レンズ関係透過性塗装 下準備

 先日の続きで、次の透過性塗装のターンで塗るテールランプ等レンズの下準備となります。

 反射板のついていないレンズ単体の部品は、そのままマスキングをしてしまうと色が見えなくなってしまうので、養生紙を貼る前に反射フィルムを貼っておきます。

 ヘッドライトインナーレンズを除き、全てのマスキングが完了です。

 レンズ表面とフチをしっかり足付け処理します。ボルボのコーナーレンズはランナーから切り離した箇所のバリが酷かったので、#320~#400の空研ぎで予め均しておきました。

 ヘッドライトインナーレンズは表面がカットガラスの様に凸凹していて、いつも使っている足付け用の布状研磨材でも谷の部分に当たらない為、

 ウォッシュコンパウンド(リキッドタイプの研磨洗浄剤)とナイロンブラシを使って足付け処理を行います。また今回は裏側も一緒に塗るので、そちらも同様に行っています。

 塗りながらスモークの濃度を確認するには、先ほどのコーナーレンズと同様に反射板の代わりになるフィルムを貼るか、もしくは透明のテープでマスキングする必要があるのですが、これらの形状からしてそれは難しく、なので今回はマスキングをせず「裏表全面を塗る」と言う方法にしました。ですのでこちらも裏側まで足付け処理を行っています。

固定方法としては、ヘッドライト本体に装着する為のネジ穴部分を利用し、ワニクリップで固定しました。これで裏側もしっかりスプレー出来るようになります。

 当初こちらの小さいリングをどうするか悩んでいたのですが、周りに小さな穴が3か所開いているのを見つけた為、そこに細いアルミ線を差し込み、

それが抜けないようワニクリップで固定する方法でこちらも裏側を塗れるようにしました。スモークは表側だけで、プラスチックプライマーとクリアーは全面塗る方法で行います。

これで塗装準備が整いましたので、これらは一旦保留(保管)し、ブース内の清掃(棚板と壁~床のスチーム洗浄)を行ってから本塗りを行う予定です。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

パブリカステアリング塗装 完成

 大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたトヨタパブリカのステアリングとホーンボタン(プレート)の塗装、本日完成となります。

最初の状態の画像も紹介しますね。元の状態は大分違っていたので、画像は多めの紹介となります。

ぱっと見は大した事無さそうですが、ステアリング全面にひび割れが生じていました。

 ステアリング内部には鉄製のフレームが入っているので使用自体は問題無いようですが、

 底まで達している亀裂と、樹脂の表面全体に細かいひび割れが発生しています。

色も黄色く変色していて、爪で擦ると粉が出るような状態でした。

 最初の画像に比べて随分と色が違ってみえますが、表面を削って劣化していない内部の色を基に調色作業を行っていますので、むしろ新車時の色に近く出来ているかと思います。

 単に亀裂に接着剤を塗っただけではいずれ再発してしまうので、

 割れていた箇所はV字型に大きく切開し、

強度の高いエポキシ系接着剤を使い、芯の部分と樹脂をガッチリ固めています。

またその後もエポキシ系接着剤を多用し、観賞用では無く実用を想定して補修をしています。

プライマーサーフェサーにもエポキシ系を使い、さらにガラスパウダーを入れて強度を高めています。

 この部分は補修途中に直した箇所の隣にヒビ割れが生じ、二度直しました(ショックだったのと、他にも亀裂が出るのではないかと少し時間を空けました)。

ネジ穴周りは特に劣化が激しかったので、

その辺りの樹脂は切り取ってしまい、

元のように穴を開けたABS樹脂の板をカットし、エポキシで固めています。

 言われも分からない仕上りに出来ているかと思います。

 途中行った何度かの熱入れで、切り貼りしたプレートの跡が出るかと思っていましたが、直した本人でも分からないくらい何も残っていませんでした(ただし今後熱による膨張と伸縮で跡は出るかも知れません)。

一番嫌なプレスライン付近も良い具合に割れが生じていまして、

こういうヒビは接着剤を流し込むだけで済ませたいのは山々ですが、それらの周りは割れ予備軍にもなっているので、そういった箇所は大きめに削り落として芯となるフレームと共にエポキシで固めています。

 この部分は単なる円柱に見えますが、実際は逆アールに反っていて難しいラインでした。さらにそれに連続するプレスライン部が自然な感じに見えるよう、そこは何度も修正しています。

 また今回はステアリングと同色で、色見本キーホルダーの制作も承りました(別途有料にて承っています)。

裏側にはシルバーでデカールも入れています。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!


【後日】

それから2年後、実際に車体に装着されて使われているステアリングを見せて頂きました。

こちらのパブリカはガレージ保管しているような物ではなく、日常的に走らせている車両との事で、

ただそれでもあの割れていた箇所は再発する事無く、

塗装を終えた時の美しい状態のままを維持していました。

ひどい割れの他に劣化で全体に細かいクラックが入っていましたが、下地に使ったパテやサフェーサーはエポキシ系でがっちり固め、さらに骨材としてガラスパウダーを入れておいたお陰でそれらもしっかり抑えられたのだと思います。

実際かなり大変な作業でしたが、その後トラブル無く実用されている姿を見れるのは塗装屋冥利というか全ての苦労が報われますね。

わざわざありがとうございました!

