でカットする事も可能です。レーザーでカットしているのは見た目が綺麗に仕上がっている事と(手作業でここまで美しい曲面&断面にカットするのは不可能です)、あとは個人的な趣味みたいな感じですね。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

F50&R34ブレンボキャリパー 下準備

先日お預かりしておりましたF50フロントキャリパーと、BNR34リアキャリパー一式です。その後いつものブレーキ屋さんにてオーバーホールとサンドブラストを行って頂き、戻ってきました。

そのままでも塗れる状態ですが(元々やっていた下請け的な塗装ではこのまま塗っていました)、

塗り上がった時に艶が出るよう、サンダーや手研ぎで表面を研磨して均しておきます。

ただ今回のF50キャリパーは凸状のフィンや矢印があるので梨地を研磨する事が出来ず、なのでサーフェサーを使って素地を均しておくようにします。

リヤはもっと削り込めばサフェの必要は無かったのですが、ついでと言う事でこちらも一緒に下地処理を行っておきます。

まずはプライマーを塗布します。

同じようにリヤキャリパーも。

続けてサーフェサーを塗布します。

世間一般的にはプライマーを塗らず、直接サーフェサー(プライマーサーフェサー)を塗ってお終いにされる事の方が多いと思いますが、実際にはそれはNGで、金属に塗装を行う場合はプライマーを塗る事が必須となります。また金属素地に直接ポリパテを塗る事も厳密にはNGです(しかしながらそれらを真面目にやろうとすると商売としては成り立たないので無視されるケースが殆どかと思います)。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきます。

水は使いたく無いので(というかこの状態で使うのはNGです)、空研ぎ#320→#400で研磨後、#500相当の布状研磨副資材(アシレックススカイ)→#800相当のアシレックスレモンで研磨します。

同じ様にフロント側も、

研磨します。ペーパーを当てていない箇所があるとこれから塗る上塗り(その前にプライマー)が密着しなくなってしまうので、サフェを塗った箇所はきっちり足付け処理も行っておきます。尚、この時点では金属素地が露出して構わないので(後に塗るプライマーも金属の防錆用なので)、研ぎ作業については余りデリケートに考える必要が無く、その点でここの作業はそこまでの手間ではありません。

この後は再び全体を溶剤で洗い流すようにして脱脂清掃し、セッティングを行ったら本塗りとなります。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ドアウィンドウスイッチパネル 下塗り

先日調色作業を行っていた自動車内装ドアウィンドウスイッチパネルです。

元々はザラザラとした梨地なので、それをツルンとした仕上がりの塗膜にする為、「研磨→プライマー塗布→サーフェサー塗布→完全硬化→研磨」といった下地処理を行っています。

芯棒に固定し、手で持って塗れるようにしています。

よく脱脂清掃し、プラスチック素地が残っている箇所にプラスチックプライマーを塗布しておきます。

フチまでしっかり塗れるよう、裏側に周り込んで塗れるようにしています。

ポケット内部は黒で承っていますので、まずはこちらを塗布します。

黒くなるとペーパー傷が見え易くなるので、シルバーに塗る部分も含めて全体に塗布します。今回のような高輝度シルバーはちょっとしたペーパー傷でも目立ってしまう、かなりデリケートな塗色になりますので、ここで虱潰しにチェックをしておきます。

その後問題が無ければしっかり指触乾燥させ、ポケット内部の黒を残す為のマスキングを行います。先に黒を塗ったのはこの方がラインテープを貼り易いと思った為で、また今回使用する高輝度シルバーは隠ぺい力は弱くはありませんから(下地も白より黒の方がむしろ隠蔽し易いです)この順番で問題無いかと思った次第です。

しかしながら違う事が理由でこの後やり直す事になる訳ですが・・・。

塗り分けのラインが決まったらポケット内部を養生し、

調色したシルバー(ベースコート)を塗布します。

一応色見本となるスイッチカバーと並べて色を確認しておきます。クリアーを塗るとまた色味(質感)が変わったりしますが、この時点では問題無いかと思います。

そしてポケット内のマスキングを剥がします。

が!見切りのラインのガタガタが予想以上に目立ってしまっています。画像だと判らないのですが(普通の方なら肉眼でも殆ど判らないレベルですが)、高輝度シルバー特有の「少しの粗でもとにかく目立つ」といった事で、私的にはどうしても気になってしまいます・・・。

ここからのフォロー策を色々考えたのですが、通常のシルバーと違ってちょっとした事で駄目になってしまう色ですから、

最初に黒く塗った箇所を覆うようにシルバーをオーバーコートさせ、一旦クリアーを塗って完全硬化させる事にしました。またご依頼頂いているのは艶消し仕上げですが、この時点では下塗りとなるので通常の艶ありクリアーを使っています。艶消しクリアーはその特性から体質顔料に白っぽいシリカゲルが使用されている為、これを繰り返して塗り重ねると色味が変わってしまう恐れがある為ですね。

折角塗り分けたラインは消えて無くなってしまいましたが、取り敢えずこれでデリケートな高輝度シルバーは守られたので、後日改めてじっくり黒を塗っての本塗りを行おうと思います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

PCパーツ 3.5インチベイ塗装承ってます

先日到着しておりましたSilverstone SST-FT03-MINI 3.5インチベイ2個です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

現状は黒い塗装=ED電着プライマーが塗られた状態で、今回はこちらをフェラーリロッソスクーデリア(カラーコード:323)への塗装で承りました。

またクリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーへの変更で承っています。

一応配合データを調べておこうと思ってSTANDOXのカラー検索サイトを訪れたところ、既存の溶剤系ベースコートの配合データが無くなっていて、どうしようかと思っていたところ、以前作成した色見本に配合データを残していたのを見つけました。

以前同色で施工した時の画像を紹介しますね。

通常いつも使っているロッソコルサ(300)に比べると、朱色っぽい赤になっています。こちらのページでその他の画像も見れますので宜しければご参照くださいませ。

その他、こちらはPCケースを丸々塗装した時の事例となります。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!