プラド150社外品FRP製フロントグリル 本塗り

prado28 こちらもお待たせしました!先日完成したテールランプと一緒に御依頼頂いていたフロントグリルも無事本塗り完了しておりますので御安心下さいませ。

こちらのフロントグリルはFRP製で、ただ中古品だったので既にシルバーに塗られた状態でした。逆にこれのお陰で「下地」が出来ている訳で、傷さえなければ簡単な下地処理(足付け処理)をしてそのまま塗れるので結果的にリーズナブルに抑えられます(ただしまともな塗装が施されている事が前提で、十分に密着しておらず剥がれてしまうような塗装だと余計に高くなります)。

ちなみに別の案件でお預かりしておりますステップワゴンのフロントグリルは新品ゲルコート仕上げですが、やはりこちらは下地の状態が悪いので「研磨→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程が必要なので塗装費とは別に下地処理費が掛かってしまうのです。

一番良いのは素材がABSやPU(ポリウレタン)で出来た製品で、これらは金型での成型ですから比較的下地の状態は良のでそのまま塗れるケースが殆どですが、FRP製品の場合毎回手作業で型から起こすような制作で、しかも型自体が崩れている事もありますから「そのまま塗れる」と言うケースは少ないのです(塗っても良いのなら塗りますが大変な事に・・・)。FRP製品は少ない個数での制作には向いていますがこういった問題があるのでいずれは3Dプリンターによる成型に以降していくのでは・・・と私は思っています。データさえ作れれば「世界に一つだけの部品」が簡単に出来てしまう訳ですから・・・。

prado29 ベースコートを塗ったら半艶クリアーを塗って本塗り完了です。塗ったばかりの状態では通常クリアーと同様に艶があり、ここから序々に艶が消えていきます。

ちなみに艶を「半艶」「艶消し」にする場合には何かの添加剤(艶消し剤)を入れると言うのではなく、それぞれ専用のクリアーを使っています。少々(と言うかかなり)割高にはなるのですが、この方が艶具合が安定しているので塗装屋としては楽なのです。折角綺麗に仕上げても艶消し剤の固形分がそのまま出てしまったり(白い粒々です)、「何で今日は艶が消えないの?!」なんて事態は殆どありません。DUPONTのAU175ではかなり煮え湯を飲まされましたので・・・(これのユーザーなら判りますよね。まだ存在しているとなると昔に比べて改善されたのでしょうか)。

prado30塗装してから1時間くらい経つと艶が消えて落ち着いています。

ちなみに熱を掛けるのはこの状態になってからで、艶が消えきる前に強制乾燥させてしまうと「消える筈の艶が途中で止まってしまう」と言う事になり、結果としてムラっぽい仕上がりになってしまいます。私もこれを知ったのは随分と後からになってからで、それまでは「早く乾した方が綺麗に艶が消えてくれる」と思いかなり早い段階で熱を掛けていましたが、どうやらそれは間違いだったようです。判っているようで判っていない事はまだまだ沢山あった、という良い事例でした(メーカーによって違いはあるかも知れませんが)。

それではこちらも完成次第改めて紹介させて頂きますえん。もう少々お待ち下さいませ!

サーベロ展開図

cervelo-flame忙しくてロゴの作成に時間が割けなかったのですが、最近工場に出入りしている友人が手伝ってくれたので予定より早目にロゴ&展開図が作成出来ました。ロゴのデータ&各部の採寸さえ出来れば旧塗膜の剥離が出来るので早速フレームは溶剤槽に漬け置きしました。これで直ぐに手が付けられなくても作業自体は進行するので安心です。

今回の御依頼ではフレームの右側のロゴが赤メタリック、左側とヘッドチューブのロゴがシルバー、ベースカラーとなるボディはソリッドのブラック、全体的に「艶有り」で承っています。

ちなみにフレームのイラストは基本となるテンプレートのデータからロアチューブを太くしただけですので全体の形は参考程度とお考え下さい。ロゴの位置やサイズについても然りです。採寸した数値は別途控えておりますので御安心下さいませ。

どうぞご確認の程宜しく御願い致します!

BMW内装パーツ一式 本塗り

bmw78 こちらもお待たせしました!BMWの内装パーツ一式、無事本塗り完了しております。

bmw79 現状は新品の塗装済み品で、これなら既に下地は出来ていますから足付け処理のみで本塗りが可能です。見た目は最初と変わり無いですが塗装面は#800で研磨されていて、その研磨傷によりその上に塗られる塗装が密着するのです。これが所謂アンカー効果(投錨効果)と言われるもので、これにより特に密着材などを塗らなくても塗装が剥がれなくなるのです。

bmw80 そして本塗り完了です。色はBMWの純正色アルピンホワイトⅢで、ベースコート+クリアーの2コート塗装です。

ちなみに極稀に「白なので安くなりますか?」といった質問がありますが、外資系の塗装(要は外車の塗装)ではソリッドカラーでも今回と同じく「2コート塗装」が基本なので金額は変わりません。シルバーを塗るのも白を塗るのもやり方は同じですので・・・。

bmw81 ただ日本の塗料の場合(要は国産車の塗装)ではソリッドカラーは「1コートソリッド」なる塗装方法で行うのでクリアーは塗らないのが一般的です(もう昔の話かも知れませんが最近はどうなんでしょう)。「クリアーを塗らないでも艶が出るの?」と思いそうですがこれはそれ専用の塗料でして、要はクリアー樹脂に直接顔料を入れたような塗料なのでそれ単体で艶が出ます。勿論硬化剤も入れます。

この1コートソリッドもフルセットで持ってはいるのですが実は余り使う機会がありません。作業効率はこの方が断然良いのですが、例えば「クリスタルクリアー」を御指定された場合はそれが使えませんし(使えない訳では無いですが1コートソリッド用塗料を使う意味がありません)、他の色を一緒に塗れないので場合によっては逆に効率が悪くなるのです。

bmw82また厚塗りをするとワキ易いとか(小さなピンホールが出来ます)、レベリング性能が余り良く無いなど、品質としてはやはりクリアーに劣る所があるので、「コスト重視」よりも「品質重視」としての仕事が多い外車の塗装屋さんでは余り使われないのが一般的です。故に中には「最初から持っていない」と言う塗装屋さんも居たりしますかね。

ちなみにDUPONT社の塗料は樹脂を変えるだけで1コートソリッドも2コート塗装どちらにも対応出来たりするのでこれが結構便利でして、ただ私も使っていましたから判りますがレベリング性能が結構悪いのでクリアーに比べると全然肌が出来難いのです。AFは勿論AKも伸びが足りなく広範囲な塗装には余り使い物にならないので、裏技としてAKバインダーで作った1コートソリッドとクリアー(当時はS696)を1:1で混ぜて使っていたりもしました。隠ぺい力は半分に落ちますがその方が断然使い易かったのです(って専門的な事なのでDUPONTを使う塗装屋さんしか判りませんか・・・謝)。

ちなみにちょっと古い話ですが、日産のステージアの赤に乗ったお客さんが温泉に行った時に「雨が降ったらボディにその跡の染みが出来てしまった!」といった事がありましたが、これは塗膜表面に顔料が直接ある1コートソリッドだから生じたトラブルで、クリアーで覆われていた2コートソリッドであれば起きなかった問題かも知れません。温泉地の硫黄分?か何かが雨に混ざってボディに付着し、それにより顔料が変色してしまったのです。

話は戻りますが、ソリッドカラーが安いという事はそういった理由があるからかも知れません。同じに見える塗膜でも色々ありますのでユーザー側はその辺も考える事が必要かも知れませんね。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ち下さいませ!