レンズ関係透過性塗装 下準備

お待たせしました!次の透過性塗装のターンで本塗りを予定しているテールランプ等レンズパーツです。今回は6セット14点の塗装となります。 それぞれの案件を紹介している記事へのリンクを以下に記載いたします。


スバルWRX STIテールランプ塗装承ってます

ヘッドライトインナー スモーク塗装承ってます

ポルシェ987 テールランプ塗装承ってます

ボルボコーナーレンズ オレンジ塗装承ってます

ダッジラムコーナーレンズ オレンジ塗装承ってます

ホンダフィットテールランプ塗装承ってます


 ダッジラムのコーナーレンズには隙間にシリコーンシーラーが塗られていて、そのまま塗装しても剥がれてしまいますから、予めこれらを除去しておきます。

テールランプ裏に残った泥はエアーブローだけでは取れないので、ブラシと水洗いで清掃しておき、ひっくり返した状態でよく乾かしておきます(ちなみに濡れたままマスキングをすると湿気がレンズ内に入って内側が曇ってしまう場合があります)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせていただきます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

イヤホンプレート 本塗り

 先日クリアーの下塗りをしておいた64 AUDIO Fourte Noirのイヤホンです。

周りが傷つかないようマスキングテープを貼り、ロゴ部分の段差を削って平滑にします。

3ミリ厚のアクリル板を当て板にし、#600で平滑に研ぎます。

 その後コシのある#800相当の研磨剤(トレカット イエロー)で全体を研ぎつけ、同じく#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)でペーパー目を均します。

 マスキングを剥がし、よく脱脂清掃して、再び貼りなおします。

 マスキング完了です。

 最終脱脂処理をし、エアーブローをして埃を飛ばしたら本塗り開始です。

 今回は事前に色板を作成していてオーナー様に確認を頂いておりますので(別途有料)、本塗りではその時に一緒に作ったこちらの色見本を参考にして行います。

 まずは下色としてベースコートの黒を塗ります。

 続けて粗めのメタリック原色、MIX598を塗布します。

 さらに続けて透過性の青緑(キャンディーブルーグリーン)を塗布します。ブルー:グリーン=4:1の割合で、ベースコート用の樹脂(MIX599)で10倍くらいに薄めた物となります。

 そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 画像だと色が薄く見えていますが、実際には事前に作成した色板の通り深みのある青緑になっていますのでご安心くださいませ。

 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなります。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせていただきます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

KATOクレーンミニカー 運転席等 本塗り

 先日下準備をしていたKATO社製の1/50クレーンミニカーSR-250Riの運転席を含む腰上等の部品です。旧塗膜を剥離し、サンドブラストを行い、プライマーを塗った状態となります。

 まずはベージュを塗布します。2トーンカラーの下側だけなので、上の方には塗っていません。

 運転席も同様に、

 後方にあるエンジン部はプラスチックパーツで、こちらも2トーンカラーとなります。

 クレーンアームの土台部分後方にはトラ柄が入るので、ベージュに塗った部分をマスキングします。

 トラ柄用に作ったイエローを塗布します。尚、塗る順番は色の隠ぺい性を優先しています(そうでなければこれを最後にしています)。

 予めレーザー加工機で作っておいた縞柄のマスキングシートを貼り付けます。

 アプリケーションシート(透明な低粘着のシート)を剥がし、マスキングテープを巻き込んだフチまでしっかり貼り付けます(PP製のマスキングシートはこれが出来ないので今回和紙タイプを使っています)。

 そして黒を塗ります。黒はニットコウの「GN-10」をご指定頂いていて、これは見本帳の中で一番黒い黒なのでSTANDOXでも原色の黒をそのまま使用しています。

 マスキングを剥がしました。これでトラ柄の完成です。

 次にそれらの部品を仮組し、1.0mm幅のマスキングテープを使って2トーンのラインを引きます。この辺は実車(1/1)と同じですね。

 反対側も同じようにします。

 繋がったラインテープをカットして部品を取り外し、トラ柄とベージュに残す箇所をマスキングします。

 隙間なく貼っているつもりですが、段差部分はそこから色が漏れたりするので後で部分的にベージュを塗りなおす事も想定しています。

そしてグリーンを塗り終わりました。

 モールド(溝)の部分などはマスキングテープの隙間から色が抜けて食み出たりしましたが、そういった箇所は虱潰しに塗りなおしています。

 そしてデカール貼り付けの作業です。

 デカールは一番最初に作っていたのですが、実際に貼ってみるとモールドがある範囲ギリギリになってしまっていたので、サイズを修正して刷りなおしておきました。

 「作業半径内立ち入り禁止」は横幅が18mmとなります。一文字が1.8mmくらいでしょうか。

 参考となる実車の画像は沢山ご用意頂いているのですが、車種の型が違うという事もあり、色々な部分をコンバートして対応しています。

 作業内容については文章だけだとどうしても見逃してしまいがちで、またオーナー様にも伝わり難いところがありますが、イラストを作成しておくと無用なミスやトラブルも防止できると思います(まあそれこそが一番手間の掛かるところでもあるのですが)。

 デカールをよく乾かしたら再び工場一階に移り、

 クリアーを塗って本塗り完了です。(尚、こちらの画像は電話番号を出さないように微妙な角度にして撮影しています。)

 フロントバンパーです。

他に転倒防止の脚(アウトリガーの端のジャッキ部分)もトラ柄でご指定頂いているので、次はそちらの作業を行いたいと思います。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!