フリードHVフロントグリルメッキモール 本塗り

先日メッキ素地の下地処理を行っていたフリードHVフロントグリルメッキモールです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

平面は当て板(スポンジパッド)と#600の水研ぎでサフェの肌を平滑にし、アール部分は#800の手研ぎで、最後に当たりの柔らかい(ただしコシが全く無い)布状研磨副資材でフチの足付け処理や全体に着いたペーパー傷の目消しを行います。

サフェの下にはグレー色のプライマーが塗ってあり、これを突き抜けるとメッキ素地が露出してしまって上塗りが十分に密着しなくなってしまう為、簡単に下地が出ないようサフェが塗ってあります。

その後良く清掃し、芯棒と筋交いを取り付けて台にセットして本塗り準備完了です。

最終脱脂を行い、勢いよくエアーブローをして埃を飛ばします。自分の身体も同様に行って床には水を撒きます。埃が舞うのを防ぐのと、室内の湿度を高めて静電気を抑える為ですね(その他エアーブローするガンに除電装置の着いた物も使います)。

フチまでしっかり塗れるよう、裏側を塗り易いようにして固定しています。

まずはベースコートを塗布します。

ベースコートは主に着色の為の物ですが、かといってここで適当に塗ると肌を荒らしてしまい、メタリックやパールでムラを生じたり、後々の艶引けの原因となる為、しっかりウェットに塗って平滑な肌にしておきます。この時期(冬場)はベースコートが垂れる事もあり、むしろそれくらいウェットに塗る必要があるという訳です(ただこれはSTANDOXのベースコートが垂れ易いという事もあるかも知れませんが…)。

尚、ベースコートをウェットに塗り込むと、その分乾燥させるのに時間が掛かる為、この時点で休憩時間(昼食)にする事が多いです。大体60分~90分程のセッティングタイムを設けられます。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

色はホンダ純正色のクリスタルブラック(カラーコード:NHー731P)で、黒を基本にブルー、グリーン、酸化チタン(エフェクトホワイト)、パールが極少量入っています。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

メッキ関係 下準備

先日お預かりしておりましたフリードHVフロントグリルメッキモールと、ホンダN-VANのフォグ周りに着くメッキ枠のパーツです(丸い物はスバルエンブレムのメッキ枠で、こちらは私物となります)。

装飾クロムメッキはそのまま上塗りを行っても十分に密着しない為、まず素地調整を行い、その後プライマーを塗布します。

プライマーは厚塗りを避ける為に溶剤で希釈し、2~3コートを満遍なく塗ります。

この後のサフェ研ぎでメッキ素地を露出させるとまたこれを塗り直す必要がある為、下地が出易い角等をしっかりと、また塗り重ねた際に流れないようコート間に十分な乾燥時間=フラッシュオフタイムを設けます。

なのでプライマーを塗るだけで一時間程は掛けていて、これが雇われの身だったらかなり嫌がられていたかも知れません・・・。

ちなみに以前一時期勤めていた会社ではこの工程に密着剤を使っていて、やはりと言うか後から剥がれた等のトラブルが絶えませんでした。施工していたのは主にダッチチャージャー等のアメ車で、メッキパーツが多用されたその車体を「オールブラックにしたい!」という要望が多く、私が入社してからは「密着剤を使うと後から剥がれるので止めた方が良い」として今の方法をお勧めしたのですが、塗装をセットにして車体を販売するスタイルだった為に掛けられるコストが限られていて、仕方なく「剥がれるのが前提」という事で引き受けていたのです。

ただ後でクレームになるのは避けなければならない為、見積書には「密着剤の使用委」(経年で剥がれる可能性あり)と必ず明記するようにしました。

プライマーは裏まで回り込むようにして、フチまでしっかり塗っておきます。

その後は通常通りサーフェサーを塗布します。

メッキパーツはその見た目から歪等は少ないのでサフェを厚塗りする必要は無く、ただし肌を研ぐ際に下地を露出させないよう、こちらもシンナーで希釈してコート数を増やして満遍なく塗っています。

サフェもコート間には十分な乾燥時間を設ける為、こちらも1時間くらい掛けて塗っています。

なのでこれ単品で作業をしようとすると採算が合わない所があり、ある程度数が溜まってから同時に作業するようにしています。

サフェは裏まで塗る必要は無いのですが、フチを研ぐ際に下地が出ないようそこはしっかり塗っておきます。

スバルのエンブレムは私物で、現在色々な仕様を作っているので、枠も塗れるよう準備しています。今回は黒では無く、キャンディーカラーを試してみようかと思っています。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

フリードフロントグリルメッキモール塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたホンダフリードのフロントグリルメッキモール塗装、本日完成となります。

最初の状態を紹介します。

元々はABS樹脂に装飾クロムメッキが施されていた物で、この状態にそのまま上塗りを行っても十分な密着性を得られませんから、これに下地処理を行った上で、

ホンダ純正色「クリスタルブラックパール」(カラーコード:NH731P )の塗装を行っています。

トップコートには、通常使っているクリスタルクリアーよりも上位の同社STANDOX VOCエクストラクリアーを使用しています。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

ちなみに最初の御依頼ではリヤのメッキガーニッシュをご依頼頂いておりまして、 そちらが完成・納品後、続けてこちらの御依頼を頂きました。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度も当店をご利用頂き有難うございました!

フリードフロントグリルメッキモール 本塗り

先日プライマー~サーフェサーを塗っておいたホンダフリードの純正フロントグリルメッキモールです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

素地は装飾クロムメッキなのでライン自体に歪等はありませんが、プライマーやサーフェサーを塗った際に出来る肌の凸凹がある為、それを研磨して平滑にします。注意する点は素地のメッキを露出させない事で、フチの段になっている箇所はコシの強い耐水ペーパーでは無く、布状研磨副資材を使って研磨します。

よく清掃し、芯棒を固定して台にセットしたら最終脱脂を行って本塗り開始です。

本塗り前のエアーブローはかなりの勢いで行う為(基本的に全開)、それによって飛んでいったり外れたりしないようかなりしっかり固定しています。

まずはベースコートを塗布します。色は前回ご依頼頂いたリヤメッキガーニッシュと同様、ホンダ純正色「クリスタルブラックパール」(カラーコード:NH731P )となります。

クリアーをいくら艶々に塗っても、ベースコートを塗り終わったこの時点で肌が荒れていると完全硬化後に艶引けが起きてしまう為、とにかくこの時点で平滑な肌になるようしっかりウェットに塗り込みます。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーで御指定を頂いておりましたが、今回はさらに上位の同社STANDOX VOCエクストラクリアーを採用してみました。昨年末に自分のバイクのカウルを塗るのに使っていて問題ありませんでしたので、徐々にこちらに移行していこうと思っています。

クリスタルクリアーは以前一度廃盤になるという話があって、ただ非常に評判が良かった為かその後も製造が続けられ、ただいつ無くなってもおかしくない所があるので、今のうちに新しいシステムに慣れておこうという算段です。

クリスタルクリアーに比べるとエクストラクリアーの方がコストは高くなりますが、当面は据え置きで対応する予定です。

ただエクストラクリアーは粘度が高いので細かい物には塗り難く、なので現時点ではご指定はお受付せず、その時の状況によってこちらで勝手に変更させて頂こうと思います。飛行機でエコノミークラスを予約して、乗った時のタイミングで無料でビジネスクラスにアップグレードされるような感じで、品質的にはクリスタルクリアーより上ですのでその点はどうぞご安心くださいませ。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スマートフューエルリッド&フリードメッキモール サフェ入れ

先日お預かりしておりましたスマートのフューエルリッドです。

もう一個の方は艶々の塗装が施されているので軽い下地処理(研磨・足付け処理)でそのまま上塗りが出来ますが、こちらはザラザラとした梨地の為、「研磨→プライマー塗布→サーフェサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で平滑な下地をつくる必要があります。

表面をダブルアクションサンダー#120~#180で研磨し、フチや凸凹部分は#180→#240の手研ぎで、さらに裏側は#320相当の布状研磨副資材で足付け処理を行っています。上塗りだけでなく、パテやサフェ、接着剤を塗布する面には足付け処理が必須となります。

よく脱脂清掃し、裏側にサフェが飛ばないよう(飛んでも構わないのですが研ぐのにも手間が掛かる為)マスキングをします。フチはピッタリ貼るのではなく、少し浮かした状態でボカシが出来るような感じですね。

プラスチックプライマーを塗る前には念の為ガスプライマーも塗っておきます。ガスプライマーを使う場合はPP(ポリプロピレン)やPA(ポリアミド)等、塗料が密着し難い樹脂の場合で、元々は「足付け処理無しでくっ付く!」というのがうたい文句でしたが、余り信用しきれない所があるので結局どちらも行う事になり、「便利な物が新製品が出る度にさらに余計に時間が掛かる」という状態になっています。雇われの身だったら一番最初に首になるパターンですね(実際勤め人の時にボーナスが同僚の半分になっていてビックリしました。笑)。

サーフェサーは5~6コート程塗っています。先ほど紹介したRAV4のパーツより梨地の凸凹が大きいのと、PPのようなオレフィン系は研磨した際に表面が毛羽立つ傾向にあり、それを埋める為です。

ちなみにその毛羽立ちは水研ぎやドライヤーの熱で抑える事も出来るのですが、それが返って塗料の密着性を高められると考えているので(木の根っこのようなもの)、敢えて残すようにしています。アンカー効果の期待ですね。

フチにサフェが溜まって固まらないよう、マスキングを剥がしておきます。

フチまでしっかり塗りつつ、裏側には無駄に飛散させないようにしています。

そしてこちらはホンダフリードGB5の純正フロントグリルメッキモールです。

うっかり撮影し忘れたのですが、こちらは先ほどのRAV4の外装パーツやフューエルリッドとは違うプライマーを使用しています。以前ご依頼頂いたリヤメッキガーニッシュと同じ方法ですね。

メッキの場合と同様、裏側にも回り込んでしっかり塗っています。メッキの上に色が乗っても密着せずペリペリと剥がれるのが嫌だからですね(その他両面テープ等を貼ると塗膜と一緒に剥がれたりもします)。

メッキパーツはラインが出ているのでサフェは薄くで構わないのですが、フチに段差があったりする場合、サフェを研いでいる時点で下地を露出してしまう恐れがありますから、そうならないよう余分に塗ってあります。プライマーを3コート、サフェを4コートといった感じでしょうか。

この後は一晩以上自然乾燥させ(塗膜中の溶剤をゆっくり排出させる為)、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!